リロ・アンド・スティッチ
ディズニー初のエイリアン・キャラ登場!★★★☆☆
[02/米]1h26 3月8日より日劇3ほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー
[製作]クラーク・スペンサー
[監督]クリス・サンダース&ディーン・デュボア
[脚本]クリス・サンダース&ディーン・デュボア
[出演]ダウエイ・チェイス クリス・サンダース ティア・カレル
[配給]ブエナビスタインターナショナル(ジャパン)
[宣伝]メイジャー
[愛と感動のファンタジー:Lilo & Stitch 全米公開2002年6月21日]
2003年春のディズニー作品は「モンスターズ・インク」に続いて驚きと感動に満ちたファンタジー物語。ハワイを舞台に、ディズニー史上最も凶悪なキャラクターが登場。監督と脚本は「ムーラン」でストーリー開発を担当していたクリス・サンダース&ディーン・デュボア。クリスは邪悪なエイリアン、スティッチの声も担当している。
ハワイのカウアイ島に住むリロは5歳にして両親を亡くし、姉のナニと2人暮らし。同じ年頃の子供達に馴染むことのできないリロのために、ナニは子犬を飼うことにする。動物保護センターで、とても犬とは思えない生き物を気に入ったリロは、スティッチと名づける。だが、スティッチの正体は銀河連邦の天才科学者が違法な遺伝子実験によって生み出した、恐るべき身体能力を備えた逃亡中のエイリアンだった。
親の愛を知らない少女に家族として迎えられたことで、かつて抱いたことのない「愛」という感情が、凶暴なエイリアンに芽生えてしまう。愛は地球を越えて宇宙を救う。愛を知り変貌を遂げていくいじらしいスティッチの姿は、まさに天使と悪魔の二面性の魅力。あなたも虜になること間違いなし。
オフィシャルサイト: http://www.disney.co.jp/stitch/
アメリカ, 映画レビュー
過去のない男
未来にこそ存在する自分の場所 ★★★★☆
[02/フィンランド]1h37 3月15日より恵比寿ガーデンシネマほか全国順次ロードショー
[製作]アキ・カウリスマキ
[監督]アキ・カウリスマキ
[脚本]アキ・カウリスマキ
[出演]カティ・オウティネン マルッキィ・ペルトラ
[配給]ユーロスペース
[宣伝]ユーロスペース
[カウリスマス的幸福感動:mies vailla menneisyytta]
2002年カンヌ国際映画祭でグランプリ(パルムドールは「戦場のピアニスト」)、そして主演女優賞の二冠を受賞したアキ・カウリスマキ監督の至福の映画。出演は、カウリスマキ常連で主演女優賞に輝いたカティ・オウティネン、「浮き雲」「白い花びら」に脇役で出演していたマルッキィ・ペルトラ。
夜行列車でヘルシンキに辿り着いたひとりの男。しかし彼は暴漢に襲われ重傷を負い、過去の記憶を全て失ってしまう。港湾のコンテナに住む一家に助けられた男は、使われてないコンテナで暮らし始め、救世軍で働くイルマと出会った。それは男にとって暖かで満ち足りた時間だった。やっと仕事が見つかった男は銀行口座を開きに行くが、銀行強盗と出会い金庫に閉じ込められてしまう。名前も分からぬ男が銀行強盗に関与か?という記事が新聞に載り、男の身元が分かった。連絡をしてきたのは、男の妻だった。
過去を失い、過去を取り戻し、過去を手放す男の再生と希望をカウリスマキ独特のユーモアで描く楽しい作品。いつもカウリスマキ作品はセリフが少なく、前作ではモノクロのサイレントだったが、今回はセリフも多くカラフルで見事な方向転換。男が日本酒で寿司を食べるシーンが登場し、バックにクレイジーケンバンドの曲が流れるのだが、これは日本大好きな監督らしい粋な計らい。
オフィシャルサイト: http://www.eurospace.co.jp/kako/
ヨーロッパ, 映画レビュー
アザー・ファイナル
FIFAランキング最下位決定戦 ★★★☆☆
[02/オランダ・日] 1h17 3月1日よりシネクイントにて世界に先駆け独占ロードショー
[製作]ケッセルズクレイマー ROBOT
[監督]ヨハン・クレイマー
[出演]BHUTAN VS MONTSERRAT
[配給]ROBOT
[宣伝]ROBOT
[蹴球異文化交流:THE OTHER FINAL]
2002年6月30日、全世界が熱狂したワールドカップ決勝戦当日に最下位を決定する「もうひとつの決勝戦」が行なわれていた。FIFAランキング202位のブータンと203位モンテセラト。だがこの試合には大変な苦労があった。監督は200本以上のCMを手掛けているヨハン・クレイマー。世界に先駆け日本先行限定3週間ロードショー。
全世界のマスメディアから注目され、日本でも試合風景が少し放映されていたが、この試合は奇跡に近い開催だった。カリブ海の中で最も美しい島のモンテセラトからボートと飛行機を乗り継ぎ5日間掛けてブータン入り。しかし選手は長旅で体調を崩してしまう。しかも審判は見つからず、前途多難だった。
作品は、試合よりもサッカーを共通語として交流する両国の文化との出会いを描いていて、試合前の出来事の方が面白く、サッカーを知らない人でも楽しめる作品。今年公開されるドキュメンタリーは楽しめる作品が多い。
オフィシャルサイト: http://www.theotherfinal.jp
ヨーロッパ, 日本, 映画レビュー
ロード・オブ・ザ・リング/2つの塔
指輪物語:パート1 ★★★★☆
[02/ニュージーランド・米]2h59 2月22日より丸の内ピカデリー1ほか全国竹・東急系にて全国ロードショー
[製作総指揮]マーク・オーデスキー、ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン
[製作]バリー・M.オズボーン、ピーター・ジャクソン、フラン・ウォルシュ
[原作]J.R.R.トールキン(評論社)
[監督]ピーター・ジャクソン
[脚本]フラン・ウォルシュ、フィリッパ・ボウエン、スティーブン・シンクレア、ピーター・ジャクソン
[出演]イライジャ・ウッド イアン・マッケラン ショーン・アスティン ヴィゴ・モンテンセン リヴ・タイラー
[配給]日本ヘラルド映画、松竹
[宣伝]日本ヘラルド映画
[3本分に匹敵するスペクタクル:The Lord of the Rings: The Two Towers 全米公開2002年12月18日 日本語吹き替えあり]
20世紀最高の文学として知られるJ.R.R.トールキン原作による「指輪物語」の第2部。今回の新たな出演者は、「スコーピオン・キング」のバーナード・ヒル、「ゴースト・シップ」のカール・アーバン、「ヒューマンネイチュア」のミランダ・オットー、「ムーラン・ルージュ」のデヴィッド・ウェンハム、「エイリアン4」のブラッド・ドゥーリーフ。
前作のラストで旅の仲間は、3つに分かれた。フロドを追いかけたサムの二人は、指輪の前の持ち主ゴラムを捕らえ道案内役にしてモルドールの黒門へ向かう。だが、オークに殺された旅の仲間だったボロミアの弟ファラミソの軍隊に捕らえられてしまう。そして、フロドと離れ離れになったアラルゴン、レゴラス、ギムリの三人はローハン騎士の一団や、生きていたガンダルフと遭遇。サルマンとの戦いに全力を尽くす事に。一方、ウルク=ハイの軍団にさらわれたピピンとメリーは隙をついて逃げ出し、ガンダルフが頼んだ樹木の牧者エントに守られながらサルマンとの戦いに加戦する。果たして指輪の魔力に負けずにフロドは世界を救えるのか。
前作は、今回の壮大な予告編だった。物語はバラバラになった3チームが旅を続け、クライマックスの戦闘シーになだれ込んでいく構成。旅は彼らを成長させ頼もしくさせる(ゲームでいうレベルアップ)。やはり見所は、壮大な戦闘シーン。このシーンだけで今回もアカデミー賞にノミネートされたのかも。今回は充実感たっぷりなので、前作のこんな所で終わりというのはありません。
オフィシャルサイト: http://www.lotr.jp/
ニュージーランド, 映画レビュー
戦場のピアニスト
第55回カンヌ映画祭パルムドール受賞 ★★★★☆
[02/仏・独・英・ポーランド]2h28 2月15日より日劇1ほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー
[製作]ロマン・ポランスキー ロベール・ベンムッサ アラン・サルド
[原作]ウワディスワフ・シュピルマン(春秋社)
[監督]ロマン・ポランスキー
[脚本]ロナルド・ハーウッド
[出演]エイドリアン・ブロディ トーマス・クレッチマン フランク・フィンレイ
[配給]アミューズ・ピクチャーズ
[宣伝]マンハッタンピープル
[魂を揺さぶる真実の物語:The Pianist 全仏公開2002年10月2日]
2002年5月26日、キャリア40年にしてカンヌ映画祭のパルムドール賞を受賞したロマン・ポランスキー 監督の半世紀以上を経て自らの原体験と近い人生を送ったピアニストのウワディスワフ・シュピルマンの体験を映画化。出演は「マリーアントワネットの首飾り」のエイドリアン・ブロディ、「ブレイド2」の トーマス・クレッチマン、「私家版」のフランク・フィンレイ。
1939年、ナチスドイツがポーランドに侵攻した時、ウワディスワフ・シュピルマンはワルシャワの放送局で演奏するピアニストだった。ワルシャワ陥落後、ユダヤ人であるが故にゲットー(ユダヤ人居住区)に移され、飢えや無差別殺人に脅える日々を強いられる。やがて何十万人ものユダヤ人の移送が始まる。友人に助けられ、家族の中でたった一人収容所行きを免れたシュピルマンは、決死の思いでゲットーを脱出。瓦礫の山と化した街で必死に生きていく。だが、ある晩とうとう一人のドイツ軍将校に見つかってしまった…。
戦場を生き抜いたひとりの名ピアニストの驚くべき実話を描いた感動作品。約2時間30分のうち半分近くが、主人公ひとりのシーンでセリフも無くドキュメンタリータッチ。次に何が起こるか予測不可能で見ていてハラハラ。撮影もどこで撮ったのか驚いてしまうほど建物も粉々状態。そして過去一度も登場しなかった親切なドイツ人将校が登場。最後まで飽きさせない。
オフィシャルサイト: http://www.pianist-movie.jp/
ヨーロッパ, 映画レビュー