ジャム・フィルムズ
7本立てオムニバス ★★★☆☆
[02/日]1h49 12月28日よりシネ・アミューズ&シネ・リーブル池袋ほか全国順次公開
[製作]河井信哉
[監督]北村龍平 篠原哲雄 飯田譲治 望月六郎 堤幸彦 行定勲 岩井俊二
[脚本]高津隆一 渡部貴子 飯田譲治 望月六郎 三浦有偽子 行定勲 岩井俊二
[出演]北村一輝 山崎まさよし 大沢たかお 吉本多香美 佐々木蔵之助 妻夫木聡 広末涼子
[配給]アミューズピクチャーズ
[宣伝]樂 舎
[まったく類を見ない新しい形の競作映画:Jam Films]
毎年開催されている別所哲也企画の「ショートショート フィスティバル」の審査員をやった「スワロウテイル」「リング」「らせん」プロデューサーの河井信哉が、日本でいちばんイキのいい監督たちを集め映像パフォーマンスを披露させた企画もの。監督と俳優の豪華なコラボレーションも実現した。
オムニバス作品は、ふつう共通のジャンルやテーマが決まっているのだが、この作品には全くなし。それぞれの監督が自由に描いている。北村監督は長編映画のオチ部分だけに絞ったものだし、篠原監督は「月とキャベツ」から6年ぶりの山崎まさよしとホノボノ作。飯田監督はBS-iの開局ドラマで大沢たかおが出演したヴァージョンの続編のようなSFオバカもの。望月監督は「皆月」の吉本多香美でマニアックもの。堤監督は「チャイニーズ・ディナー」や新作でもお馴染みの、アパート1室での室エーション・コメディー。行定監督は高校時代の実体験を妻夫木聡で映画化。岩井監督は広末涼子のみを使ってファンタジー。オムニバスは上映の順番が大切だが、堤監督のは最初と最後に出来ないのでズルイ作品。
オフィシャルサイト: http://www.jam-films.com/
日本, 映画レビュー
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2002年12月30日 by p-movie.com
スコルピオンの恋まじない
アレン監督集大成的な快作 ★★★★☆
[01/米]1h41 12月21日より恵比寿ガーデンシネマほか全国順次ロードショー
[製作]レッティ・アロンソン
[監督]ウディ・アレン
[脚本]ウディ・アレン
[出演]ウディ・アレン ヘレン・ハント シャリーズ・セロン ダン・エイクロイド エリザベス・バークレー
[配給]ギャガコミュニケーションズGシネマグループ
[宣伝]メゾン
[スラップスティック・ロマコメ:The Curse of the Jade Scorpion]
何故か日本では1年遅れで正月映画として登場するウディ・アレン監督作品。今回はアレンが主演のスラップスティック・ロマンチックコメディ。出演は「恋愛小説家」のヘレン・ハント、「セレブリティ」のシャリーズ・セロン、「ブルース・ブラザース」シリーズのダン・エイクロイド、「ショー・ガール」のエリザベス・バークレー。
C.W.ブリッグスは、社長からも信頼の厚い一流保険会社の調査員。そんな彼の最大の悩みは、リストラ担当重役として入社してきたベティ=アン・フィッツジェラルドの存在。水と油のような関係の二人は、顔を見れば皮肉を言い合う犬猿の仲。しかも彼女の超論理的毒舌にはまったく歯が立たないのだ。そんなある日、同僚の誕生日を祝うためナイトクラブにくりだしたところでインチキ魔術師の実験台になった二人。あっけなく催眠状態になり突然恋に落ちるブリッグスとフィッツジェラルド。一方、誕生パーティーの日を境に、神出鬼没の宝石泥棒が世間を騒がせる。ブリッグスはなんとか犯人探しに奔走するのだが・・・。
すっとぼけたキャラでお馴染みのウディ・アレンが生かされている作品。アレンは出演するより監督に徹してる作品のほうが面白いと言われてきたが、前作の「おいしい生活」といいジンクスが破られたのではないだろうか。エンディングは、かなり強引だがアレンだと許せてしまう。これもキャラクターの強みだろう。
オフィシャルサイト: http://www.gaga.ne.jp/scorpion/
アメリカ, 映画レビュー
火山高
常識を破壊しろ!! ★★★☆☆
[01/韓]1h48 12月14日より渋谷東急3ほか全国松竹・東急系にて全国ロードショー
[製作]チャ・スンジェ
[原作]ソ・ドンホン
[監督]キム・テギュン
[脚本]キム・テギュン、チョン・アンチョル、パク・ホンス、ホ・ギュン
[出演]チャン・ヒョク キム・スロ クォン・サンウ シン・ミナ
[配給]アミューズピクチャーズ
[宣伝]アミューズピクチャーズ
[学園ファンタジック・アクション:Volcano High
韓国公開2001年12月8日 日本語吹替え版あり]
韓国のスタッフだけで1年5ヶ月掛けて製作された、CG技術とワイヤーアクションを駆使して描いたビックリ・アクションムービー。出演はフルーツ・チャン監督作の新作に出演しているチャン・ヒョクと、本作が初出演だったシン・ミナとクォン・サンウ、「反則王」「アウトドライブ」のキム・スロ、「ガン&トークス」のコン・ヒョジン。監督は本作が3本目になるのキム・テギュン。
キム・ギョンスは強大な気を持て余す故に、トラブルばかりで8つの学校から退学処分を受け“火山高”にやって来た。学園では教師の乱が招いた抗争で生徒たちによる覇権争いが続いていて、この乱世を辛うじて治めているのは校長が有する秘伝書だった。ギョンスは卒業証書を手に入れる固い誓いでトラブルを避けていたが、毒茶を飲んだ校長の硬直事件をきっかけに争いに巻き込まれていく。火山高を取り仕切ろうと荒くれ集団の無情組が各部の主将を次々と倒し始め、教頭は最強パワーを誇る学園鎮圧教師五人衆を呼び寄せた。遂に火山高の未来を賭けた壮絶な死闘の幕が切って落とされる。
白と黒を色調に、漫画又はアクションゲームを実写化したような怪作ムービー。テロップを駆使して登場人物の説明をし、日本公開版は加工処理をして親切なのだが、特殊効果優先の映像なので物語りは分かりづらい。韓国版より若干上映時間を短くしているが、それでも分かりづらいというのは脚本のミスなのだろうか。「少林サッカー」の学園版のようで、低年齢層には受けそう。
オフィシャルサイト: http://www.kazanko.com/
アジア, 映画レビュー
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2002年12月16日 by p-movie.com
刑務所の中
1週間くらいなら入って見たい? ★★★★☆
[02/日]1h33 12月7日よりシネクイントほか全国順次ロードショー
[製作]若杉正明
[原作]花輪和一(青林工嚢舎刊)
[監督]崔洋一
[脚本]崔洋一、鄭義信、中村義洋
[出演]山崎努 香川照之 田ロトモロヲ 松重豊 村松利史 大杉漣 遠藤憲一 椎名桔平 窪塚洋介
[配給]ザナドゥー
[宣伝]ザナドゥー
自身の刑務所体験を漫画に興し、発売以来多くの著名人から絶賛され現在も版を重ねる花輪和一の大ヒットコミック「刑務所の中」が遂に映画化!!メガホンを取るのは、「月はどっちに出ている」「犬、走る。DOG RACE」「豚の報い」などの日本映画界鬼才、崔洋一。出演は「13階段」の山崎努、「OUT」の香川照之、「御法度」の田ロトモロヲ、「SF/ホイップクリーム」の松重豊、「守ってあげたい」の村松利史、「船を降りたら彼女の島」の大杉漣、「女はバス停で服を着替えた」の遠藤憲一、「壬生義士伝」の木下ほうか、「マークスの山」の伊藤洋三郎、「化粧師」の椎名桔平 、「凶気の桜」の窪塚洋介、ほか榎戸耕史、林海象と映画監督も登場。
ハナワカズイチ。受刑者番号222番。銃砲刀剣類不法所持、火薬類取締法違反で懲役3年。そこで彼を待っていたのは……告発、脱獄、暴力一切なし、「刑務所」のイメージを覆す獄中ライフ。厳しい規律はあるものの、TVは見られるし雑誌だって読める。お正月にはおせち料理も出るし、食事も忘れることなく 3度3度きちんと出る。真綿でほんわり包まれたような毎日…。同房の4人、いや4匹との共同生活での他愛無い会話、懲罰房での袋張りの新記録達成など、些細な出来事はあるものの、シャバの事象は一切無縁。毎日が静かに過ぎていく…。
崔洋一監督で囚人もの。しかも個性的なキャストがこれだけ集まった作品で、どんな映画になっちゃうんだろうかと思ったんだが、これが本当にこんな刑務所あるのというくらい快適な生活。山崎努が、なんと楽しそうに演じていることか。よく寒さと飢えしのぎに塀の中に入ってしまう人がいるそうだが、この作品に登場する刑務所なら1週間くらい入って見たいと思ってしまう。だって料理映画に負けないくらい食べ物が美味しそうなんだもの。おせち料理も登場するし、正月映画になったのも納得。
日本, 映画レビュー
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2002年12月9日 by p-movie.com
AIKI
爽快!感動!!青春映画 ★★★★☆
[02/日]1h59 11月30日よりシネ・リーブル池袋、テアトル新宿ほかにて全国公開
[製作総指揮]中村雅哉
[原作]天願大介(メディアファクトリー)
[監督]天願大介
[脚本]天願大介
[出演]加藤晴彦 ともさかりえ 原 千晶 火野正平 桑名正博 菅田 俊 石橋 凌
[配給]日活株式会社
[宣伝]ミラクルヴォイス
デンマークに実在する車椅子で大東流合気柔術を身に付けたモデルをヒントに、「アジアンビート/アイ・ラブ・ニッポン」「無敵のハンディキャップ」の天願大介が構想10年にして映画化。出演は「回路」の加藤晴彦、「クロエ」のともさかりえ、「失楽園」の原千晶、「梟の城」の火野正平、「コミック雑誌なんかいらない」の桑名正博、「無問題2」の菅田俊、「自殺サークル」の石橋凌。
ボクシングに情熱を掛けていた芦原太一に悲劇が訪れたのは、突然だった。バイクを運転中の不慮の事故で、彼は下半身麻痺に。ボクシングを捨てての、一生車椅子生活は彼を失意のどん底へ落とした。同室で脊髄損傷の先輩・常滑に励まされ、一年後に退院しても自暴自棄の生活を送っていた芦原だったが、偶然知り合ったテキ屋の親分や謎めいた女性の“イカサマのサマ子”との出会いで生きる強さを見つける。そんな時に彼が出会ったのが、大東流合気柔術。車椅子を上手く使い、基本を会得した芦原に師範の平石は、大使館で行なわれる演武会に出ることを指名させる。
監督の思いが強い作品ほど偏ってしまう内容が多い。特にこの作品は障害者が主役なだけに真面目なスポ根映画かと思ったんだが、周りを固める登場人物によってかなり不可思議な作品になっている。ちょっとふざけ過ぎた箇所もあり、どこまで真面目に作ってるのか首を傾げるけど、全体的に見ると楽しい作品。だって、ともさかりえの役が昼は巫女で夜は非合法カジノ専門のギャンブラーで“イカサマのサマ子”だもの。大東流合気柔術は相手を引き込んで倒す。この作品もそうです。
オフィシャルサイト: http://www.aiki.cc/
日本, 映画レビュー
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2002年12月2日 by p-movie.com