キス・オブ・ザ・ドラゴン

ジェッド・リー、ベッソンと組む ★★★☆☆
[01/米・仏] 1h38 8月25日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてロードショー

制作:リュック・ベッソン
監督:クリス・ナオン
脚本:リュック・ベッソン ロバート・マーク・ケイメン
アクション監督:コーリー・ユエン
出演:ジェッド・リー ブリジッド・フォンダ チェッキー・カリョ
配給:K2/日本ビクター
宣伝:ドラゴンキッカー

[巻き込まれヒーロー・アクション:Kiss of the Dragon]

ジョエル・シルバーにハリウッドへ招かれ「リーサル・ウエポン4」「ロミオ・マスト・ダイ」に出演したジェッド・リーが、今度はリュック・ベッソンと組んでフランスを舞台にアクション映画を撮りあげた。共演は「二キータ」のハリウッド・リメイク版「アサシン」のブリジッド・フォンダに、「二キータ」「ブレイド2」のチェッキー・カリョ。脚本は「フィフス・エレメント」でベッソンとコンビを組んでいるロバート・マーク・ケイメン。監督はCM制作からこれで長編デビューを飾ったクリス・ナオン。ベッソンは10本監督したら辞めると言った通り、制作と脚本にまわり、次々と新人監督の育成に励んでいるし、ついに自分の製作会社を設立した。

フランスで麻薬密売を企てている中国人ギャングの逮捕に協力するために、中国から秘密捜査官のリュウが選ばれた。早速、取引現場のホテルで捜査の指揮をとるフランス警察のリチャード警部と合流。捜査に加わるが、ギャングのボスは取引そっちのけで娼婦を連れこんだ。だが娼婦の一人がボスを殺そうとした。止めに入ったリュウだったが、そこへリチャードも駆けつけ不必要だからとリュウから預かった拳銃でボスと娼婦を殺してしまう。罠にはめられたリュウはどうにかリチャードが撃ち殺す瞬間が録画されたテープを持って逃げ出す。唯一の見方だった中国大使館員を殺されテープも奪われたリュウは、現場に居たもう一人の娼婦のジェシカと出会う。リュウは事件の証言を頼もうとするが、彼女にはリチャードに奪われている娘がいて救出と引き換えに協力することを約束する。

腐敗したフランス警察捜査官に罠へ落とされ、殺しの罪を着せられた、結婚もせず任務に一筋だった中国の秘密捜査官が、人に裏切られ傷ついている娼婦と出会い名誉と愛と真実を取り戻すために壮絶な闘いに挑むアクション満載映画。まさにジェッド・リーのために作られた作品。今回はワイヤー・アクションやCGを一切使わずに(敵は使ってる)、ジャッキーと同じくその場にあった小道具を武器にしたり、ファイトシーンをシンプルにしてリアリティを追求してる。そして忘れちゃいけないのが、リュウの武器である腕に付けている待ち鍼。これを相手のツボに刺して動きを止めるという漫画のようなウラ技には、かなり笑える。それにしてもベッソンは、厨房やダストを使うのが好きだよね。

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2001年8月27日 by p-movie.com

ドリヴン

危険と興奮に満ちたカーレースの世界 ★★★☆☆
[01/米] 1h57 8月18日より渋谷東急&丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系
にて超拡大ロードショー

制作:レニー・ハーリン シルベスター・スタローン エリー・サマハ
監督:レニー・ハーリン
脚本:シルベスター・スタローン
出演:シルベスター・スタローン キップ・パルデュー バート・レイノルズ ティル・シュワイガー エステラ・ウォーレン ジーナ・ガーション ロバート・ショーン・レナード クリスチャン・デ・ラ・フュエンテ
配給:日本ヘラルド/松竹
宣伝:日本ヘラルド/松竹

[アドレナリン・バリバリ・ムービー:DRIVEN]

「クリフハンガー」から8年ぶりにレニー・ハーリンとスタローンがタッグを組んで、インディーCARTの世界を描いたリアル体感型ムービー。出演は「タイタンズを忘れない」のキップ・パルデュー、「ブギー・ナイツ」のバート・レイノルズ、「ノッキン・オン・へヴンズ・ドア」のティル・シュワイガー、「PLANETOF THE APES/猿の惑星」のエステラ・ウォーレン、「フェイス/オフ」のジーナ・ガーション、「いまを生きる」ロバート・ショーン・レナード、ボン・ジョヴィと共演したヴァンパイアものを撮り終えたばかりのクリスチャン・デ・ラ・フュエンテ。

時速400キロを超えるマシンとドライバーが織りなす苛烈なモーター・スポーツの世界「インディーCART」。今年もまたシーズンが開幕した。昨年度のチャンピオン、ボー・(シュワイガー)は快進撃を続けていたが、無名のルーキー、ジミー(パルデュー)が、トップに躍り出る。だが、ジミーは熱血プロモーターの兄、デミル(ショーン・レナード)からの猛烈なプレッシャーに押しつぶされ、どこか不安定だ。一方、ボーは、レースに集中するあまり、恋人のソフィア(ウォーレン)を振ってしまう。ジミーにチームの命運を託しているベテランのチーム・オーナー、カール(レイノルズ)は、かつての相棒でもあった花形ドライバーのジョー(スタローン)のカを借りる事にする。ジョーは、ジミーのためのサポート・ドライバーとなって、彼を優勝に導いて欲しいとカールに頼まれ、しぶしぶ引き受けた。

豪華な共演陣が登場するのだが、どいつもこいつも自分に都合のいいことしか考えていない奴らばっかり、特に女性陣の描かれ方は酷すぎで下げマン揃い。なのに、最後には全ていい人で終わらせてしまうのがいかにもスターローン脚本らしいのだけど。レース・シーンやクラッシュ・シーンはCGと編集と音楽で楽しく見せてくれるし、キップがウォーレンに振られイジケてCARTに乗り走り出し、スターローンがそれを追いかける公道チェイスは、音速でガラスは砕けるは、マンホールは飛ぶわで迫力あり。是非暑気払にどうぞ。

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2001年8月20日 by p-movie.com

セイブ・ザ・ラストダンス

失った夢をつかみ取れ! ★★★★☆
[00/米] 1h53 8月11日よりみゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー

原作:デュエイン・アドラー
監督:トーマス・カーター
脚本:デュエイン・アドラー シェリル・エドワース
出演:ジュリア・スタイルズ ショーン・パトリック・トーマス テリー・キニー
配給:東宝東和
宣伝:トライアル

[HIPなラブ・ストーリー:SAVE THE LAST DANCE]

「キャスト・アウェイ」を押しのけて、全米で2週連続No.1に輝いたMTVが制作したダンス&ラブ・ストーリー。出演は「デビル」でハリソンの娘を演じたジュリア・スタイルズ、「ドラキュリア」のショーン・パトリック・トーマス、「スリーパーズ」のテリー・キニー。監督は「ネゴシエーター」のトーマス・カーター。ヒップホップの振付&演出に大物スターの振付師として有名なファティマ。

バレエをこよなく愛し、名門音楽院への進学を夢見ているサラは、オーディションの最中に母親を交通事故で亡くしてしまう。自分のせいで母を失ってしまったと思い込んだ彼女は絶望のあまり夢をあきらめ、幼い頃に別れたミュージシャンの父親とシカゴのサウスサイドに住むことになる。黒人がほとんどを占める高校の中で白人生徒のサラは、母親の死というまだ生々しい記憶と戦いながらも、校内でも人気のあるシェニールと親しくなる。シェニールは未婚の母で、ハンサムな弟デレクは医者を目指しているという。彼はダンスも上手くてサラをヒップホップという新しい世界へと連れ出す。ヒップホップのスタイルや新しいステップの練習を通じて互いに惹かれていく。しかしデレクのこの新しい恋は、幼いときからの親友で、いまや暴力的な地元のギャング団の一員となった友人から猛烈な反対をうける。白人の彼女との付き合いを周りから反対されながらもデレクはサラに、一度はあきらめたバレエヘの夢に再挑戦するよう説得するが、2人にはさらなる問題が待ち受けていた。

今年はやたらとダンス作品が目立つが、この作品はただのダンス青春映画ではなく、最近の若い世代にありがちの集団グループの対立や未婚の母という状況や、白人と黒人恋愛の難しさという人種問題を取り入れて見応えあり。サラがいつまでもくよくよしているのとバレエをしていたには体型が小太りなのが気になるが、爽やかな感動を与えてくれる。

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2001年8月11日 by p-movie.com

ジュラシック・パークIII

喰われる前に逃げろ!! ★★★★☆
[01/米] 1h33 8月4日より日本劇場ほか全国東宝洋画系全国にてロードショー

制作総指揮:スティーブン・スピルバーグ
監督:ジョー・ジョンストン
脚本:ピーター・バックマン アレクサンダー・ペイン ジム・テイラー
出演:サム・ニール ウィリアム・H・メイシー ティア・レオーニ トレヴァー・モーガン
配給:UIP
宣伝:UIP

[恐竜恐怖体感ムービー:Jurassic Park III]

今年の夏休み大作は『5強』と呼ばれているが、そのラストを飾るのが公開を1週間早くして登場の「ジュラシック・パークIII」。監督は忙しいスピルバーグから、「ミクロ・キッズ」「ジュマンジ」のジョー・ジョンストンに交代。出演は、1作目に登場したグラント博士役のサム・ニールが再び登場、ほか「マグノリア」のウィリアム・H・メイシー、「天使のくれた時間」のティア・レオーニ、「シックス・センス」のトレヴァー・モーガン、出番は少ないが、同じく1作目から登場のローラ・ダーン。

古生物学者のグラント博士と助手のビリーは、大学の博物館でいつもながら恐竜の研究をしていると、そこに実業家と名乗るカービー夫妻がやって来る。恐竜たちが生息するサイトBの上空を回るツアーを計画してガイドを頼みたいと言うのだ。研究の資金援助の見返りにしぶしぶ承諾する博士。機長と副操縦士に乗務員1人を加えた7人でいざ出発。だが約束に反して機は島に着陸。本当の目的は、8週間前にパラセーリング中に島に不時着してしまった夫婦の息子の捜索だった。スピノサウルスに襲われ、早くも機と乗組員を2名失なってしまう。果たして一行は無事に島から脱出出来るのだろうか?そして行方不明の少年の消息は?

武器を持っていない彼らは、恐竜と出くわしても逃げるしかない。それも水中から空中からと一瞬たりとも気は抜けなく、恐竜自体も知能が発達している。一難去ってまた一難の展開は、アミューズメント・パークの乗り物のような臨場感。又はRPG。シンプルで上映時間も短くコンパクトで、恐竜のリアリティーは更に増している。集団で移動する恐竜やプラテノドンの飛ぶ優美な姿を見ていると不思議と嬉しくなってしまう。

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2001年8月6日 by p-movie.com

PLANET OF THE APES/猿の惑星

未知の衝撃に備えよ。 ★★★★☆
[01/米] 2h00 7月28日より日劇プラザほか全国東宝洋画系全国にてロードショー

原作:ピエール・ブール
制作:リチャード・D・ザナック
監督:ティム・バートン
脚本:ウイリアム・ブロイルス,jr.  ローレンス・コナー&マーク・ローゼンタール
出演:マーク・ウォルバーグ ティム・ロス ヘレナ・ボナム=カーター エステラ・ウォーレン
配給:20世紀フォックス映画
宣伝:20世紀フォックス映画

[驚異の新世紀SF超大作:Planet of the Apes]

1968 年、SF映画史上燦然と輝く名作「猿の惑星」。4本の続編と2つのTVシリーズを生み出し、その後もリメイクの話は何度もあり数々の監督(ジェームズ・キャメロン オリバー・ストーン クリス・コロンバス マイケル・ベイ)の名前は上がり消えていったが、ついに「バッドマン」を斬新に生まれ変わらせたティム・バートンが斬新かつユニークなニュー・バージョンとして蘇らせた。脚本は「キャスト・アウェイ」のウイリアム・ブロイルス,jr.に「マイティー・ジョー」のローレンス・コナー&マーク・ローゼンタール。特殊メイクはお馴染みのリック・ベイカー。出演は 「ブギー・ナイツ」のマーク・ウォルバーグ、「ファイト・クラブ」のヘレナ・ボナム=カーター、「海の上のピアニスト」のティム・ロス、「ドリヴン」のエステラ・ウォーレン、「グリーンマイル」のマイケル・クラーク・ダンカン、「デュエット」のポール・ジャマッティ、「パール・ハーバー」のケリー・ヒロユキ・タガワ。チャールトン・ヘストンが、なんと猿役で特別出演。

西暦2029年の宇宙ステーション、人類は惑星間の探察に訓練したチンパンジーを使用していた。突如、現れた磁場空間に早速偵察ポッドに載せられるチンパンジー、だがすぐに交信不通になってしまう。宇宙飛行士のレオは助けに行くが、彼も時空間に飲み込まれた。着いたところは、猿が人間を支配する惑星。レオは、人間愛護活動家のアリに買われるが一緒に捕まった人間と脱出。彼が別の星から来たと知ったアリは同行する事に。だがこの星を支配していたエイプ軍が黙っている訳がない。レオは発信機により救助を求めて移動している知らないうちに、人間の反乱軍のリーダーになっていた。

前回の「猿の惑星」と違う点は、猿がオランウータンからチンパンジー&ゴリラになっているのと、登場する人間が最初から喋れること。(これが、この作品のキーポイントになっている)リック・ベイカーの猿メイクは目元で誰だが分かる素晴らしい仕上がり(ティム・ロスは怒ってばっかりで目が血走ってるけど)。今回のオチはオリジナルには勝てなかったようだ。特にタイムパラドックスものが好きな自分としては疑問が残る。でもバートンらしい遊び心溢れていた作品で(特にチンパンジーが人間らしいシーン)楽しめる。

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2001年7月27日 by p-movie.com