センター・ステージ

プロ・ダンサーによる本格的バレエ・ムービー ★★★☆☆
[00/米] 1h55 5月12日より有楽町スバル座にてロードショー

監督:ニコラス・ハイトナー
出演:アマンダ・シェル イーサン・スティーフェル サシャ・ラデッキー イリア・クーリック ピーター・ギャラガー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
宣伝:メディア ボックス

今年はダンス映画の公開本数が多いようだが、この作品はNYのトップスクールを舞台にした本格的バレエ作品。出演者に知らないメンバーが多いが、それもそのはず。世界でも有数のバレエ団のセンターステージに立つことを目指している若者たちということで、アマンダ・シェル イーサン・スティーフェル サシャ・ラデッキーはプロのダンサー、また長野オリンピック男子フィギュア・スケートで金メダルを獲得したロシアのイリア・クーリックも俳優デビューを飾っている。ほかバレエ・アカデミーの舞台監督に「アメリカン・ビューティー」のピーター・ギャラガー。監督は「クルーシブル」「私の愛情の対象」のニコラス・ハイトナー。

今年も激しいオーディションを突破し、期待に胸ふくらませてNYのアメリカン・バレエ・アカデミーの練習生になり入寮して来る面々。目指すはニューヨークの名門バレエ団のダンサーになる事、しかし練習初日に舞台監督は名門バレエ団のアメリカン・バレエ・カンパニーの推薦者は男女3人ずつという厳しい現実を突きつける。それには練習でみっちりと基礎とテクニックを磨き、卒業公演のオーディションで主役クラスの役を貰わなければならないのだ。

主な登場人物は7名。失恋・葛藤・挫折と様々な問題に直面しながら夢を実現するのは誰?といった現代版の「フェーム」といったところ。見所は色々ありながら辿り着く卒業公演2つの演目。プロのダンサーを使った効果は活きている。ただ、終わりよければ全て良し(男女3人の選択)なところは納得がいかない。まあ舞台監督がピーター・ギャラガーというとこから期待してはいけないのかも知れないけど。だって、このバレエ学校がNYのトップスクールとは思えないのだから。

.

カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2001年5月14日 by p-movie.com

シリアル・ラヴァー

ああ死体!!のに、こう死体!!の ★★★★☆
[98/仏] 1h25 4月28日よりシブヤ・シネマ・ソサエティにてGWロードショー

監督:ジェームズ・ユット
脚本:ジェームズ・ユット
出演:ミシェル・ラロック アルベール・デュポンテル エリ-ズ・ティエルローイ
配給:クレストインターナショナル
宣伝:クレストインターナショナル

フランス映画祭横浜で、その面白さから劇場公開が待たれていたブラック・コメディーが遂に公開決定!主演には「ぼくのバラ色の人生」のミシェル・ラロック、ほかの出演者は「ベルニー!」のアルベール・デュポンテル、「パパラッチ」のエリ-ズ・ティエルローイ、「ドーベルマン」のアントワーヌ・バズレール、「視線のエロス」のジヌディーヌ・スアレム、「女と男の危機」のジル・プリヴァ。監督は、これがデビューとなるジェームズ・ユット。

クレールは、ミステリー専門出版社の編集者。そんな彼女には贅沢な悩みが・・・・、それは恋人を1人に絞ることがどうしても出来ない事。今日は彼女の35歳の誕生日。彼女は 3人のボーイフレンドを自宅に招き、最高の夫となるべき男を選ぶことにするのだが、何故か男どもは次々と死体になっていってしまう。そんなクレールの前には強盗を追っている二人の刑事や、妹が誕生日を祝おうと連れてきた大勢の若者たちが乱痴気騒ぎを起こす始末。妹に事情を説明したクレールは二人で死体の始末をしようとするのだが、今度は刑事に追われている強盗2人組がやって来る。果たしてこの悪夢はいつまで続く?

クレールのお洒落な部屋が恐ろしい殺人現場へ。インド映画のような巨大な高級マンションのセットで繰り広げられるドタバタの連発!。この予想外な展開の徹底したブラック・ユーモアには笑いっぱなし。同じ死体がぞろぞろ出てくるタイ映画「6ixtynin9」の10倍は面白い。残念ながらサントラは発売されないようだが、音楽がテンポの良い演出を更に盛り上げている。特に刑事の登場にかかるテーマソングとプラターズではない「オンリー・ユー」は最高!

.

カテゴリー: ヨーロッパ | 映画レビュー

2001年4月30日 by p-movie.com

タイタンズを忘れない

この映画は忘れない ★★★★★
[00/米] 1h54 4月28日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてGWロードショー

監督:ボアズ・イエーキン
製作:ジェリー・ブラッカイマー&チャド・オーメン
脚本:グレゴリー・アレン・ハワード
出演:デンゼル・ワシントン ウィル・パットン ウッド・ハリス ライアン・ハースト キップ・パルデュー
配給:ブエナ ビスタ インターナショネル
宣伝:ブエナ ビスタ インターナショネル

実話スポ根ドラマ:REMEMBER THE TITANS

ハリウッドのヤング・ブラッドを集めて、数々のヒット作を打ちつづけているジェリー・ブラッカイマーが、奇跡の友情を味わせてくれる感動作。高校のフッドボールチームの実話体験を再生させたコーチ役に「ボーン・コレクター」のデンゼル・ワシントンと「60セカンズ」のウィル・パットン 、チームのメンバー役に夏公開の「ドリヴン」にスタローンと共演しているキップ・パルデュー、「マーシャル・ロー」のウッド・ハリス、「パッチ・アダムス」のライアン・ハースト、「クルーレス」のドナルド・フェゾン。監督は「フレッシュ」のボアズ・イエーキン。

‘71 のヴァージニア州の田舎町アレキサンドリアで、黒人と白人の学校が統合されT・Cウイリアムズ高校が開校。フットボールチームも統合され「タイタンズ」というチームが出来た。だが時代は人種偏見問題が根強く、住民たちは統合に反対してデモを起こしている。勿論この問題はチームにもあった。そこへ新しいヘッド・コーチが登場。彼が黒人だったためにチームの親はショックを受けた。新任のコーチになったハーマンは、以前のコーチをアシスタントにして、合宿を開きディフェンスとオフェンスの白人と黒人を一緒にさせる。最初はいがみ合っていた生徒も徐々に溶け込み。転校してきたヒッピーのようなロニーの参加でチームは活気付いた。合宿が終わり学校が始まると生徒は人種の壁に引き戻されるが、チームは順調に勝ちつづける。町の有力者の指示で審判が不利のジャッジを下したりもするが、遂にタイタンズは州大会まで進出する。が、大事な決勝戦を控えた夜に、チームに予期しなかった悲劇が起きた。

登場人物が多いので顔を覚えるのが一苦労だが、メインとなるのはコーチとなるデンゼル・ワシントンとウィル・パットンに、チームのキャプテンとなるライアン・ハーストとウッド・ハリスの友情。そして、父親の影響で何よりもチームを愛してフットボールに乗めり込んでいる白人コーチの娘と、お約束のデブ・キャラ選手がいい味を出している。選手となるキャラクターもすごく人間味があるし、スポーツマンの気持ちよさが爽快にさせてくれる。フッドボールのルールを知らなくても全然平気。クライマックスは感動で胸が熱くなるでしょう。なお、この作品は学生に限り1000円で見れます。

.

カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2001年4月30日 by p-movie.com

ザ・メキシカン

2大スター夢の初共演!! ★★★☆☆
[01/米] 2h03 4月21日より日本劇場ほか全国東宝洋画系にてロードショー

[監督] ゴア・ヴァービンスキー
[製作] ローレンス・ベンダー ジョン・バルデッチ
[出演] ブラッド・ピット ジュリア・ロバーツ ジェームズ・ガンドルフィーニ
[配給] ギャガ・ヒューマックス
[宣伝] メイジャー

絶好調の波に乗るブラッド・ピットとジュリア・ロバーツが、映画史上最高のカップルを演じるハードでスリリングなラブ・ストーリー+ちょっとコメディー。製作は、タランティーノの右腕として有名なローレンス・ベンダー、監督は「マウス・ハント」のゴア・ヴァービンスキー 、ほかの共演者はジュリアを拉致する人物に「マイ・フレンド・メモリー」のジェームズ・ガンドルフィーニ、ブラピの相棒に「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」の J・K・シモンズ、事件の発端者に「ボブ・ロバーツ」のボブ・バラバン。タイトルのメキシカンとは、恋人達の仲を永遠に引き裂くと言われる、呪われた拳銃の名称。
5年前に起こした交通事故で、組織のボスが逮捕されてしまってから、ジェリー・ウェルバックは、償いで組織で使われるハメになっていた。次の仕事を最後に足を洗おうとしていたが、恋人のサマンサはヒステリーを起こして車のキーを隠してしまい、ドジってしまった。組織は罪を償えと次の仕事を言ってくる。それはメキシコ迄行って、伝説の拳銃とそれを持っているベックをロスに運べというものだった。

ジェリーはメキシコへ向かうが、ジュリーに嫌気がさしたサマンサは自分の夢を叶える為にラスベガスへ向かった。メキシコについたジェリーは簡単にベックを見つけると伝説の銃も手に入れた。しかし、ベックは村の祭りに興奮して撃った男の流れ弾に当たって死んでしまった。ジェリーは慌てて状況説明の電話をするが、その最中に死体と銃を積んだ車を何者かに盗まれてしまう。一方、サマンサは、ジェリーが仕事をやり遂げる為の人質として道中で拉致されていた。

大笑いは出来ないかなり変わった犯罪ラブ・コメディー。ブラピとジュリアの別れるシーンから映画は始まるので2人での登場は最初と最後のみと少ない。見所はドジで間抜けでおとぼけのブラピの演技とサブキャララクターで登場するジュリアを拉致する愛の本質を深く洞察するゲイ役のリロイを演じるジェームズ・ガンドルフィーニの存在。多分このキャラクターに共感したゲイの方々で2週連続1位になったのだろうと思う。ラストにドライな人がカメオ出演していているのだけど印象は薄いので記憶には残らない。

.

カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2001年4月23日 by p-movie.com

テヘラン 悪ガキ日記

世界のこども映画祭でグランプリ獲得 ★★★★☆
[98/イラン] 1h30 4月14日よりキネカ大森にてロードショー

監督・脚本:カマル・タブリーズィ
出演:ファテメー・モタメド=アリア ホセイン・ソレイマニー ゴルシード・エグバリ
配給:パンドラ
宣伝:パンドラ

世界のこども映画祭でグランプリ獲得している、これまでに評判になった子供が主役の作品とは一味違ったイラン映画。監督は96年に福岡アジアフォーカス映画祭で「夢がほんとに」が上映されてるカマル・タブリーズィ。出演はイラン映画界のトップスターで同じく福岡の映画祭で「これを最後に」が上映されたファテメー・モタメド=アリア、主人公の少年役のホセイン・ソレイマニーは実際に少年院に居たところを監督の目に止まり3ヶ月分の保釈金を払って出演した。その後、奨学金が貰えるほどの優秀な学生をしているとか。

少年院に居るメヘディは、いまだに母親の死を受け入れられず新聞の切抜きの女性を母親だと思って日々を送っていた。ある日、少年院に新しいソーシャルワーカーの先生がやって来る。メヘディは彼女を母ちゃんにする事に決めて少年院を脱走。どうにか家族にして貰おうと先生の家にやって来た。戸惑う先生だが情にほされて一晩だけ泊める事に、先生の娘とも早くも兄妹のように仲良くなってしまった。次の日に、先生は彼を少年院に帰そうとするがメヘディは逃げてしまい、タバコや新聞を売りながらお金を稼いでは先生の家の前で待つという日々が続く。実は先生の夫はメヘディのような浮浪者に殺されていたのだった。ある日、先生の娘から母の日のプレゼントを渡す事を聞いたメヘディは、寄り道をして二人でプレゼントを買いに行く事にする。そうとは知らない先生は娘が帰ってこずに泣きながら探していた。そこへ仲良く手をつないで帰って来る二人。その夜、先生はメヘディを家に招きいれて彼が寝込んでいる隙に補導員を呼んでしまう。「アニキが連れてかれちゃうよ!」と泣きながら叫ぶ娘と補導員に連れてかれるメヘディに先生は背を向けるのだが・・・・・。

今までの子供が主役のイラン映画は、いかにも素人の子供を使ってますよというような、セリフも少なくドキュメンタリータッチのものだったが、この作品の少年は、プロの子役のようにちゃんと演技してるし、セリフも喋るは喋るはで凄く上手い。少年院にいただけあり、口の悪さ(この字幕の付け方はなかなか笑える)や態度のでかさなど貫禄ありで、充分普通の映画として成立しています。「運動靴と赤い金魚」以来のイラン映画久々のお勧め作品です。

.

カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2001年4月16日 by p-movie.com