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国籍なんか関係ねえ! ★★★★☆
[01/日・韓] 2h02 10月20日より丸の内東映ほか全国東映系にて日韓同時公開

原作:金城一紀(講談社刊)
監督:行定 勲
脚本:宮藤官九郎
出演:窪塚洋介 柴咲コウ 大竹しのぶ 山崎努 山本太郎 萩原聖人 大杉漣
配給:東映
宣伝:東映(株)映画宣伝部

第 123回直木賞に輝いた金城一紀のコリアン・ジャパニーズ実体験を基にした小説の映画化。発行部数 15万部を突破し、テレビ・映画など20社以上の製作会社から映像化の依頼が殺到した。「池袋ウエストゲートパーク」の宮藤官九郎と窪塚洋介が再びタッグを組み、監督もインディーズで活躍していた「ひまわり」「贅沢な骨」の行定 勲と若手を起用。東映もかなりの勝負に出た。ほかの出演は、窪塚の父母に山崎努と大竹しのぶ、恋人役は「バトル・ロワイヤル」以降東映作品に出ずっぱりの柴咲コウ。韓国からは「情事」や「アクシデンタル・スパイ」のキム・ミンと現代韓国映画の”生き証人”と言われるミョン・ケナム。

杉原は高校3年生、普段はまったく意識しないが韓国の国籍を持ついわゆる「在日」。未だに将来の夢も進路も決まらない。中学までは民族学校に通っていたが、広い世界を見たくなり意を決して日本の普通高校へ入学した。3年前、杉原の父・秀吉は、ハワイ旅行をきっかけに国籍を”朝鮮”から”韓国”に変えた。秀吉は元ボクサー、幼い頃からボクシングを叩き込まれた杉原は入学してから喧嘩では現在24連勝中。記念すべき初勝利の相手は、今やすっかり仲良くなったヤクザの息子の同級生・加藤。ある日杉原は、加藤のバースディパーティーで声をかけてきた少女・桜井と突然の恋に落ちる。ぎこちないデートを重ねる二人だが、杉原は自分が「在日」であることを中々言い出せないでいた。

行定監督は、よく試写室に出没していていたので凄く身近に感じていただけに期待は高まっていたのだが、これが期待通り面白い。在日差別問題という重いテーマを今までこんなにもコメディーで描いた作品はあっただろうか。「これは僕の恋愛に関する物語だ」と語っておきながら、なかなか恋愛話にならない引っ張りもいい。今の映画界は国境を越えた作品が増えてきたが、日本も負けちゃいられない!。窪塚洋介も浅野や永瀬に続いて、これからはどんどん映画に出まくってほしい。その為にも今年の邦画界 No.1候補作品を見ましょう。


カテゴリー: アジア | 日本 | 映画レビュー

2001年10月22日 by p-movie.com