CHARLIE’S ANGELS

2000年最強にして最高のオバカ映画 ★★★★★
[00/米] 1h38 11月11日より日本劇場ほか東宝洋画系にてロードショー

製作:ドリュー・バリモア レナード・ゴールドマン ナンシー・ジュボネン
監督:McG(マックジー)
脚本:ライアン・ロウ エド・ソロモン ジョン・オーガスト
武術指導:ユエン・ウーピン
出演:ドリュー・バリモア キャメロン・ディアス ルーシー・リュー ビル・マーレー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
宣伝:P2

1976 年にスタートし大ヒットした人気ドラマ、地上最強の美女たち!「チャーリーズ・エンジェル」が装いも新たにスクリーンに復活。謎のボス、チャーリーのもと、マネージャーのボスレーと一緒に、抜群の運動神経と数ヶ国語を操る知性にセクシーな魅力を武器に悪を追い詰めていくエンジェル達には、この映画を企画したドリュー・バリモアに熱いラブ・コールに応えたキャメロン・ディアスと「シャンハイ・ヌーン」「アリー・myラブ」でお馴染みのルーシー・リュー。この3人が肩の凝らない笑いとシャープなアクションの絶妙なバランスを披露すれば、ボスレー役のビル・マーレーが久々にコメディアンぶりを発揮している。ほかの出演者は「グリーン・マイル」で憎まれ役のサム・ロックエル、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の情けないお父さんを演じたクリスピン・グローバー、「ロッキー・ホラー・ショー」の怪人役ティム・カリー、「ドラッグ・ストアー・カウボーイ」の麻薬中毒の妻役ケリー・リンチ、「マイ・ドック・スキップ」のルーク・ウィルソンに、この映画でドリューと婚約したコメディアンのトム・グリーン。武術指導は「マトリックス」のアクション指導ユエン・ウーピンの弟ユエン・チョンヤンのチーム。そして監督はMcG。ってこの人誰? 謎のボス、チャーリーより気になるな~。

今回のエンジェルたちの指令は、誘拐された優秀なソフトプログラマーの救出とプログラマーが開発した音声追跡ソフトの奪回。このソフトは正確な声紋による固体識別機能を持っていて、その声の持ち主が地球上の何処に居ようと通信衛星を使って盗聴が可能になるもの。使い方を誤れば悲惨な結果になるヤバイ代物だ。長年のライバル社に捜査の的を絞ったエンジェル達は潜入捜査を決行し、無事にプログラマーの救出に成功したと思ったが、実はこれは巧妙に仕組まれた罠であった。果たしてエンジェルたちを利用した犯人の本当の目的とは何なのだろうか?

この作品、「007シリーズ」「M:I-2」「オースティン・パワーズ」とスパイ映画をかなり意識した作りになっている。タイトル前には 007張りのオープニングエピソードがあり、イーサン・ハントも真っ青の変装シーンで掴みはOK。そして何よりもキャラクターが、オースティン顔負けのかなりのオバカさ。この作品をやりたくて製作にも名を連ねるドリューは峰不二子のようにセクシーな魅力を振りまけば、キャメロンはさらに輪をかけてハイテンションキャラで応戦。一番笑えるのはマーレーも参加しての4人の変装コスプレシーンかな。そして戦えばメチャクチャつえーときたもんだ。特に3人でポーズを決めて戦うシーンは、最強トリオのジャッキー/ユン・ピョウ/サモ・ハンを思い出す。もちろん、「マトリックス」「ロミオ・マスト・ダイ」で使われたワイヤー・アクションや特殊効果映像の美味しいところを全部使っている。この映画の一番の成功は、上映時間をコンパクトにしたこと。最初から最後までテンションは高いし、途中のダレそうな台詞のシーンでもユーモアは忘れない。この映画こそ、ノンストップ・ジェットコースター・ムービーという名にふさわしい映画です。それにしても今年は「ベリー・バット・ウエディング」のキレタ演技、「マルコヴィッチの穴」の強烈キャラ、そしてこの作品と、キャメロン・ディアスにはやられっぱなしだったなー。

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2000年11月13日 by p-movie.com

グリーン・デスティニー

ヴァーチャル・カンフー・ラヴストーリー ★★★★☆
[00/米・中国] 2h00 11月3日より東劇ほか松竹・東急にてロードショー

原作:ワン・ドウルー
監督:アン・リー
武術監督:ユエン・ウーピン
出演:チョウ・ユンファ ミシェル・ヨー チャン・ツィイー チャン・チェン
配給:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
宣伝:ポップ・プロモーション

1920 年代に上海の作家ワン・ドウルーが書いた5部作からなる武侠小説の第4部目を元にした物語を「恋人たちの食卓」「いつか晴れた日に」「アイス・ストーム」のアン・リー監督が映画化。出演は今や国際俳優になったチョウ・ユンファとミッシェル・ヨー。でも主役はチャン・イーモウが抜擢した「初恋のきた道」が 12月2日から公開されるチャン・ツィイー、「ブエノスアイレス」や「2046」で木村拓哉とも共演してる台湾の若手スターチャン・チェンがツィイーを愛する盗賊の頭を演じている。「マトリックス」で世界的に有名になった武術監督ユエン・ウーピンのワイヤーアクションが冴え渡り、最高のチェリストとして活躍しているヨーヨー・マのチェロ演奏が心地いい。ロケ地は広大な中国全土。

時代は19世紀初め、神秘の剣であるグリーン・デスティニー(碧名剣)をめぐり、運命と戦う二人の女性闘士の勇気と欺きや身分は違いながらも惹かれあう貴族の娘と盗賊の頭のロマンチックなドラマ。天地に響き渡る愛と戦いを壮大に描いた作品は、ウーピンによるワイヤーワークとアクロバティックな技闘アクションにより、時代劇カンフーとして有名な「チャイニーズ・ゴースト」や「ワンス・アポン」シリーズを遥かに超えた。特にユンファとツィイーが竹やぶを飛び回るシーンは笑ってしまうほど素晴らしい。正月前の穴埋め作品として出すには勿体無い作品です。

(気まぐれ飛行船)

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カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2000年11月5日 by p-movie.com

ペパーミント・キャンディー

甘酸っぱくて、かなりほろ苦味 ★★★★☆
[99/日本・韓国] 2h09 テアトル池袋&キネカ大森にて公開中

監督:イ・チャンドン
脚本:イ・チャンドン
出演:ソル・ギョング ムン・ソリ キム・ヨジン
配給・宣伝:アップリンク
提供:NHKエンタープライズ21

韓国と日本が共同で文化事業に取り組んだ記念すべき最初の映画。ある男の人生に起きた出来事の時間を20年間もさかのぼりながら描いていく。主演は「ディナーの後に」のソル・ギョング。監督はデビュー作、ハン・ソッキュ出演の「グリーン・フィッシュ」が11月4日からレイトショーされるイ・チャンドン。

1999 年春。鉄橋の上で自暴自棄になったヨンホの脳裏に過去の記憶がよみがえる。3日前、危篤状態にある初恋の相手にペパーミント・キャンディーの瓶を持って見舞いに行くヨンホ。その4年前、35歳のヨンホは事業で成功を収め忙しい毎日を送っている。だが妻は不倫中でヨンホも愛人と密会していた。その7年前、新婚の新婚時代。更に3年前、新米刑事のヨンホ。それから4年前の兵役に就いていた頃のヨンホ。そして20歳のときに過去を回想する鉄橋の高架下で初恋の相手に自分の将来を語たるヨンホへと記憶は戻っていく。

物語の主軸になっているのは主人公の初恋に韓国の政治情勢が、歴史的かつ社会的な力として及んでいるということ。それが物語の構成として主人公の変貌の様に現れている。「シュリ」の公開から韓国映画の日本公開が増えてきたが、似たような作品はなくジャンルは様々。ほかのアジア映画は国によって大体の特徴が見えてきたが、韓国だけはいまだに見えてこない。侮れないゾ韓国映画。

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カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2000年10月30日 by p-movie.com

フィオナが恋していた頃

クイン三兄弟がおくるラブ・ストーリー ★★★★☆
[98/米] 2h01 12月28日より日比谷シャンテ・シネにてロードショー

共同製作総指揮:アイダン・デクラン・ポールのクイン三兄弟
監督・脚本:ポール・クイン
撮影:デクラン・クイン
出演:アイダン・クイン ジェームス・カーン モイヤ・ファレリー コルム・ミーニー スティヴン・レイ ジョン・キューザック
配給・宣伝:日本ヘラルド映画
提供:ポニーキャニオン/日本ヘラルド映画

「レジェンド・オブ・フォール」や「プラクティカル・マジック」に出演していたアイダン・クインが、ポールを監督に、デクランを撮影監督にして兄弟で製作したアイルランド版ロミオ&ジュリエット。共演には「恋するための3つのルール」のジェームス・カーン、「コン・エアー」のモイヤ・ファレリー&ジョン・キューザック、「スティル・クレイジー」のスティヴン・レイ。

年老いて床に伏せて母親のフィオナの実家に久々に戻って来た高校教師のキアレン(カーン)は、詩集と若き日の母親が若い青年に肩を抱かれて幸せそうに微笑んでいる写真を見つける。詩集には「誰よりも美しいフィオナへ。君を愛するキアレンより」と書かれていた。自分と同じ名前に疑問を憶えたキアレンは甥のジャックと母親が暮らしていたアイルランドへ旅立つ。村に着くと母の過去を知る老女に会い話を聞くことができる。そしてこの結末は母親のフィオナも知らないものだった。

映画のほとんどが、若い頃のフィオナと恋人キアレンの回想シーン。フィオナを演じているのは、アイルランドで活躍するこれがデビューのモイヤー・ファレリー。恋人のキアレンにはアイダン・クイン。アイダン・クインってどうも好きになれず、「ミュージック・オブ・ハート」でも彼がメリル・ストリープと別れてから面白くなっていたが、今回は村のウブな青年を演じ好感が持てました。兄弟が母親から聞いた話が元になっていて思い入れも深く、1930年代アイルランドの農村の悲恋は涙なくては見れない作品になっています。アジアもいいけどアイルランドも外せないね。

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2000年10月23日 by p-movie.com

インビジブル

バーホー版透明人間 ★★★☆☆
[00/米] 1h52 10月14日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてロードショー

監督:ポール・バーホーベン
出演:ケビン・ベーコン エリザベス・シュー ジョシュ・ブローリン
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
宣伝:メイジャー

ポール・バーホーベンが今まで見た事のない全く新しいタイプの透明人間映画を作った。この最新VFXを駆使した透明人間に扮するのがケビン・ベーコン。映画ではほとんど本人は写ってはいないが透明人間のVFXでは映っている。ほか元ケビンの恋人で同じ研究員にエリザベス・シュー、シューの恋人で同じく研究員に「ミミック」のジョシュ・ブローリン。

国家最高機密に属するプロジェクトで透明化する血清を発明した7人の研究チームは巨大な地下施設に様様な実験動物を飼育して研究に没頭していた。そしてついに透明化したゴリラを元に戻すことに成功する。しかしチームリーダーのセバスチャン(ベーコン)は、この成果を国防省に報告せずに自らが人体実験の被験者になり透明化の実験をする事に。どうにか実験は成功するが、元に戻ることに失敗。透明のまま地下研究所に監禁されてしまったセバスチャンは苛立ちが募り、遂にとんでもない行動に出る。

TVスポットで見た人も多いだろうが実験で消えていく様が、理科の実験室の人体模型のように徐々に消えていくのが凄くリアル。これだけでもこの映画は成功と言えるのでは。実は出演者にオファーがあった時はまだこのVFX技術は出来てなかったとか。ケビン・ベーコンはこの撮影の為にかなり苦労した模様(詳しくはPREMIERE11月号の撮影日記に詳しく載ってます。でもネタバレがあるので鑑賞してからどうぞ)。映画の方はとてもよく出来ていてさすがバーホーベンと言いたいとこですが、どうもクライマックスはやりすぎである映画に似ているのが気になります。

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カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2000年10月14日 by p-movie.com