ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還

壮大なファンタジー、ここに完結 ★★★★☆
[03/米]3h23 2月14日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にてロードショー

[製作]バリー・M.オズボーン フラン・ウォルシュ ピーター・ジャクソン
[原作]J.R.R.トールキン「指輪物語」(評論社)
[監督]ピーター・ジャクソン
[脚本]フラン・ウォルシュ フィリッパ・ボウエン ピーター・ジャクソン
[出演]イライジャ・ウッド イアン・マッケラン リヴ・タイラー ヴィゴ・モーテンセン ショーン・アスティン
[配給]日本ヘラルド・松竹
[宣伝]日本ヘラルド

[The Lord Of The Rings: The Return Of The King 日本語吹き替え版あり]

長くてつらい旅路も遂にここに完結。全米では、まだまだトップ10に健在。興収も 3億5000万ドルを超え、歴代6位まであとわずか。アカデミー賞にも、作品賞・監督賞・脚色賞ほか11部門と今回の最多ノミネートされている。

冥王サウロンの20万もの軍が、今度はもう一つの人間の国ゴンドールに襲いかかる。ゴンドールは今や最後の砦、ここが陥落すれば中つ国も滅んでしまう。旅の仲間はもちろん、ローハンの人々も、長らく国交が途絶えていたゴンドールを救うために立ち上がる。そして、戦いなど全く経験のないメリーとピピンまでが剣をとるのだ。しかし、サウロンの力はあまりにも強大で、次々と尊い命が失われてしまう。愛する者の死に流される悲痛な涙…。誰もが気付き始めていた。もはや戦いで勝利を収めることなど出来ないことに。それでも、彼らは決して諦めない。すべては指輪を捨てるフロドのためだ。汚れを知らない平和を愛する小さき者が、指輪の魔力に身も心も押しつぶされていく。それでも彼は、たった一人で世界を救おうとしていた。

3時間23分とインド映画もビックリの長さだが、後半はバトル・アクションの壮絶な戦いだらけ。最終でしぼんだ「マトリックス」とは比べるのも失礼な出来。主な登場人物の一人一人の見せ場もあり、見所は満載。遂に、ホビット族にもカッコいいシーンが用意されている。見終わった後は、何ともいなない寂しさが待っているかもしれないが、監督は1作目の50年前に時代を設定した、第4弾の構想もあるらしいので気長に待ちましょう。

オフィシャルサイト:http://www.lotr.jp/

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2004年2月14日 by p-movie.com

ラブ・アクチュアリー

19人が織り成すそれぞれの愛のカタチ ★★★★☆
[03/英・米]2h15 2月7日より日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー

[製作]ダンカン・ケンワーシー/ティム・ビーヴァン/エリック・フェルナー
[監督]リチャード・カーティス
[脚本]リチャード・カーティス
[出演]ヒュー・グラント コリン・ファース アラン・リックマン キーラ・ナイトレイ エマ・トンプソン リーアム・ニーソン ローワン・アトキンソン ビル・ナイ ローラ・リニー ビリー・ボブ・ソーントン
[配給]ユナイテッド・インターナショナルピクチャーズ ファー・イースト
[宣伝]オフィス・エイト

[ハートフル・ドラマ:Love Actually 全米公開2003年11月14日]

現代は、憎しみと欲だけになってしまった? いやいや実際(ACTUALLY)のところ、この世にはまだたくさんの愛(LOVE)が、溢れています。 そんな事を感じさせてくれる作品を『フォー・ウェディング』『ノッティング・ヒルの恋人』『ブリジッド・ジョーンズの日記』の脚本家リチャード・カーティスが、今回は監督も兼ねて製作した作品。 ハリウッドでも活躍しているイギリス人俳優たちを集めておくる、様々な愛によって輝く人生の素晴らしさを御賞味あれ。 出演は「ブリジッド・ジョーンズの日記」のヒュー・グラント&コリン・ファース、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のキーラ・ナイトレイ、『ギャング・オブ・ニューヨーク』のリーアム・ニーソン、『いつか晴れた日に』のエマ・トンプソン、そして『ビーン』『ジョニ-・イングリッシュ』のローワン・アトキンソンが、相変らずのスットボケ演技を披露している。

クリスマス目前のロンドン。年齢・人種・性別・職業の多種多様な19人が、ちょっぴりままならない人生を生きている。お茶くみの秘書に恋心を抱いてしまう独身の首相。弟に恋人を取られ傷心旅行へ出かけた南米で、言葉も分からぬメイドに恋する作家。2年7ヶ月も職場の同僚を思いつづけるOL、学校一のマドンナに淡い恋を抱き、モンモンと悩む11歳の少年、親友の新妻への思いをひた隠しにする画家。思わず「わかるわかる」と、うなずく共感でいっぱいです。

オフィシャルサイト:http://www.loveactually.jp/

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2004年2月7日 by p-movie.com

ニューオリンズ・トライアル

ヒートアップする激烈な頭脳戦 ★★★☆☆
[03/米]2h08 1月31日より日比谷映画劇場ほか全国東宝洋画系にてロードショー

[製作]アーノン・ミルチャン ゲイリー・フレダー クリストファー・マンキーウィッツ
[原作]ジョン・グリシャム「陪審判決」(新潮文庫刊)
[監督]ゲイリー・フレダー
[脚本]ブライアン・コペルマン&デビット・レビン レック・クリーブランド マシュー・チャップマン
[出演]ジョン・キューザック ジーン・ハックマン ダスティン・ホフマン レイチェル・ワイズ
[配給]東宝東和
[宣伝]オフィス・エイト

[リーガル・エンターテインメント:RUNAWAY JURY 全米公開2003年10月17日]

「ザ・ファーム 法律事務所」「評決のとき」「依頼人」「ペリカン文書」のジョン・グリシャムによる、1996年のベストセラー「陪審判決」をタバコ訴訟から銃訴訟に置き換えて、「コレクター」「サウンド・オブ・サイレンス」のゲイリー・フレダーが映画化。出演は、「アイデンティティー」のジョン・キューザック、「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」のジーン・ハックマン、「ムーンライト・マイル」のダスティン・ホフマン、「アバウト・ア・ボーイ」のレイチェル・ワイズ。

ニューオーリンズの証券会社で銃の乱射事件が発生。犯人は11人を射殺し5人に重傷を負わせ自殺。その2年後、犯行に使われた銃の製造と販売責任をめぐり、犠牲者の未亡人が訴訟を起こした。訴えられたのは大手の銃器メーカー。もしもメーカー側がこの裁判に負ければ、全米中で同様の訴訟の嵐が巻き起こるのは必至となる―。必ず勝たなければならない戦いを前に、メーカー側はやり手の陪審コンサルタントのフィッチを雇い、評決の鍵を握る陪審員に対しての裏工作を進める。その渦中で、暗躍を始める一人の陪審員ニック。謎めいた過去を持つ彼はある「目的」を持って陪審員に潜り込んでいた。果たして彼の目的は?そして原告・被告双方に「陪審員、売ります」のメモを送りつけた謎の女マーリーの正体とは?苦しい戦いの中での原告側弁護士ロ-アの下した決断とは…?全米中のマスコミが固唾を呑んで見守る中、熱いバトルの幕が上がった。

今までのグリシャム映画は裁判がメインの作品が多かったが、今回はちょっと違う。アメリカの裁判は陪審員が評決を下す。そこに目をつけた陪審員が、被告と原告の弁護士に金で評決を売ろうとする命懸けの頭脳合戦が炸裂。今まで映画化されなかったのが、おかしいくらい。こんな事が実際に起こっていたら、ちょっと恐ろしい。ラストのオチが、ある日本映画に似ているが、どちらが先に書かれたんだろう?ちょっと気になる。

オフィシャルサイト:http://nt.eigafan.com/

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2004年2月2日 by p-movie.com

シービスケット

諦めるな、立ち向かえ! ★★★★☆
[03/米]2h21 1月24日より日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー

[製作]ゲイリー・ロス キャスリーン・ケネディ フランク・マーシャル ローラ・ヒレンブランド
[原作]ローラ・ヒレンブランド(ソニー・マガジンズ)
[監督]ゲイリー・ロス
[脚本]ゲイリー・ロス
[出演]トビー・マグワイア ジェフ・ブリッジス クリス・クーパー エリザベス・バンクス
[配給]ユナイテッド・インターナショナルピクチャーズ ファー・イースト
[宣伝]P2

[勇気と感動の実話:Seabiscuit 全米公開2003年7月25日]

436万部を超えるベストセラーの『シービスケット あるアメリカ競走馬の伝説』を「カラー・オブ・ハート」で、トビー・マグワイアを起用したゲイリー・ロスが、製作・脚本・監督した感動作。全米では2ヶ月以上に渡ってベストテンに入った。出演は、「スパイダーマン」のトビー・マグワイア、「ザ・コンテンダー」のジェフ・ブリッジス、「アダプテーション」のクリス・クーパー、「」のエリザベス・バンクス。

大恐慌によって、一家離散に見舞われた天涯孤独の騎手ジョニー・“レッド”・ポラード、巨万の富を手にしながら、愛する者を失った西部の自動車王チャールズ・ハワード、そして、故郷というべき“西部”を近代化の波によって奪われた孤独なカウボーイ、トム・スミス。彼らは、《シービスケット》という一頭の小柄なサラブレッドに導かれるように出逢い、まるで家族のような絆で結ばれ、生きる希望を掴み取る。と同じに、逆境を跳ね返し、過酷な毎日を生きる人々に勇気を与え、“貧しき者たちのヒーロー”として、熱狂的な人気を獲得する。ところがそんな折、レッドは騎手として再起不能な重傷を負い、そして《シービスケット》もまた競走馬として致命的なケガをしてしまう。こうして、彼らの奇跡にも似た再起への闘いが、今、幕を開ける…。

役作りの為に10キロも痩せたトビー・マグワイアは、過酷なトレーニングと撮影で腰を痛めて、一時は「スパイダーマン2」の製作が危ぶまれるほど気合の入った作品。前回紹介した「油断大敵」もそうだったが、こちらも実話だと思えないほどの感動作。レースを真上から撮影するという、今まで見たことの無い映像も堪能できる。永遠のライバルを演じたゲイリー・スティーヴンスは、実際の名誉殿堂入りしたジョッキー。俳優初体験とは、思えない堂々たる名演も見所のひとつ。

オフィシャルサイト:http://www.uipjapan.com/seabiscuit/

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2004年1月26日 by p-movie.com

油断大敵

刑事と泥棒の本当にあった話 ★★★★☆
[03/日]1h15 1月17日よりスバル座にて全国公開

[製作]成澤章 笠原和彦 石川富康 升水惟雄
[原作]飯塚訓「捕まえるヤツ 逃げるヤツ」(文藝春秋社刊)
[監督]成島 出
[脚本]小松興志子 真辺克彦
[出演]役所広司 柄本明 夏川結衣 菅野莉央 前田綾花 水橋研二 津川雅彦 奥田瑛二 淡路恵子
[配給]ゼアリズエンタープライズ ケングルーヴ
[宣伝]ライスタウンカンパニー

「ザ・中学教師」「お引越し」「空がこんなに青いわけがない」などの助監督として参加し、「シャブ極道」「恋極道」「少女」「笑う蛙」「T.R.Y」の脚本を担当した成島 出の念願だった監督デビュー作品。元刑事の飯塚訓による実体験を基にした原作を映画化。出演は、「東京原発」の役所広司、「ドラッグストアガール」の柄本明、「座頭市」の夏川結衣、「仄暗い水の底から」の菅野莉央、「BORDER LINE」の前田綾花、「サル」の水橋研二、「いつかA列車に乗って」の津川雅彦、「海は見ていた」の奥田瑛二 「ぷりてぃ・ウーマン」の淡路恵子。

関川仁は妻を亡くし、駐在勤務から離れて泥棒刑事になったばかりの新米刑事。ある日、ひょんなことから仁はプロの大泥棒・猫田定吉を捕まえる。刑事っぽくない実直な仁に惹かれたネコは、「捕まえるヤツがとろいんじゃ、逃げるヤツも面白くねえ」と泥棒テクを教え始める。ネコに刺激されて、刑事の仕事が大好きな仁は泥棒専門刑事として腕を磨いていく。「逃げんなよ!きっと本物の泥棒刑事になっから!」ここから奇妙な真剣勝負、刑事と大泥棒の追いつ追われつが始まる。

本当にこんな事あったの?と驚いてしまう物語。これは、実際の刑事からするとファンタジーの世界だろう。まるでコミックのようなミラクルの世界。男でひとつで必死に育てきた娘の親離れに、思わず取調室で泥棒に相談する刑事には、思わず感動してしまった。それにしても夏川結衣は、なんでこんなにも幸薄い役しかやらないんだろう。

オフィシャルサイト:http://www.yudantaiteki.com/

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2004年1月18日 by p-movie.com