セイブ・ザ・ラストダンス
失った夢をつかみ取れ! ★★★★☆
[00/米] 1h53 8月11日よりみゆき座ほか全国東宝洋画系にてロードショー
原作:デュエイン・アドラー
監督:トーマス・カーター
脚本:デュエイン・アドラー シェリル・エドワース
出演:ジュリア・スタイルズ ショーン・パトリック・トーマス テリー・キニー
配給:東宝東和
宣伝:トライアル
[HIPなラブ・ストーリー:SAVE THE LAST DANCE]
「キャスト・アウェイ」を押しのけて、全米で2週連続No.1に輝いたMTVが制作したダンス&ラブ・ストーリー。出演は「デビル」でハリソンの娘を演じたジュリア・スタイルズ、「ドラキュリア」のショーン・パトリック・トーマス、「スリーパーズ」のテリー・キニー。監督は「ネゴシエーター」のトーマス・カーター。ヒップホップの振付&演出に大物スターの振付師として有名なファティマ。
バレエをこよなく愛し、名門音楽院への進学を夢見ているサラは、オーディションの最中に母親を交通事故で亡くしてしまう。自分のせいで母を失ってしまったと思い込んだ彼女は絶望のあまり夢をあきらめ、幼い頃に別れたミュージシャンの父親とシカゴのサウスサイドに住むことになる。黒人がほとんどを占める高校の中で白人生徒のサラは、母親の死というまだ生々しい記憶と戦いながらも、校内でも人気のあるシェニールと親しくなる。シェニールは未婚の母で、ハンサムな弟デレクは医者を目指しているという。彼はダンスも上手くてサラをヒップホップという新しい世界へと連れ出す。ヒップホップのスタイルや新しいステップの練習を通じて互いに惹かれていく。しかしデレクのこの新しい恋は、幼いときからの親友で、いまや暴力的な地元のギャング団の一員となった友人から猛烈な反対をうける。白人の彼女との付き合いを周りから反対されながらもデレクはサラに、一度はあきらめたバレエヘの夢に再挑戦するよう説得するが、2人にはさらなる問題が待ち受けていた。
今年はやたらとダンス作品が目立つが、この作品はただのダンス青春映画ではなく、最近の若い世代にありがちの集団グループの対立や未婚の母という状況や、白人と黒人恋愛の難しさという人種問題を取り入れて見応えあり。サラがいつまでもくよくよしているのとバレエをしていたには体型が小太りなのが気になるが、爽やかな感動を与えてくれる。
アメリカ, 映画レビュー
ジュラシック・パークIII
喰われる前に逃げろ!! ★★★★☆
[01/米] 1h33 8月4日より日本劇場ほか全国東宝洋画系全国にてロードショー
制作総指揮:スティーブン・スピルバーグ
監督:ジョー・ジョンストン
脚本:ピーター・バックマン アレクサンダー・ペイン ジム・テイラー
出演:サム・ニール ウィリアム・H・メイシー ティア・レオーニ トレヴァー・モーガン
配給:UIP
宣伝:UIP
[恐竜恐怖体感ムービー:Jurassic Park III]
今年の夏休み大作は『5強』と呼ばれているが、そのラストを飾るのが公開を1週間早くして登場の「ジュラシック・パークIII」。監督は忙しいスピルバーグから、「ミクロ・キッズ」「ジュマンジ」のジョー・ジョンストンに交代。出演は、1作目に登場したグラント博士役のサム・ニールが再び登場、ほか「マグノリア」のウィリアム・H・メイシー、「天使のくれた時間」のティア・レオーニ、「シックス・センス」のトレヴァー・モーガン、出番は少ないが、同じく1作目から登場のローラ・ダーン。
古生物学者のグラント博士と助手のビリーは、大学の博物館でいつもながら恐竜の研究をしていると、そこに実業家と名乗るカービー夫妻がやって来る。恐竜たちが生息するサイトBの上空を回るツアーを計画してガイドを頼みたいと言うのだ。研究の資金援助の見返りにしぶしぶ承諾する博士。機長と副操縦士に乗務員1人を加えた7人でいざ出発。だが約束に反して機は島に着陸。本当の目的は、8週間前にパラセーリング中に島に不時着してしまった夫婦の息子の捜索だった。スピノサウルスに襲われ、早くも機と乗組員を2名失なってしまう。果たして一行は無事に島から脱出出来るのだろうか?そして行方不明の少年の消息は?
武器を持っていない彼らは、恐竜と出くわしても逃げるしかない。それも水中から空中からと一瞬たりとも気は抜けなく、恐竜自体も知能が発達している。一難去ってまた一難の展開は、アミューズメント・パークの乗り物のような臨場感。又はRPG。シンプルで上映時間も短くコンパクトで、恐竜のリアリティーは更に増している。集団で移動する恐竜やプラテノドンの飛ぶ優美な姿を見ていると不思議と嬉しくなってしまう。
アメリカ, 映画レビュー
PLANET OF THE APES/猿の惑星
未知の衝撃に備えよ。 ★★★★☆
[01/米] 2h00 7月28日より日劇プラザほか全国東宝洋画系全国にてロードショー
原作:ピエール・ブール
制作:リチャード・D・ザナック
監督:ティム・バートン
脚本:ウイリアム・ブロイルス,jr. ローレンス・コナー&マーク・ローゼンタール
出演:マーク・ウォルバーグ ティム・ロス ヘレナ・ボナム=カーター エステラ・ウォーレン
配給:20世紀フォックス映画
宣伝:20世紀フォックス映画
[驚異の新世紀SF超大作:Planet of the Apes]
1968 年、SF映画史上燦然と輝く名作「猿の惑星」。4本の続編と2つのTVシリーズを生み出し、その後もリメイクの話は何度もあり数々の監督(ジェームズ・キャメロン オリバー・ストーン クリス・コロンバス マイケル・ベイ)の名前は上がり消えていったが、ついに「バッドマン」を斬新に生まれ変わらせたティム・バートンが斬新かつユニークなニュー・バージョンとして蘇らせた。脚本は「キャスト・アウェイ」のウイリアム・ブロイルス,jr.に「マイティー・ジョー」のローレンス・コナー&マーク・ローゼンタール。特殊メイクはお馴染みのリック・ベイカー。出演は 「ブギー・ナイツ」のマーク・ウォルバーグ、「ファイト・クラブ」のヘレナ・ボナム=カーター、「海の上のピアニスト」のティム・ロス、「ドリヴン」のエステラ・ウォーレン、「グリーンマイル」のマイケル・クラーク・ダンカン、「デュエット」のポール・ジャマッティ、「パール・ハーバー」のケリー・ヒロユキ・タガワ。チャールトン・ヘストンが、なんと猿役で特別出演。
西暦2029年の宇宙ステーション、人類は惑星間の探察に訓練したチンパンジーを使用していた。突如、現れた磁場空間に早速偵察ポッドに載せられるチンパンジー、だがすぐに交信不通になってしまう。宇宙飛行士のレオは助けに行くが、彼も時空間に飲み込まれた。着いたところは、猿が人間を支配する惑星。レオは、人間愛護活動家のアリに買われるが一緒に捕まった人間と脱出。彼が別の星から来たと知ったアリは同行する事に。だがこの星を支配していたエイプ軍が黙っている訳がない。レオは発信機により救助を求めて移動している知らないうちに、人間の反乱軍のリーダーになっていた。
前回の「猿の惑星」と違う点は、猿がオランウータンからチンパンジー&ゴリラになっているのと、登場する人間が最初から喋れること。(これが、この作品のキーポイントになっている)リック・ベイカーの猿メイクは目元で誰だが分かる素晴らしい仕上がり(ティム・ロスは怒ってばっかりで目が血走ってるけど)。今回のオチはオリジナルには勝てなかったようだ。特にタイムパラドックスものが好きな自分としては疑問が残る。でもバートンらしい遊び心溢れていた作品で(特にチンパンジーが人間らしいシーン)楽しめる。
アメリカ, 映画レビュー
千と千尋の神隠し
宮崎版「不思議の国のアリス」 ★★★★★
[01/日] 2h05 7月20日より日比谷スカラ座にて全国東宝洋画系にてロードショー
製作総指揮:徳間康快
監督:宮崎 駿
原作・脚本:宮崎 駿
声出演:柊 瑠美 入野自由 夏木マリ 菅原文太 内藤剛志 沢口靖子
音楽:久石 譲
配給:東宝
宣伝:メイジャー
[ファンタジー的寓話:Spirited Away]
「もののけ姫」で引退を決意した宮崎 駿が、とある理由から新たな出発点として撮り上げたエンターテイメント作品。声の出演は主人公・千尋に「すずらん」で主役を務めた柊 瑠美、千尋を助けるハクに「ウルトラマンガイア・時空の大決戦」の入野自由、ほか上記メンバーのほか上条恒彦、小野武彦・我修院達也。音楽はお馴染の久石 譲。
ごく普通の家庭で生まれ大切に育てられた一人っ子の荻野千尋は、引越し先の新しい家に向かう途中。父親の運転する車は、道を一つ間違えて林道へ入り、不思議な建物の前に着いた。興味範囲で千尋の父親と母親はトンネルへ入ってしまい、千尋も仕方なく着いていく。アミューズメントパークの変わり果てた姿と思った千尋の父親だったが、美味しい匂いに誘われ中へ入っていき店に並べられていた食べ物を母親と食べ始めてしまう。実はここは人間の目には決して見えない世界で、古くから棲む神様(霊々)が病気と傷を癒しに通う温泉町だった。この町の食べ物を食べた千尋の親は豚に変えられてしまう。千尋は湯屋の帳場を預かるハクという少年に助けられるが、この町で生き延びるために湯屋を支配する湯婆婆という強欲な魔女の元で働くことを言い渡される。
宮崎ワールド集大成と言うべき作品。ストーリーは分かり易いし、登場するキャラクターもユニークで、しかも今までの宮崎 駿監督作品が随所に盛り込まれていていて、全く飽きさせない。もう少し千尋が普通の軟弱な少女だというエピソードと、舞台となった温泉町の紹介をしてくれるともっと面白かったかもしれない。いつもながら久石 譲さんの音楽は素晴らしい。今年の夏休み映画は、まだ全部見てないけどこの作品がトップを制する可能性は大きい。「ラマになった王様」のレビューで、夏のファミリー・アニメ映画は「ポケモン」と「ラマ」は見逃せないと書いてあるけど、「千と千尋の神隠し」もお忘れなく。
日本, 映画レビュー
カテゴリー: 日本 | 映画レビュー
2001年7月21日 by p-movie.com
ラマになった王様
意地悪ばっかりしていると、ラマにされちゃうよ。 ★★★★☆
[00/米] 1h18 7月14日より渋谷東急3ほか全国東急洋画系にて夏休みロードショー
監督:マーク・ディンダル
製作:ランディ・フルマー
脚本:デビッド・レイノルズ
出演:藤原竜也 主題歌:西城秀樹
配給:ブエナ ビスタ インターナショネル ジャパン
宣伝:ムービーテレビジョン
「ライオン・キング」のスタッフが描く、わがままな王様と心優しい農夫の大冒険を描いた友情のファンタジー。脚本はディズニー作品『ムーラン』『バグズ・ライフ』『ターザン』『トイ・ストーリー2』に、正月公開の新作『アトランティス』も手掛けているデビッド・レイノルズ。監督は『リトル・マーメイド』の視覚効果スーパーバイザーや『アラジン』の効果アニメーターに、実写作品『ロケッティア』のアニメ部分の監督をしたマーク・ディンダル。
南米の険しいジャングルの彼方にある王国にクスコという若くてカッコよく大金持ちの王様がいる。だが彼はわがままで意地悪な奴だった。今日も山の上に自分の別荘を建てる為に農夫パチャの家を壊そうとしていた。だがリストラされた魔女の恨みをかって、魔法の薬を飲んだクスコ王はラマにされ城から放り出された。偶然にもジャングルで農夫パジャと遭遇したラマの王様は、城に戻り人間に戻る為に助けを求めた。
スピーディーな展開でギャグ満載だし大人でも笑える作品。上映時間は78分と短くコンパクトであっという間、もう少し見ていたい気分にさせてくれる。2回見ても「パール・ハーバー」に追いつかないもの。それに「苦労して人は成長する」とか「意地悪やワガママは愚かな事」とか「どんな時にも助け合う友達は必要」などメッセージがあり、夏のファミリー・アニメ映画で「ポケモン」と、この作品は見逃せない。
アメリカ, 映画レビュー