タイタンズを忘れない
この映画は忘れない ★★★★★
[00/米] 1h54 4月28日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にてGWロードショー
監督:ボアズ・イエーキン
製作:ジェリー・ブラッカイマー&チャド・オーメン
脚本:グレゴリー・アレン・ハワード
出演:デンゼル・ワシントン ウィル・パットン ウッド・ハリス ライアン・ハースト キップ・パルデュー
配給:ブエナ ビスタ インターナショネル
宣伝:ブエナ ビスタ インターナショネル
実話スポ根ドラマ:REMEMBER THE TITANS
ハリウッドのヤング・ブラッドを集めて、数々のヒット作を打ちつづけているジェリー・ブラッカイマーが、奇跡の友情を味わせてくれる感動作。高校のフッドボールチームの実話体験を再生させたコーチ役に「ボーン・コレクター」のデンゼル・ワシントンと「60セカンズ」のウィル・パットン 、チームのメンバー役に夏公開の「ドリヴン」にスタローンと共演しているキップ・パルデュー、「マーシャル・ロー」のウッド・ハリス、「パッチ・アダムス」のライアン・ハースト、「クルーレス」のドナルド・フェゾン。監督は「フレッシュ」のボアズ・イエーキン。
‘71 のヴァージニア州の田舎町アレキサンドリアで、黒人と白人の学校が統合されT・Cウイリアムズ高校が開校。フットボールチームも統合され「タイタンズ」というチームが出来た。だが時代は人種偏見問題が根強く、住民たちは統合に反対してデモを起こしている。勿論この問題はチームにもあった。そこへ新しいヘッド・コーチが登場。彼が黒人だったためにチームの親はショックを受けた。新任のコーチになったハーマンは、以前のコーチをアシスタントにして、合宿を開きディフェンスとオフェンスの白人と黒人を一緒にさせる。最初はいがみ合っていた生徒も徐々に溶け込み。転校してきたヒッピーのようなロニーの参加でチームは活気付いた。合宿が終わり学校が始まると生徒は人種の壁に引き戻されるが、チームは順調に勝ちつづける。町の有力者の指示で審判が不利のジャッジを下したりもするが、遂にタイタンズは州大会まで進出する。が、大事な決勝戦を控えた夜に、チームに予期しなかった悲劇が起きた。
登場人物が多いので顔を覚えるのが一苦労だが、メインとなるのはコーチとなるデンゼル・ワシントンとウィル・パットンに、チームのキャプテンとなるライアン・ハーストとウッド・ハリスの友情。そして、父親の影響で何よりもチームを愛してフットボールに乗めり込んでいる白人コーチの娘と、お約束のデブ・キャラ選手がいい味を出している。選手となるキャラクターもすごく人間味があるし、スポーツマンの気持ちよさが爽快にさせてくれる。フッドボールのルールを知らなくても全然平気。クライマックスは感動で胸が熱くなるでしょう。なお、この作品は学生に限り1000円で見れます。
アメリカ, 映画レビュー
ザ・メキシカン
2大スター夢の初共演!! ★★★☆☆
[01/米] 2h03 4月21日より日本劇場ほか全国東宝洋画系にてロードショー
[監督] ゴア・ヴァービンスキー
[製作] ローレンス・ベンダー ジョン・バルデッチ
[出演] ブラッド・ピット ジュリア・ロバーツ ジェームズ・ガンドルフィーニ
[配給] ギャガ・ヒューマックス
[宣伝] メイジャー
絶好調の波に乗るブラッド・ピットとジュリア・ロバーツが、映画史上最高のカップルを演じるハードでスリリングなラブ・ストーリー+ちょっとコメディー。製作は、タランティーノの右腕として有名なローレンス・ベンダー、監督は「マウス・ハント」のゴア・ヴァービンスキー 、ほかの共演者はジュリアを拉致する人物に「マイ・フレンド・メモリー」のジェームズ・ガンドルフィーニ、ブラピの相棒に「ラブ・オブ・ザ・ゲーム」の J・K・シモンズ、事件の発端者に「ボブ・ロバーツ」のボブ・バラバン。タイトルのメキシカンとは、恋人達の仲を永遠に引き裂くと言われる、呪われた拳銃の名称。
5年前に起こした交通事故で、組織のボスが逮捕されてしまってから、ジェリー・ウェルバックは、償いで組織で使われるハメになっていた。次の仕事を最後に足を洗おうとしていたが、恋人のサマンサはヒステリーを起こして車のキーを隠してしまい、ドジってしまった。組織は罪を償えと次の仕事を言ってくる。それはメキシコ迄行って、伝説の拳銃とそれを持っているベックをロスに運べというものだった。
ジェリーはメキシコへ向かうが、ジュリーに嫌気がさしたサマンサは自分の夢を叶える為にラスベガスへ向かった。メキシコについたジェリーは簡単にベックを見つけると伝説の銃も手に入れた。しかし、ベックは村の祭りに興奮して撃った男の流れ弾に当たって死んでしまった。ジェリーは慌てて状況説明の電話をするが、その最中に死体と銃を積んだ車を何者かに盗まれてしまう。一方、サマンサは、ジェリーが仕事をやり遂げる為の人質として道中で拉致されていた。
大笑いは出来ないかなり変わった犯罪ラブ・コメディー。ブラピとジュリアの別れるシーンから映画は始まるので2人での登場は最初と最後のみと少ない。見所はドジで間抜けでおとぼけのブラピの演技とサブキャララクターで登場するジュリアを拉致する愛の本質を深く洞察するゲイ役のリロイを演じるジェームズ・ガンドルフィーニの存在。多分このキャラクターに共感したゲイの方々で2週連続1位になったのだろうと思う。ラストにドライな人がカメオ出演していているのだけど印象は薄いので記憶には残らない。
アメリカ, 映画レビュー
テヘラン 悪ガキ日記
世界のこども映画祭でグランプリ獲得 ★★★★☆
[98/イラン] 1h30 4月14日よりキネカ大森にてロードショー
監督・脚本:カマル・タブリーズィ
出演:ファテメー・モタメド=アリア ホセイン・ソレイマニー ゴルシード・エグバリ
配給:パンドラ
宣伝:パンドラ
世界のこども映画祭でグランプリ獲得している、これまでに評判になった子供が主役の作品とは一味違ったイラン映画。監督は96年に福岡アジアフォーカス映画祭で「夢がほんとに」が上映されてるカマル・タブリーズィ。出演はイラン映画界のトップスターで同じく福岡の映画祭で「これを最後に」が上映されたファテメー・モタメド=アリア、主人公の少年役のホセイン・ソレイマニーは実際に少年院に居たところを監督の目に止まり3ヶ月分の保釈金を払って出演した。その後、奨学金が貰えるほどの優秀な学生をしているとか。
少年院に居るメヘディは、いまだに母親の死を受け入れられず新聞の切抜きの女性を母親だと思って日々を送っていた。ある日、少年院に新しいソーシャルワーカーの先生がやって来る。メヘディは彼女を母ちゃんにする事に決めて少年院を脱走。どうにか家族にして貰おうと先生の家にやって来た。戸惑う先生だが情にほされて一晩だけ泊める事に、先生の娘とも早くも兄妹のように仲良くなってしまった。次の日に、先生は彼を少年院に帰そうとするがメヘディは逃げてしまい、タバコや新聞を売りながらお金を稼いでは先生の家の前で待つという日々が続く。実は先生の夫はメヘディのような浮浪者に殺されていたのだった。ある日、先生の娘から母の日のプレゼントを渡す事を聞いたメヘディは、寄り道をして二人でプレゼントを買いに行く事にする。そうとは知らない先生は娘が帰ってこずに泣きながら探していた。そこへ仲良く手をつないで帰って来る二人。その夜、先生はメヘディを家に招きいれて彼が寝込んでいる隙に補導員を呼んでしまう。「アニキが連れてかれちゃうよ!」と泣きながら叫ぶ娘と補導員に連れてかれるメヘディに先生は背を向けるのだが・・・・・。
今までの子供が主役のイラン映画は、いかにも素人の子供を使ってますよというような、セリフも少なくドキュメンタリータッチのものだったが、この作品の少年は、プロの子役のようにちゃんと演技してるし、セリフも喋るは喋るはで凄く上手い。少年院にいただけあり、口の悪さ(この字幕の付け方はなかなか笑える)や態度のでかさなど貫禄ありで、充分普通の映画として成立しています。「運動靴と赤い金魚」以来のイラン映画久々のお勧め作品です。
アジア, 映画レビュー
カテゴリー: アジア | 映画レビュー
2001年4月16日 by p-movie.com
グリーンフィンガーズ
ガーデニング・ムービー ★★★★☆
[00/英] 1h31 4月7日よりシャンテ・シネにてロードショー
監督:ジョエル・ハーシュマン
脚本:ジョエル・ハーシュマン
出演:クライヴ・オーウェン デビッド・ケリー ヘレン・ミレン
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
宣伝:LIBERO
『グリーンフィンガーズ』とは「天才庭師」という意味。手を変え品を変え登場する英映画だが、今回はガーデニング・ムービーの登場です。出演は「ベント/墜ちた饗宴」のクライヴ・オーウェン、「ウェイクアップ!・ネッド」のデビッド・ケリー、「スナッチ」のアダム・フォガーティ、「ザ・ビーチ」のパターソン・ジョセフ、「鬼教師ミセス・ティングル」のヘレン・ミレン。監督・脚本は、これが長編デビューのジョエル・ハーシュマン。
高い塀も監視カメラもなく、好きな時に紅茶も飲める開放的で保安体勢のゆるい更生刑務所に孤独な男のコリンが移送されてきた。ひょんなことで喧嘩になったコリンと囚人のロウ、トニー、ジミーと同室の老人ファーガスの5人は奉仕活動として所内の一角に庭園を造るように所長に命じられた。初めはやる気のないメンバーだったが、本で知識を得て土まみれになって働くうちに美しく色鮮やかな庭園を完成させる。この庭園は専門家にも認められた。専門家の計らいで彼らは由緒ある旧館の荒れ放題の庭の手入れをし、ガーデニングに夢中になっていく。コリンは生きる意味を見い出し、専門家の娘と恋が芽生えるようにまでなっていく。専門家はコリンのグリーン・フィンガーズに感嘆して、王立園芸協会のフラワーショウに出場する事を提案。だが、事件が勃発して出場はキャンセル。コリンは心残りのまま釈放た。だが、前科者を庭師と認められるほど世間は優しくなく花屋の配達係にしかなれなかった。ある日、刑務所にいる庭師から来年のフラワーショウ参加が決まった事とファーガスの命が危ない事を告げられると、コリンは愛と自由を捨てて花泥棒をやらかして刑務所に戻って行く。だが、またもや事件が勃発、果たして彼らは庭園を仕上げて賞に間に合わせる事が出来るのだろうか?
殺人罪の服役者を含めた犯罪者がガーデニングに目覚めて王国園芸協会が主催するフラワー賞でグランプリを目指す。いかにも英らしいおとぎ話のようだが、これが実話がベース。既にこの刑務所は2度も金賞を獲得しているとか。有機野菜の栽培は重要な資金源となっていて、ブリティッシュ・エアウェイ・コンコルドの機内食にも提供しているとか。コリンじゃないけどこんな刑務所なら入りたい人も多いかもね。
ヨーロッパ, 映画レビュー
花様年華
メチャレトロな恋愛劇 ★★★★☆
[00/香港] 1h38 3月31日Bukamuraル・シネマ&銀座テアトルシネマにて公開
監督:ウォン・カーウァイ
製作:ウォン・カーウァイ
脚本:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル リー・ピンピン
出演:トニー・レオン マギー・チェン
配給:松 竹
宣伝:メディア・スーツ/スローラーナー
2000 年のカンヌ映画祭に国際的な俳優達がキャストされた「2046」が間に合わなかったウォン・カーウァイが急遽撮影を切り上げて出品した作品。といっても「欲望の翼」までの中途半端まではない。トニー・レオンはこの出品により最優秀男優賞を獲得、まさにタナボタだった。共演は「ラヴソング」「ひとめ惚れ」のマギー・チェン。
1962年の香港、新聞社に勤める編集長チョウと商社で秘書と働くリーゼンは偶然にも同じアパートの隣室へ同じに日に引っ越してきた。と思いきや実はこれはチョウによって慎重に仕組まれたものだった。最初は甘く復讐心に満ちていたはずの小さな秘密は次第に引き返せなくなってしまう。それはなんとも皮肉な運命だった。
毎回、色調を大切にするカーウァイの選んだ色は赤。主人公2人の匂いたつような情感をレトロな恋愛劇のみに徹底して出きるだけセリフを排除した演出になっている。今回の作品はカーウァイの新たな方向性を示したものと言われているが、これはコンビを組んでいるカメラのドイルの映像にも見える。あのスタイリッシュと言われていた動きの強い映像を得意としているドイルに、こんな映像が撮れるとは驚きでした。
ぜひ、ご自分の眼で確かめて下さい。今回はこの映像に☆1つプラスです。そうそう劇中のトニー・レオンが泊まっていたホテルの部屋が「2046」号室でした。ウォン・カーウァイもたまにはお茶目なことをしますね。
アジア, 映画レビュー