ヤング・ブラッド

ワイヤー版「三銃士」 ★★★☆☆
[01/米・独・ルクセンブルグ] 1h45 11月10日より渋谷急ほか全国公竹・東急洋画系にてロードショー

監督:ピーター・ハイアムズ
脚本:ジーン・クインターノ
出演:ジャスティン・チェンバース ティム・ロス  ミーナ・スヴァーリ カトリーヌ・ドヌーブ
配給:日本ヘラルド映画
宣伝:メディアボックス

[アクロバティック文学史:THE MUSKETEER]
アレクサンドル・デュマの文学史上最も魅力的な物語のひとつである『三銃士』を「エンド・オブ・ディズ」のピーター・ハイアムズ監督と「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明」のアクション演出シャン・シンシンが西洋の格闘バトルと香港スタイルのエネルギーを融合させて製作。ダルタニアン役には「ウエディング・プランナー」のジャスティン・チェンバース、「猿の惑星」のテイム・ロスと「クライング・ゲーム」のスティーブン・レイが悪役。ほか「恋は負けない」のミーナ・スバーリに、名女優カトリーヌ・ドヌープと豪華演技陣を揃えた。

1625 年、フランス。陰謀と裏切りが横行する時代、ダルタニアンは育ての親のプランシェと共にパリに向かう。14年前に勇敢な銃士であった父親と母親を殺した男を捜しに。パリに着いたダルタニアは、手ごわい敵たちに出会う。謀略を黙認しているルイ13世の側近リシュリュー枢機卿と、彼の強力な軍隊を指揮している黒装束で片目の冷血な男フェブル。彼らはパリの銃士隊を任務から外して隊長を投獄した。続いてフェブルは女王を襲おうとするが、宿屋で出合ったフランチェスカに頼まれ女王を守ることに。そして両親を殺したのが、フェブルだと分かると銃士隊を奮い立たせて反撃に出る。

ハリウッドではワイヤーアクション作品の受けがよく、香港のアクション演出家がハリウッドに呼ばれて製作される作品が増えている。これは「グリーン・デスティニー」が、全米で外国映画作品のヒット記録を塗り替えて、アカデミー賞にノミネートされた影響からで、この作品もそんな1本。ハリウッドでは、役者に無理をさせないのがお約束なので、バトル・アクションシーンはすべて香港のスタントマンの吹替え。だが、こういう作品は見ているだけで楽しい。バトルは目まぐるしいので前の方で見るのは避けましょう。ミーナ・スヴァーリのセミ・ヌードもあるよ。

オフィシャルサイト:http://www.youngblood.jp/

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2001年11月12日 by p-movie.com

ソードフィッシュ

全米はとんでもない奴を敵にまわした ★★★★☆
[01/米] 1h39 11月3日より丸の内ルーブルほか全国松竹洋画系にてロードショー

製作:ジョエル・シルバー
監督:ドミニク・セナ
脚本:スキップ・ウッズ
出演:ジョン・トラボルタ ヒュー・ジャックマン ハル・ベリー ドン・チードル サム・シェパード
配給:ワーナー・ブラザース
宣伝:レオ・エンタープライズ

[ミスディレクション・ムービー:SWORDFISH]

ハードな犯罪映画のため、テロの余波によって一時期公開が危ぶまれたが、どうにか公開決定。元モサドのエリート・スパイで天才的犯罪者による知的なアクション・ムービー。出演は久々の悪役にジョン・トラボルタ、「X-メン」のヒュー・ジャックマン&ハル・ベリー、「トラフィック」のドン・チードル、「ハムレット」のサム・シェパード。監督は「カリフォルニア」「60セカンズ」のドミニク・セナ。

映画は冒頭からクライマックス。冷血ヒールのガブリエルが「狼たちの午後」は、ラストがよくないと語っている。舞台は銀行の中、人質に爆弾をくくり付け立て篭もっていて、周りにはSWATが待機しているのだ。隙をついた警察は人質を一人保護しようとしてするが、大爆発。このシーンが「マトリックス」的手法で 1.5秒を30秒に伸ばし、カメラは爆発した箇所を中心に1周。吹き飛ばされる警官や弾け飛ぶパトカー、爆風で粉々になるガラス。これは圧巻。掴みはOKどころじゃない。このシーンを大画面で見るだけでも鑑賞の価値あり。物語は、そこから4日前に飛び、世界一のハッカーと言われ、国家安全保障局がもっとも恐れたスタンリーをガブリエルが無理矢理引っ張り出し、政府の不正な闇資金をコンピュータ回線で奪うという仕事を娘を人質に取り押し付ける。

「バトル・フィールド・アース」でラズベリー賞を貰い、スター生命もこれまでと思われていたトラボルタが又もや完全復活。製作のジョエル・シルバーは、セガールといい落ちぶれかけた役者を使うのが上手いと評判になってしまった。映画は、冒頭以外にも凄まじいシーンは随所に用意されている。それを見るとよく公開出来たなと思うでしょう。監督の前作は、60秒で高級車を盗む事だったが、今回も60秒で何かをするシーンが登場。それは見てのお楽しみ。

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2001年11月5日 by p-movie.com

マイアミ・ガイズ~俺たちはギャングだ~

オヤジパワー炸裂! ★★★☆☆
[00/米] 1h27 10月27日よりシネマメディアージュほか全国順次ロードショー

監督:マイケル・ディナー
製作:バリー・ソネンフェルド パリー・ジョセフソン
脚本:バリー・ファナロ
出演:リチャード・ドレイファス バート・レイノルズ ダン・ヘダヤ シーモア・カッセル キャリー=アン・モス
配給:ソニー・ピクチャーズエンターティンメント
宣伝:メディアボックス

[コミカル・クライム・ムービー:The Crew]

2000 年8月に「スペース・カウボーイ」と同時期に全米公開されたオヤジ・パワー全開のコミカル・クライム・ムービー。主役の4人を演じるのは「陽のあたる教室」のリチャード・ドレイファス、「ドリヴン」のバート・レイノルズ、「ザ・ハリケーン」のダン・ヘダヤ、「夢の降る街」のシーモア・カッセル。ほか「メメント」のキャリー=アン・モス、「コード」のジェニファー・テイリー。監督はTVドラマシリーズで活躍してきたマイケル・ディナー。

気が短くて、ちょっと狂ってるジョーイ、ちょっとおツムは弱いがやさしくてイイ奴のマイク、昔から極端に口数の少なく何故か女性にもてるトニー、そしてボビー。物心ついた時から4人は大親友。1968年、ギャングになることを夢見ていた4人は組んで欲しいもの全てを手に入れた。それから32年後の2000 年、マイアミ・ビーチ。4人の元ギャングたちは、ビーチのホテルで隠居生活を送っている。が、家主から突然立ち退きを迫られていた。4人は必死で居残り作戦を考え、死体メーキャップ・アーティストとして働くマイクのとこから死体を盗み出し、ホテルのロビーに血まみれの殺人現場を作り上げた。作戦は成功。しかし新聞を見てビックリ。盗んだ死体はマフィアの元ボスだったというのだ。早くも警察の捜査官オリヴィアが聞き込みにやって来る。が、ボビーは、オリヴィアが生き別れとなった娘だと気付いてしまう。

4人のジイ様キャラクターは個性豊かで、パワー炸裂。特にバート・レイノルズの失神するとアイディアが閃めく体を張った演技には脱帽。次の「ドリブン」では、車椅子での演技だったもんな。ストーリーも練られていてラストも清清しい。ジェニファー・テイリーは、40になってもインパクトあるなー。シネマメディアージュまで行っても見る価値あり。

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2001年10月29日 by p-movie.com

GO

国籍なんか関係ねえ! ★★★★☆
[01/日・韓] 2h02 10月20日より丸の内東映ほか全国東映系にて日韓同時公開

原作:金城一紀(講談社刊)
監督:行定 勲
脚本:宮藤官九郎
出演:窪塚洋介 柴咲コウ 大竹しのぶ 山崎努 山本太郎 萩原聖人 大杉漣
配給:東映
宣伝:東映(株)映画宣伝部

第 123回直木賞に輝いた金城一紀のコリアン・ジャパニーズ実体験を基にした小説の映画化。発行部数 15万部を突破し、テレビ・映画など20社以上の製作会社から映像化の依頼が殺到した。「池袋ウエストゲートパーク」の宮藤官九郎と窪塚洋介が再びタッグを組み、監督もインディーズで活躍していた「ひまわり」「贅沢な骨」の行定 勲と若手を起用。東映もかなりの勝負に出た。ほかの出演は、窪塚の父母に山崎努と大竹しのぶ、恋人役は「バトル・ロワイヤル」以降東映作品に出ずっぱりの柴咲コウ。韓国からは「情事」や「アクシデンタル・スパイ」のキム・ミンと現代韓国映画の”生き証人”と言われるミョン・ケナム。

杉原は高校3年生、普段はまったく意識しないが韓国の国籍を持ついわゆる「在日」。未だに将来の夢も進路も決まらない。中学までは民族学校に通っていたが、広い世界を見たくなり意を決して日本の普通高校へ入学した。3年前、杉原の父・秀吉は、ハワイ旅行をきっかけに国籍を”朝鮮”から”韓国”に変えた。秀吉は元ボクサー、幼い頃からボクシングを叩き込まれた杉原は入学してから喧嘩では現在24連勝中。記念すべき初勝利の相手は、今やすっかり仲良くなったヤクザの息子の同級生・加藤。ある日杉原は、加藤のバースディパーティーで声をかけてきた少女・桜井と突然の恋に落ちる。ぎこちないデートを重ねる二人だが、杉原は自分が「在日」であることを中々言い出せないでいた。

行定監督は、よく試写室に出没していていたので凄く身近に感じていただけに期待は高まっていたのだが、これが期待通り面白い。在日差別問題という重いテーマを今までこんなにもコメディーで描いた作品はあっただろうか。「これは僕の恋愛に関する物語だ」と語っておきながら、なかなか恋愛話にならない引っ張りもいい。今の映画界は国境を越えた作品が増えてきたが、日本も負けちゃいられない!。窪塚洋介も浅野や永瀬に続いて、これからはどんどん映画に出まくってほしい。その為にも今年の邦画界 No.1候補作品を見ましょう。

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2001年10月22日 by p-movie.com

トゥームレイダー

世界の「謎」は私のモノ ★★★★☆
[01/米] 1h41 10月6日より日本劇場ほか全国東宝洋画系にてロードショー

原作:サラ・B・クーパー マイク・ウエッブ マイケル・コレリー
監督:サイモン・ウエスト
脚色:サイモン・ウエスト
脚本:パトリック・マセット ジョン・ジンマン
出演:アンジェリーナ・ジョリー ジョン・ボイド イアン・グレン ダニエル・クレイグ ノア・テイラー
配給:東宝東和
宣伝:メイジャー

[21世紀最高のアクション・ヒロイン:Lara Croft :TOMB RAIDER]

1996 年に全米で発売されるや、爆発的な人気で現在part5まで製作されているコンピュータ・ゲームの映画化。いま最高にノリに乗っているアカデミー賞女優アンジェリーナ・ジョリーが、世界で1番有名なヒロイン”ララ・クロフト”に扮し、女性主演映画のオープニング成績歴代No.1という不滅の金字塔を打ち立てた!共演は、アンジェリーナ・パパのジョン・ボイドはじめ、「愛と野望のナイル」のイアン・グレン、「エリザベス」のダニエル・クレイグ、「あの頃ペニー・レイン」のノア・テイラー。監督は「コン・エアー」「将軍の娘/エリザベス・キャンベル」のサイモン・ウエスト。

美しくてタフなララ・クロフトは、類まれな才能をもつトレジャー・ハンター。今日も相棒の天才プログラマー・ブライスの作った大型戦闘用ロボットを相手に、実戦さながらの戦闘訓練に興じている。ある日、ララとブライスは20年前に失踪したララの父クロフト卿の隠し部屋から、不思議なアンティークの時計を発見する。その内部には謎の星座表が隠されていた。その時計は、世界に転変地異をもたらすと言われる5000年に一度の”グランド・クロス=惑星直列”によって、強大な力を発揮する古代の秘宝〈Holly Triangle〉への手がかりだったのだ。しかし、彼女の宿敵マンフレッド・パウエルもまた、この機会を狙っていた。運命は彼女達をロンドン、アンコールワットの遺跡、ベニス、そしてシベリアヘと導いていく。

父親の残した鍵と地図を基に敵と戦いながらも冒険を続けるという、ゲーム感覚の分かり易いストーリー。財産を受け継いで執事のいる屋敷に住み、職業がトレジャー・ハンターと言う事で「バットマン」シリーズと「インディー・ジョーンズ」シリーズを合わせたよう。最近はVFXによる黒マキ合成の多い中で、この作品は巨大なセットを組み豪快に壊していて気分爽快。ロケのカンボジアやアイスランドも現実離れしていてファンタジック。しかし、なんといってもアンジェリーナ・ジョリーの魅力、ホット・パンツにコンバットブーツを履き、束ねた髪で飛びまわり、二挺拳銃で撃ちまくる姿は、まさにゲームキャラのまんま。早くも続編が決定してます。

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カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2001年10月5日 by p-movie.com