X-メン

アメ・コミヒーロー、またも登場 ★★★☆☆
[00/米] 1h44 10月7日より日劇ほか東宝洋画系にてロードショー

監督:ブライン・シンガー
出演:ヒュー・ジャックマン パトリック・スチュワート イアン・マッケラン アンナ・パキン ファムケ・ヤンセン ハル・ベリー レイ・パーク ジェームズ・マーズデン レベッカ・ローミン=ステイモス
配給・宣伝:20世紀フォックス映画会社

創刊以来4億冊以上を売り上げ、過去17年間一貫してコミックス界に君臨し75ヶ国で販売されている「X-メン」がついに映画化された。突然変異によりその特殊能力ゆえに社会から追放されたミュータント達が善と悪に分かれ人類の存亡を賭けて壮絶な超能力バトルを繰り広げる。監督は「ユージュアル・サスペクツ」「ゴ-ルデンボーイ」のブライアン・シンガー。出演は善にパトリック・スチュワート、ヒュー・ジャックマン、アンナ・パキンほか、悪にイアン・マッケラン、レイ・パークほか。

DNA の突然変異により出現したミュータントを管理するために合衆国の議会は「ミュータント登録法案」の必要性を主張していた。そんな中で初老の老人で最強の能力を持つエグゼビア教授(スチュワート)は人類とミュータントとの共存に希望を願っていた。しかし、かつて仲間だったマグニート(マッケラン)はミュータントが地球の新たなる支配者になるべきだと信じていた。そして教授こと通称プロフェッサーXによって組織されたミュータント・チーム「X-メン」は一匹狼のローガン(ジャックマン)やサイクロップス(マーズデン)とストーム(ベリー)とともに、ミスティーク(レベッカ)にトード(レイ)とマグニートの部下で悪のミュータントと対決することになる。

登場するキャラクターは多いが、みな特徴があるので予備知識の必要はなし、ダースモールや「スリーピー・ホロウ」で首無し騎士のスタントをしていたレイ・パークが今回はカメレオン男のようなキャラでやっと素顔を公開している。アンナ・パキン扮するローグはこの映画で髪に白いメッシュが入り、このキャラだけは映画から原作に繋がっているそう。出演者はすでに続編の契約もしているので、パート2の製作に入るのも脚本次第だろう。

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2000年10月9日 by p-movie.com

この胸のときめき

モルダー映画界へ転進 ★★★☆☆
[00/米] 1h56 9月30日より日比谷シャンテ・シネにてロードショー

監督・原案・脚本:ボニー・ハント
出演:デビッド・ドゥカブニー ミニー・ドライバー ジェームズ・ベルーシ
配給・宣伝:UIP

X- ファイルのモルダーでお馴染みのデビッド・ドゥカブにーがラブロマンスに挑戦。監督を務めるのは「グリーン・マイル」でトム・ハンクスの奥さんを演じていたボニー・ハントでドゥカブニーは「ベートーベン」で共演したのがきっかけでオファーされた。共演は「理想の結婚」のミニー・ドライバー。ハントはミニーの親友役で出演もしている。原題は冒頭でディーン・マーチンが歌うタイトル曲の「RETURN TO ME」。

動物学者の妻を交通事故で亡くした建築家のボブ(ドゥカブニー)は、妻の遺志を継いで動物園の新しいゴリラ館建設に全精力を注いでいたが、私生活は殺伐たるもの。そんなボブを見かねて、妻の友人が食事に誘い出し女性を連れてくるが全くボブはその気なし。しかし何故か店のウエイトレスのグレース(ドライバー) に何か不思議な親しさを感じた。そしてボブは店に忘れ物をしたのをきっかけにグレースと付き合い始める。しかしグレースは胸に大きな傷があり、ボブをなかなか受け入れることが出来ない。グレースは重い心臓病で助かる道は臓器移植しかなく、その心臓の提供者がボブの妻だったのだ。そのことを知ってしまったグレースはボブに真実を告げ、一人でイタリアに旅立ってしまう。

なんともオシャレなタイトルのラブコメだが、この作品は主人公を支えるわきのキャラクターがすごくいい味を出している。ドライバーの友人役ボニー・ハントとジェームズ・ベルーシ夫婦やイタリアでドライバーに優しく声をかけてくるウエイター。なかでもドライバーの祖父役と友人のおじいちゃん4人組が、二人の恋の後押しをしようとするのがなんとも微笑ましい。秋に公開のラブストーリーの中ではいちばんのお勧めです。

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2000年10月2日 by p-movie.com

マルコヴィッチの穴

この素晴らしい体験を見逃すな!! ★★★★★
[99/米] 1h52 9月23日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にてロードショー

脚本・製作総指揮:チャーリー・カウフマン
監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ジョン・キューザック キャメロン・ディアス キャスリン・キーナー  ジョン・マルコヴィッチ チャーリー・シーン
配給・宣伝:アスミック・エース

いや、驚いた。今まで数多くの映画を見ていたが、こんな奇想天外の面白い映画に出会うとは・・・。アカデミー賞にノミネートされた時から期待していたけど期待以上の作品に満足です。映画の中で役者が本人役で出演する作品はたまにあるけど、この作品はずば抜けていて最後の最後まで油断ができない作品です。こんな面白い作品を作った監督はCMやプロモビデオを数多く手がけていたスパイク・ジョーンズ。初監督作品にしてアカデミー賞監督賞にノミネートされ、役者としてもちょこちょこ出演していて「スリー・キングス」では最後に残念ながら死んじゃった人。ちなみに奥さんは「ヴァージン・スーサイズ」を監督したソフィア・コッポラ。出演は売れない人形使い師にジョン・キューザック、ペットショップに勤める妻にキャメロン・ディアス。この夫婦は、身なりも住んでる家もメチャクチャ汚い。この2人に絡んでくるのがアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたキャスリン・キーナーに忘れちゃいけないジョン・マルコヴィッチ。キューザックとマルコヴィッチは「コン・エアー」で共演済み。そしてチャーリー・シーンほかカメオ出演で数々のスターが出演している。こんな面白い脚本を書いたのがTVドラマの脚本を書いてきて、映画脚本家デビューでアカデミー賞にもノミネートされたチャーリー・カフマン。こういう映画にアカデミー賞を1つもあげないなんてアカデミー会員は頭が固すぎるぞ。(この映画は何もストーリーを知らないで見に行った方が面白いので紹介はさわりだけです。)

才能があるのに生かす場所がないクレイズ(キューザック)は、ペットショップに勤める妻ロッテ(ディアス)と2人暮らし。すでに10年に及ぶ夫婦生活にはお金も無ければ愛もなかった。クレイズは手先が器用な人求むの新聞広告を見て7と1/2階にある小さな会社に雇ってもらい、同じフロアーに勤めるマキシン(キーナー)に一目惚れするが彼女はクレイズに興味なし。そんなある日にクレイズは偶然に小さなドアを見つけて入ってみると、その穴はマルコヴィッチを 15分だけ体験できる穴だった。この驚くべき体験をクレイズはマキシンに話すと彼女はすぐに信用して、マルコヴィッチの穴を200ドルで体験できる会社を 2人で作り商売をしようと言った。

この映画の中で大笑いしたのが、やはりマルコヴィッチが自分で穴を体験するのとチンパンジーのトラウマ回想シーンですね。もし日本でやるとしたらマルコヴィッチの役は誰がいいですか? 考えてみると楽しいですよ。

(気まぐれ飛行船)

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2000年9月21日 by p-movie.com

60セカンズ

60 秒のエクスタシー ★★★★☆
[00/米] 1h58 9月9日より日劇プラザほか東宝洋画系にて公開

製作:ジェリー・ブラッカイマー
監督:ドミニク・セナ
出演:ニコラス・ケイジ アンジェリーナ・ジョリー ジョバンニ・リビージ
配給:ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン
宣伝:メイジャー

「アルマゲドン」や「ザ・ロック」などで知られるジェリー・ブラッカイマーが新たに挑んだのは1974年に製作された「バニシング in 60」にインスパイアされたカー・アクション・エンターテイメント。だがストーリー設定や登場人物は大きく異なる。監督は「カリフォルニア」のドミニク・セナ。セナは「バニシングin 60」で監督ほか7役を務めたH.B.ハリッキーの作品で働いていたこともある。出演はブラッカイマー作品は「ザ・ロック」「コン・エアー」に続いて3作目になるニコラス・ケイジ、弟役に「サム・ガール」のジョバンニ・リビージ、仲間に「17歳のカルテ」のアンジェリーナ・ジョリー、「フェノミナン」のロバート・デュバル、「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」のヴィニー・ジョーンズ、「身代金」に続き今回も刑事役のデルロイ・リンドー。

ストーリーはメチャ簡単。痕跡を一切残さず超レアな高級車を芸術的な手口でたった60秒で盗むエキスパートのメンフィス(ニコラス)。でも現在は足を洗い田舎町でひっそりと暮らしていた。弟のキップ(ジョバンニ)は兄を慕うあまり車窃盗団を結成し兄と同じ道を選んでいたが、窃盗組織に依頼された仕事の途中で警察に追跡され逃げ失せたがアジトに隠してあった盗難車を押収されてしまった。窃盗組織はしくじったキップに変わりメンフィスに仕事を押しつける。その仕事とは3日間で指定された50台の高級車を盗むとミッション:インポッシブル。メンフィスは早速昔の仲間を捜し出しチームを結成。チームには元恋人のスウェイ(ジョリー)も加わった。下見に1日、仕込みに1日、最後の1日で50台盗む。しかし伝説のプロフェッショナル集団が動き始めたのは警察の耳にも伝わっていた。

弟の命を守るために車を盗むという分かりやすい兄弟愛を新たに加えて、登場人物は泥棒チームも刑事チームも車が大好きな面々。何かというと車の話ばかりで盗む車には女性の名前を付けたり、刑事は名車のエンジンをふかして感覚に酔いしれる。ニコラス・ケイジもスタントマンを一切使わずに自分のドライブテクニックを披露している。映画館を1歩出ると何も残らずに、すぐに忘れてしまう作品だが秋は何かと印象深い作品が多いので、何も考えずスッキリとしたい人にはお勧め。ちなみにこの映画を見ても車窃盗技術は覚えられません。

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2000年9月11日 by p-movie.com

フローレス

デ・ニーロ久々の役作り作品 ★★★★☆
[99/米] 1h51 9月2日より銀座シネパトスにてロードショー

製作:監督・脚本:ジョエル・シューマカー
出演:ロバート・デ・ニーロ フィリップ・シーモア・ホフマン
配給・宣伝:UIP

最近、派手な大作の出演が多かったロバート・デ・ニーロが久々に役にのめり込んだヒューマンドラマ。共演は「マグノリア」「ハピネス」「リプリー」と出演作が多いフィリップ・シーモア・ホフマンで、この作品ではドラッグ・クイーンを演じている。監督は最近の「バッドマンシリーズ」「フラット・ライナーズ」「評決のとき」のジョエル・シューマカーでこの人は本物のゲイ。

ニューヨークの片隅に生きている[2人]。ウォルト(デ・ニーロ)は元警官の独身中年男、ラスティは派手な衣装で闊歩するドラッグ・クイーンでもあるプロの歌手。2人の共通項といったら同じアパートの住人というぐらいで犬猿の仲。ある日、ラスティの部屋でトラブルが発生した。マフィアのボスの金を盗んだ友人をかくまったためマフィアに押し入られたのだ。元警官の血が騒いだウォルトは、駆けつけようとするが突然発作に襲われてしまう。脳卒中になったウォルトは右半身が麻痺して喋るのもままならなくなってしまう。医師にリハビリには歌がいいと言われ、仕方なくウォルトはラスティに歌のレッスンを頼むのだがすぐ喧嘩になってしまう。でもレッスンを続けていくうちに徐々に2人の溝は縮まっていった。しかし、ラスティが金を隠し持っていると知ったマフィアはアパートにやって来た。

脳卒中の友人のリハビリに歌のレッスンが有効というエピソードからシューマカーは脚本を書き上げた。デ・ニーロは役のために病院でリサーチをして、鉛の靴や腕に特殊な重りを付け、麻痺した顔のイメージを出すために特殊なマウスピースを作らせ、症状の変化に合わせて違うものを作っている。フィリップ・シーモア・ホフマンも今までの演技はどうも好きになれなかったが今回は好感が持てたし、ジョエル・シューマカーも「セント・エルモス・ファイアー」に続いて好きな作品になった。それにしてもいくら地味な作品だからといって銀座シネパトスのみの公開はかわいそう。

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2000年9月4日 by p-movie.com