ドリフト

ツイ・ハーク復活? ★★★★☆
[00/香港] 1h52 6月2日よりスバル座ほかにてロードショー

製作:ツイ・ハーク
監督:ツイ・ハーク
脚本:コアン・ホイ
出演:ニコラス・ツェー ウー・バイ アンソニー・ウォン キャンディ・ロー キャシー・チュイ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
宣伝:メディアボックス

香港のスピルバーグと呼ばれ、監督よりもプロデューサーとしての方が有名なツイ・ハーク。ハリウッド進出して「ダブルチーム」「ノック・オフ」とバン・ダム主演の作品を撮ってから何をしているのかと思ったら。香港に戻って作品を撮りまくっていた。出演は「ジェネックス・コップ」のニコラス・ツェー、台湾のロック・アーチストで映画出演3本目のウー・バイ、「OVER SUMMER」の公開が夏に控えるアンソニー・ウォンことフランシス・ン。ツイ・ハークの次回作はチャン・ツィイー出演の「蜀山奇傳/天空の剣」の続編。現在はハリウッドでジェッド・リーが出演した「ブラック・マスク」の続編を別の役者で撮影中。

タイラーはバーで働く21歳の青年。ある日、ナンパした女性が麻薬潜入捜査の刑事だとビックリするが彼女が妊娠したことにもっと驚く。責任を感じた彼はボディーガード組織の一員となって命を張って大金を稼ごうとする。警備の最中にタイラーはジャックという男と出会うが、彼はブラジルの密林で傭兵をしていた経験があった。足を洗っていたジャックだったが彼が属していた組織に付きまとわれて、愛し合っている彼女の父親で香港金融市場の大物を暗殺しろと命じられる。2組の会談が行なわれタイラーのボディガードが雇われるが、ジャックは逆に命令されたボスを暗殺した。ジャックは組織のヒットマンに命を狙われる。タイラーは犯人がジャックだと気づき、彼に会いに行った為に、壮絶なヒットマン同士の銃撃戦に巻き込まれる。

香港はいまだにあるようなないような台本で、その場になってカメラアングルを決めて撮影されていく。この作品もそうなのだが、こちらはストーリーよりもアクション重視。なんでそうなの?という展開でお馴染みになったワイヤー・アクションや銃撃戦に爆破シーンとテンコ盛り。特に香港特有の入り組んだアパートを使った銃撃戦は凄すぎ。このシーンは台本書くよりも撮影したほうが早そうだもんな、台詞はほとんどないし。ウー・バイの出演作は初めて見たが、彼のアクションならいくらでも見たくなる気分。それにしても白い鳩を飛ばしたからって、「これが、ジョン・ウーの挑戦状だ!」のキャッチ・コピーは止めてくれ。

カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2001年6月4日 by p-movie.com

ザ・ダイバー

男達の苦悩と再生の物語 ★★★★☆
[00/米] 2h08 5月26日より日比谷映画ほか東宝洋画系にてロードショー

製作総指揮:ビル・コスビー スタンリー・ロバートソン
監督:ジョージ・ティルマンJr
出演:ロバート・デ・ニーロ キューバ・グッディングJr シャーリーズ・セロン
アドバイザー:カール・ブラシア
配給:20世紀フォックス映画
宣伝:20世紀フォックス映画

「タイタンズを忘れない」同様に人種差別を描いた実話作品。海軍の深海ダイバーに初めて志願した黒人のカール・ブラシアに「奇蹟の輝き」のキューバ・グッディングJr、訓練所の教官にロバート・デ・ニーロ、その妻にシャーリーズ・セロン。監督は「ソウル・フード」の脚本家で今回がデビュー作のジョージ・ティルマンJr。

貧しい小作農家で育ったブラシアは海軍に入隊したが、黒人にはコックか雑用係しかなかった。ある日、ブラシアはネイビー・ダイバーという職があるのを知り、2年に渡って嘆願書を書いて遂に養成所への入学が許可された。しかし、彼を待っていたのは差別主義者の教官ビリーで、彼には過酷な訓練が続く。卒業試験の日サンデーは司令官からブラシアを合格させぬよう命じられた。しかしブラシアは潜水限界時間ギリギリで試験をやり遂げる。命令に逆らったサンデーは昇格させられた。ブラシアは立派なマスター・ダイバーになっていくが、ある日事故により足に大怪我を負いダイバーの生命が断たれてしまう。そこに、ある雑誌の記事が届く。それは足を切断しても飛行士として活躍した人物の記事で、送ったのはサンデーだった。ブラシアの義足をつけたリハビリが始まった。だが、復帰をよく思わない人物が現れた。サンデーは聴聞会を開くように根回しするが、聴聞会で出された要求は最新式の85キロもある潜水服を着て12歩を歩き切ることだった。

アメリカ海軍初の黒人ダイバーという人種差別を越えた次は身体障害の壁までも乗り越えたカール・ブラシアの半生を描いた作品。 アドバイザーに本人を迎えて忠実に描いている。実際には教官は2名いたそうだが、名前を明かせないので1人してデニーロが演じている。「タイタンズ・・」は学生がターゲットだったが、こちらは年配まで幅広く受け入れられるでしょう。潜水艦と遭遇する水中アクションシーンも含めて心を魅了される。

カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2001年5月28日 by p-movie.com

リトル☆ニッキー

霊界おとぼけコメディー ★★★☆☆
[00/米] 1h33 5月26日より日劇プラザほか全国東宝洋画系にてロードショー

製作総指揮:アダム・サンドラー ロバート・エンゲルマン
監督:スティーブン・ブリル
脚本:アダム・サンドラー スティーブン・ブリル ティム・ハーリヒ
出演:アダム・サンドラー ハーベイ・カイテル パトリシア・アークエット クエンティン・タランティーノ
配給:ギャガ・ヒューマックス
宣伝:LIBERO

タイ映画旅行日誌(その9)でも紹介したアダム・サンドラーのオバカ映画。今回はいつものアダム映画に比べると出演者も豪華でお金も掛かっている。出演は「U-571」のハーベイ・カイテル、「ノッティング・ヒルの恋人」のリス・エヴァンス、「スティグマータ」のパトリシア・アークエット、「カラー・オブ・ハート」のリース・ウィザースプーン、ほかにも人脈の広いアダムによって、オジー・オズボーンやタランティーなど大挙登場。今回のアダムの相棒の喋るブルドックは「TWO DOGS」のCMに登場している。監督は「飛べないアヒル マイティ・ダック」シリーズの脚本家スティーブン・ブリル。

地獄の魔王パパサタンは、ボンクラの三人息子のひとりに魔王の座を譲ろうと思ったが、いきなり引退を延期した。納得がいかない長男と次男はキレテ人間界に飛び出していった。すると地獄の門は閉ざされてしまう。悪の魂が受け入れられなくなり、魔王の体は次第に消え始めた。父親が消え去る前に兄達を連れ戻すのに三男のニッキーが選ばれた。下界に下りたニッキーは人語を喋るブルドックのビーフィに人間の暮らしを教えてもらい、兄達を探しているうちに親切にしてくれた女性と出会い恋に落ちた。ニッキーが追いかけてきたことを知った兄達は逆に攻撃してきた。

何でこんな事に?と言うくらいセットや視覚効果にお金を使い、コメディーとしては「マスク」以来久々にVFX技術が頻繁に使われている。サタン映画ということでアダム作品にしては珍しくブラックジョーク満載。コメディーというとどうしても言葉の問題が生じて笑いが伝わりにくいが、ブルドックが喋るセリフの字幕を関西弁にしてあり努力はみられる。この作品が当たらなかったら、エディ・マーフィーのようにアダムも次からはビデオ直行かも。

(気まぐれ飛行船)

カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2001年5月21日 by p-movie.com

センター・ステージ

プロ・ダンサーによる本格的バレエ・ムービー ★★★☆☆
[00/米] 1h55 5月12日より有楽町スバル座にてロードショー

監督:ニコラス・ハイトナー
出演:アマンダ・シェル イーサン・スティーフェル サシャ・ラデッキー イリア・クーリック ピーター・ギャラガー
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
宣伝:メディア ボックス

今年はダンス映画の公開本数が多いようだが、この作品はNYのトップスクールを舞台にした本格的バレエ作品。出演者に知らないメンバーが多いが、それもそのはず。世界でも有数のバレエ団のセンターステージに立つことを目指している若者たちということで、アマンダ・シェル イーサン・スティーフェル サシャ・ラデッキーはプロのダンサー、また長野オリンピック男子フィギュア・スケートで金メダルを獲得したロシアのイリア・クーリックも俳優デビューを飾っている。ほかバレエ・アカデミーの舞台監督に「アメリカン・ビューティー」のピーター・ギャラガー。監督は「クルーシブル」「私の愛情の対象」のニコラス・ハイトナー。

今年も激しいオーディションを突破し、期待に胸ふくらませてNYのアメリカン・バレエ・アカデミーの練習生になり入寮して来る面々。目指すはニューヨークの名門バレエ団のダンサーになる事、しかし練習初日に舞台監督は名門バレエ団のアメリカン・バレエ・カンパニーの推薦者は男女3人ずつという厳しい現実を突きつける。それには練習でみっちりと基礎とテクニックを磨き、卒業公演のオーディションで主役クラスの役を貰わなければならないのだ。

主な登場人物は7名。失恋・葛藤・挫折と様々な問題に直面しながら夢を実現するのは誰?といった現代版の「フェーム」といったところ。見所は色々ありながら辿り着く卒業公演2つの演目。プロのダンサーを使った効果は活きている。ただ、終わりよければ全て良し(男女3人の選択)なところは納得がいかない。まあ舞台監督がピーター・ギャラガーというとこから期待してはいけないのかも知れないけど。だって、このバレエ学校がNYのトップスクールとは思えないのだから。

カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2001年5月14日 by p-movie.com

シリアル・ラヴァー

ああ死体!!のに、こう死体!!の ★★★★☆
[98/仏] 1h25 4月28日よりシブヤ・シネマ・ソサエティにてGWロードショー

監督:ジェームズ・ユット
脚本:ジェームズ・ユット
出演:ミシェル・ラロック アルベール・デュポンテル エリ-ズ・ティエルローイ
配給:クレストインターナショナル
宣伝:クレストインターナショナル

フランス映画祭横浜で、その面白さから劇場公開が待たれていたブラック・コメディーが遂に公開決定!主演には「ぼくのバラ色の人生」のミシェル・ラロック、ほかの出演者は「ベルニー!」のアルベール・デュポンテル、「パパラッチ」のエリ-ズ・ティエルローイ、「ドーベルマン」のアントワーヌ・バズレール、「視線のエロス」のジヌディーヌ・スアレム、「女と男の危機」のジル・プリヴァ。監督は、これがデビューとなるジェームズ・ユット。

クレールは、ミステリー専門出版社の編集者。そんな彼女には贅沢な悩みが・・・・、それは恋人を1人に絞ることがどうしても出来ない事。今日は彼女の35歳の誕生日。彼女は 3人のボーイフレンドを自宅に招き、最高の夫となるべき男を選ぶことにするのだが、何故か男どもは次々と死体になっていってしまう。そんなクレールの前には強盗を追っている二人の刑事や、妹が誕生日を祝おうと連れてきた大勢の若者たちが乱痴気騒ぎを起こす始末。妹に事情を説明したクレールは二人で死体の始末をしようとするのだが、今度は刑事に追われている強盗2人組がやって来る。果たしてこの悪夢はいつまで続く?

クレールのお洒落な部屋が恐ろしい殺人現場へ。インド映画のような巨大な高級マンションのセットで繰り広げられるドタバタの連発!。この予想外な展開の徹底したブラック・ユーモアには笑いっぱなし。同じ死体がぞろぞろ出てくるタイ映画「6ixtynin9」の10倍は面白い。残念ながらサントラは発売されないようだが、音楽がテンポの良い演出を更に盛り上げている。特に刑事の登場にかかるテーマソングとプラターズではない「オンリー・ユー」は最高!

カテゴリー: ヨーロッパ | 映画レビュー

2001年4月30日 by p-movie.com