西洋鏡 映画の夜明け

活動写真万歳! ★★★★★
[00/中]1h55 1月18日よりスバル座ほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー

[製作]アン・フー
[監督]アン・フー
[脚本]アン・フー ホアン・タイ タン・ルーイ
[出演]シア・ユイ ジャレッド・ハリス シン・ユイフェイ リウ・ペイチー
[配給]ギャガ・コミュニケーションズ
[宣伝]メディアボックス

[中国版「ニューシネマ・パラダイス」:SHADOW MAGIC 全米公開2001年4月6日]

2000年の東京国際映画祭のコンペで上映されて、評判が高かったの全く評価されずに話題になっていた映画ファンなら絶対に見なくてはいけない作品が、やっと公開(GAGAさん、有難う)。中国に初めて活動写真を持ち込んだ英国人と写真館で働いていた中国人青年とを実録風に見せた友情物語。出演は「太陽の少年」シア・ユイ、「スモーク」のジャレッド・ハリス、TVドラマで活躍するシン・ユイフェイ、「秋菊の物語」のリウ・ペイチー。監督はドキュメンタリー作品の多い、中国出身でアメリカ女性のアン・フー。

1902年の北京。人々の娯楽は京劇だけだった頃に、中国にも徐々にだが西洋の発明品が入って来る。新し物好きのリウは写真館で働きながら、西洋の発明品にすっかり夢中だった。そんな彼の前にイギリスからやって来たレイモンドが、西洋鏡を持って動く映像を見せると言う。瞬く間に映像の魔力に魅せられたリウは、レイモンドを手伝い映画小屋を開業する。西洋鏡はあっという間に人々に広まるが、リウには多きな問題がたくさん浮上。徐々に忙しくなる上映に、写真館はおろそかになり、恋をしている京劇の大スターの娘リンには、客を減らしてしまい会わせる顔がなし。おまけに父親から、裕福だけど強烈な体型の未亡人との縁談を押し付けられるなど。だが、レイモンドと出会ってリウは徐々に変わっていく。そんな中、西太后の誕生日を祝う式典で活動写真を上映する依頼が舞い込んでくる。

映画の素晴らしさを改めて実感させてくれる作品。初めて動く映像を見た人達の驚きと感動は見ているだけで、朗らかになり熱いものを感じさせてくれる。西洋人と東洋人が夢と希望を映画に託した友情。映像のキスシーンを見て、恋の表現を勉強するエピソード。映像にいつまでも同じ姿を残せるとカメラの前に立つ普通の人々の姿…。それなのに、それなのに、この作品の評価が低い事は非常にに残念である。

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カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2003年1月14日 by p-movie.com

ウォーク・トゥ・リメンバー

奇跡を信じて… ★★★☆☆
[02/米]1h42 1月11日よりみゆき座ほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー

[製作]デニーズ・ディノーヴィ
[原作]ニコラス・スパークス
[監督]アダム・シャンクマン
[出演]マンディ・ムーア シェーン・ウェスト ダリル・ハンナ ピーター・コヨーテ
[共同配給]ギャガ・ヒューマックス
[宣伝]ギャガ・コミュニケーションズ

[お馴染み難病ムービー:A WALK TO REMEMBER 全米公開2002年1月23日]
「オータム・イン・ニューヨーク」「スウィート・ノベンバー」と秋に公開されていた難病ものラブストーリーが今回は正月第2弾に登場。「メッセージ・イン・ザ・ボトル」の著者二コラス・パークの長編小説小説第3作となるベストセラー小説『奇跡を信じて』を「ウェディング・プランナー」のアダム・シャンクマン監督が映画化。出演は「プリティ・プリンセス」で映画界に進出したシンガーのマンディ・ムーア、「オーシャンズ11」のシェーン・ウェスト、「ハードキャッシュ」のダリル・ハンナ、「ファム・ファタール」のピーター・コヨーテ。

ノースカロライナの小さな港町。両親の離婚以来、愛や希望を信じずに不器用に生きてきたランドンは警察沙汰の事件を起こし、その罰として演劇部の公演に参加する事に。そこで厳格な牧師の父に育てられ優しく純粋で強い信念を持って生きていたジェイミーと出会い、彼の中で確実に何かが変わり始める。途惑いながらも恋に落ちる二人。だが、ジェイミーは不治の病に侵されていた…。そこでランドンはジェイミーが実現したい100のリストの願い事を実現させていく。

優しさに満ちた心が伝わり、見ていると応援したくなる愛に包まれた物語。マンディ・ムーアは純粋で真面目な優等生役だが、限られた命を懸命に生きようと熱演。今後の女優活動に期待大。CGだらけのアクション作品よりも、この手のシンプルだけど心の響く作品は見終わっても、しばらくは心に残る。

オフィシャルサイト: http://www.gaga.ne.jp/wtr/

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カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2003年1月10日 by p-movie.com

ジャム・フィルムズ

7本立てオムニバス ★★★☆☆
[02/日]1h49 12月28日よりシネ・アミューズ&シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開

[製作]河井信哉
[監督]北村龍平 篠原哲雄 飯田譲治 望月六郎 堤幸彦 行定勲 岩井俊二
[脚本]高津隆一 渡部貴子 飯田譲治 望月六郎 三浦有偽子 行定勲 岩井俊二
[出演]北村一輝 山崎まさよし 大沢たかお 吉本多香美 佐々木蔵之助 妻夫木聡 広末涼子
[配給]アミューズピクチャーズ
[宣伝]樂 舎

[まったく類を見ない新しい形の競作映画:Jam Films]
毎年開催されている別所哲也企画の「ショートショート フィスティバル」の審査員をやった「スワロウテイル」「リング」「らせん」プロデューサーの河井信哉が、日本でいちばんイキのいい監督たちを集め映像パフォーマンスを披露させた企画もの。監督と俳優の豪華なコラボレーションも実現した。

オムニバス作品は、ふつう共通のジャンルやテーマが決まっているのだが、この作品には全くなし。それぞれの監督が自由に描いている。北村監督は長編映画のオチ部分だけに絞ったものだし、篠原監督は「月とキャベツ」から6年ぶりの山崎まさよしとホノボノ作。飯田監督はBS-iの開局ドラマで大沢たかおが出演したヴァージョンの続編のようなSFオバカもの。望月監督は「皆月」の吉本多香美でマニアックもの。堤監督は「チャイニーズ・ディナー」や新作でもお馴染みの、アパート1室での室エーション・コメディー。行定監督は高校時代の実体験を妻夫木聡で映画化。岩井監督は広末涼子のみを使ってファンタジー。オムニバスは上映の順番が大切だが、堤監督のは最初と最後に出来ないのでズルイ作品。

オフィシャルサイト: http://www.jam-films.com/

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カテゴリー: 日本 | 映画レビュー

2002年12月30日 by p-movie.com

スコルピオンの恋まじない

アレン監督集大成的な快作 ★★★★☆
[01/米]1h41 12月21日より恵比寿ガーデンシネマほか全国順次ロードショー

[製作]レッティ・アロンソン
[監督]ウディ・アレン
[脚本]ウディ・アレン
[出演]ウディ・アレン ヘレン・ハント シャリーズ・セロン ダン・エイクロイド エリザベス・バークレー
[配給]ギャガコミュニケーションズGシネマグループ
[宣伝]メゾン

[スラップスティック・ロマコメ:The Curse of the Jade Scorpion]
何故か日本では1年遅れで正月映画として登場するウディ・アレン監督作品。今回はアレンが主演のスラップスティック・ロマンチックコメディ。出演は「恋愛小説家」のヘレン・ハント、「セレブリティ」のシャリーズ・セロン、「ブルース・ブラザース」シリーズのダン・エイクロイド、「ショー・ガール」のエリザベス・バークレー。

C.W.ブリッグスは、社長からも信頼の厚い一流保険会社の調査員。そんな彼の最大の悩みは、リストラ担当重役として入社してきたベティ=アン・フィッツジェラルドの存在。水と油のような関係の二人は、顔を見れば皮肉を言い合う犬猿の仲。しかも彼女の超論理的毒舌にはまったく歯が立たないのだ。そんなある日、同僚の誕生日を祝うためナイトクラブにくりだしたところでインチキ魔術師の実験台になった二人。あっけなく催眠状態になり突然恋に落ちるブリッグスとフィッツジェラルド。一方、誕生パーティーの日を境に、神出鬼没の宝石泥棒が世間を騒がせる。ブリッグスはなんとか犯人探しに奔走するのだが・・・。

すっとぼけたキャラでお馴染みのウディ・アレンが生かされている作品。アレンは出演するより監督に徹してる作品のほうが面白いと言われてきたが、前作の「おいしい生活」といいジンクスが破られたのではないだろうか。エンディングは、かなり強引だがアレンだと許せてしまう。これもキャラクターの強みだろう。

オフィシャルサイト: http://www.gaga.ne.jp/scorpion/

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カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2002年12月23日 by p-movie.com

火山高

常識を破壊しろ!! ★★★☆☆
[01/韓]1h48 12月14日より渋谷東急3ほか全国松竹・東急系にて全国ロードショー

[製作]チャ・スンジェ
[原作]ソ・ドンホン
[監督]キム・テギュン
[脚本]キム・テギュン、チョン・アンチョル、パク・ホンス、ホ・ギュン
[出演]チャン・ヒョク キム・スロ クォン・サンウ シン・ミナ
[配給]アミューズピクチャーズ
[宣伝]アミューズピクチャーズ

[学園ファンタジック・アクション:Volcano High
  韓国公開2001年12月8日 日本語吹替え版あり]
韓国のスタッフだけで1年5ヶ月掛けて製作された、CG技術とワイヤーアクションを駆使して描いたビックリ・アクションムービー。出演はフルーツ・チャン監督作の新作に出演しているチャン・ヒョクと、本作が初出演だったシン・ミナとクォン・サンウ、「反則王」「アウトドライブ」のキム・スロ、「ガン&トークス」のコン・ヒョジン。監督は本作が3本目になるのキム・テギュン。

キム・ギョンスは強大な気を持て余す故に、トラブルばかりで8つの学校から退学処分を受け“火山高”にやって来た。学園では教師の乱が招いた抗争で生徒たちによる覇権争いが続いていて、この乱世を辛うじて治めているのは校長が有する秘伝書だった。ギョンスは卒業証書を手に入れる固い誓いでトラブルを避けていたが、毒茶を飲んだ校長の硬直事件をきっかけに争いに巻き込まれていく。火山高を取り仕切ろうと荒くれ集団の無情組が各部の主将を次々と倒し始め、教頭は最強パワーを誇る学園鎮圧教師五人衆を呼び寄せた。遂に火山高の未来を賭けた壮絶な死闘の幕が切って落とされる。

白と黒を色調に、漫画又はアクションゲームを実写化したような怪作ムービー。テロップを駆使して登場人物の説明をし、日本公開版は加工処理をして親切なのだが、特殊効果優先の映像なので物語りは分かりづらい。韓国版より若干上映時間を短くしているが、それでも分かりづらいというのは脚本のミスなのだろうか。「少林サッカー」の学園版のようで、低年齢層には受けそう。

オフィシャルサイト: http://www.kazanko.com/

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カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2002年12月16日 by p-movie.com