オースティン・パワーズ ゴールドメンバー

このおバカは誰にも止められないっ! ★★★★☆
[02/米]1h35 8月24日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にて全国ロードショー

製作:ジョン・リヨンズ/マイク・マイヤーズ
製作:エリック・マクリード/スザンヌ・トッド/ジェニファー・トッド
監督:ジェイ・ローチ
脚本:マイク・マイヤーズ/マイケル・マクリース
出演:マイク・マイヤーズ ビヨンセ・ノウルズ マイケル・ケイン ヴァーン・トロイアー セス・グリーン
カメオ出演:トム・クルーズ グウィネス・パルトロウ ケビン・スペイシー ダニー・デヴィート スティーヴン・スピルバーグ ジョン・トラボルタ ブリトニー・スピアーズ クインシー・ジョーンズ
共同配給:ギャガ・ヒューマックス
宣伝:ギャガ・コミュニケーションズ

[超豪華スター続々登場!:Austin Powers in Goldmember 全米公開2002/7/26]
おバカパワー炸裂のオースティン・パワーズ・シリーズの第3弾。今回の舞台は、えっ日本? そして又もやタイムスリップだ。出演は御馴染みマイク・マイヤーズ、今回は1人4役に挑戦。オースティン・ギャルにはグラミー受賞でギネスブックにも載ったスーパーユニット、デスティニーズ・チャイルドのビヨンセ。オースティン・パパには、60年代のスパイもの「国際諜報局」でオースティンの元ネタとも言えるハリー・パーマーを演じていた元祖スパイ俳優、サー・マイケル・ケイン、ほかイーブルの息子のセス・グリーン、ミニ・ミーのヴァーン・トロイヤー、イーブルの腹心の部下ナンバー2のロバート・ワグナー、英国情報局局長のマイケル・ヨーク、イーブルの部下ミンディー・スターリングと御馴染みのメンバー。監督も引き続きジェイ・ローチ。

今回のDr.イーブルの世界征服計画は、隕石を誘導して地球の氷を溶かして水没させようという計画。だが、オースティンによりイーブルはあっけなく捕まってしまう。しかし今度は、オースティンのパパが誘拐されてしまう。犯人は謎の悪党ゴールドメンバー。パパを救うべく1975年へタイムスリップしたオースティンは75年当時の公私に渡るパートナー、フォクシー・クレオパトラとゴールドメンバーに立ち向かうが、逃げられてしまう。その頃、イーブルは脱獄してゴールドメンバーと日本で落ち合っていた。クレオパトラと現代に戻ったオースティンは日本へ向かう。そして、いつもの宿命の対決と同時に、オースティンとイーブルの出生の秘密も明らかになる。

日本で1作目の公開はミニ・シアターでこっそりだったが、2作目が全米で「SW:1」と争ったことが話題なりあっという間に人気爆発。そして今回の3作目の舞台は何故か日本。今年の夏休み映画はあまり勢いがよくないが、これで起爆剤になるか?。何といっても驚くのが、オープニングのカメオ出演達。このシーンだけでも充分入場料を払う価値あり。中身は相変わらずのパロディと下ネタに、訳が分からないシーンのオンパレード。この分だとシリーズは、まだ続きそう。その前に劇中作品のほうが見たいけど。ゴールドメンバーが、1975年に経営している「スタジオ69」は実際にあった「スタジオ54」と言うディスコのこと。これを舞台にした青春ドラマ「54 フィフティ★フォー」で、経営者に扮しているのもマイク・マイヤーズです。

オフィシャルサイト: http://www.austinpowers-gold.jp/

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2002年8月25日 by p-movie.com

モンスーン・ウェディング

2001年ヴェネチア映画祭金獅子賞受賞 ★★★★☆
[01/印]1h54 8月17日よりbunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

[製作]キャロライン・バロン、ミラ・ナイール
[監督]ミラ・ナイール
[脚本]サブリナ・ダワン
[出演]ナジルラディン・シャー リレット・デュベイ ヴァソンダラ・ダス イシヤーン・ナイール
[配給]メディア・スーツ
[宣伝]メディア・スーツ

[躍動感にあふれた人生讃歌:Monsoon Wedding 全仏公開2001年12月12日]
「サラーム・ボンベイ!」「ミシシッピー・マサラ」「太陽に抱かれて」「カーマ・スートラ 愛の教科書」の作品が日本でも公開されているミラ・ナイール監督の2001年ヴェネチア国際映画祭で、インド人女性監督初のグランプリ(金獅子賞)に輝いた作品は、結婚式を素材にした群像ドラマ。出演者は日本では馴染みがないが、インドを代表する俳優が揃っている。ラリット・バルマを演じるのは、国内外を問わず125本以上の映画に出演している偉大な俳優ナシルディン・シャー。その妻にベテランの舞台女優で監督としても知られるリレット・デュベイ。娘のアディティには有名なポップシンガーで映画出演はこれが2作目となるヴァソンダラ・ダス。花嫁の従姉リアに扮するのは1998年「Satya」でインドのアカデミー賞といわれるフィルムフェア批評家賞で最優秀主演女優賞を獲得したシェファリ・シェティ。ウェディング・プランナーには、インド国立レパートリー劇団に所属する演技派ヴィジェー・ラーズ。そのお相手となるメイド役には、デリー大学の学生でこの映画がデビュー作となるティロタマ・シヨーム。スタッフには、ハリウッドやフランス映画界で活躍している人達が名を連ねている。

インドのデリーに住むビジネスマン、ラリット・べルマ氏の庭では結婚式の準備が始まった。長女アディティが親の決めた縁談を急に承諾。相手は現在、アメリカで仕事をするエンジニアのヘマント・ライ。彼女はテレビ局の仕事も辞めて、彼の住むヒューストンについていくことになっていた。ベルマ氏はモンスーンの時期に親戚縁者を集めて伝統にのっとった式を挙げようとする。式の前日、アディティはヘマントを呼び出し、彼女は不倫関係にあった恋人がいたことを打ち明ける。彼女の告白を聞いたヘマントは混乱しながらある決断をする。季節は厳しい夏の日差しを一掃するモンスーン。生命の再生と喜びをもたらすモンスーンの雨が苦悩を洗い流し、躍動感に満ち溢れた未来を指し示していく。

結婚を承諾しても不倫を精神的に清算できないアディティの顛末。幼い頃に受けた忌わしい出来事をひた隠しにしてきた従姉の葛藤。従兄に一目ぼれしてしまったセクシーなティーンエイジャーの情熱的なアプローチ。式を引き受けたウェディング・プランナーとバルマ家の貞淑なメイドの恋。そして式の成功に心を砕くバルマ氏にも大きな試練と、5つのストーリーがゴージャスな映像のなかに紡がれていく。勿論、インド映画御馴染みの歌と踊りもインド北部の結婚式にのっとって披露される。登場人物が多いので、あらかじめ役名と役柄をチェックしてからご鑑賞あれ。

オフィシャルサイト: http://www.monsoon-wedding.jp/

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2002年8月19日 by p-movie.com

クライム・アンド・ダイヤモンド

過去の名画へオマージュを捧げた作品 ★★★★☆
[00/米]1h32 8月10日よりシネマメディアージュほか全国順次ロードショー

製作総指揮:ダニエル・ダイヤモンド
監督:クリス・バーウェル
脚本:クリス・バーウェル
出演:クリスチャン・スレイター ティム・アレン リチャード・ドレイファス ポーシャ・デ・ロッシ
配給:ギャガコミニュケーションズ
宣伝:トライアル ギャガコミニュケーションズ宣伝第3グループ

[サスペンス、コメディ、ロマンスなどを絶妙にミックス:WHO IS CLETIS TOUT?]
クライムサスペンス、コメディ、ロマンスなどの様々な要素を絶妙にミックスして過去の名画へのオマージュを捧げた作品。監督・脚本のリス・バー・ヴェルは劇場用長編映画デビューだが、往年の犯罪映画の様相を呈し、あるときはロマンティックな名画の雰囲気を醸しだす。セリフや映像として随所に現れる過去の名画の引用からは、彼の映画への愛情が感じさせられ、集まったメンバーは「ウインド・トーカーズ」のクリスチャン・スレイター、「ギャラクシー・クエスト」のティム・アレン、「陽のあたる教室」のリチャード・ドレイファス、「アリー・myラブ」クールな弁護士のポーシャ・デ・ロッシ、「3人のエンジェル」の強烈なドラッグ・クイーンのルポール。

場末のホテルの一室、椅子に縛り付けられたトレバー・フィンチは、古い名画ファンの殺し屋 毒舌ジムに捕まっていた。ジムは、“いい話”を聞かせてくれたら命を助けてやると約束する。絶体絶命の危機の中、フィンチは、刑務所で知り合ったマイコーと連邦刑務所を脱獄する話を始める。 2人の目的は、マイコーが25年前に盗み出して、片田舎に埋めた大量のダイヤを掘り返すことだった。だが、ダイヤは驚いたことに 25年の間に作られてしまった刑務所の庭に埋まっていた。フィンチは自分の命を狙う殺し屋から逃れ、ダイヤも手に入れる為の計画を思いつく。マフィアの殺人に関する重要参考人として刑務所に逃げ込むのだ。そしてダイヤ奪回は成功したが、殺し屋に捕まってしまったのだ。果たして殺し屋には、この話は“いい話”なのか?

何と言ってもこの作品の面白さは、古い名画ファンの殺し屋 毒舌ジムにつきる。フィンチが話を始めると舞台がNYだとロケが高くつくとか、回相シーやサイド・ストーリーが必要だとか、まるで何処か大手のプロデューサーのよう。そして事あるごとに名画のセリフを引用する。これが「脱出」「レベッカ」「深夜の告白」「ラスト・シューティスト」「天国から来たチャンピオン」「愛と追憶の日々」「マルタの鷹」「サンセット大通り」「特攻大作戦」「ティファニーで朝食を」。ラストは「雨に唄えば」のパロディも登場する。でも一番笑えるのは、スレイターに向かって、「お前は、○○に似てるな」のセリフかな。

オフィシャルサイト: http://www.gaga.ne.jp/crime-diamond/

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カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2002年8月9日 by p-movie.com

イン・ザ・ベッドルーム

愛とは、正義とは、そして夫婦とは・・・ ★★★☆☆
[01/米]2h10 8月3日より日比谷シャンテほか全国順次ロードショー

製作:グラハム・リーダー、ロス・ケイツ、トッド・フィールド
原作:アンドレ・デュバス
監督:トッド・フィールド
脚色:ロブ・フェスティンガー、トッド・フィールド
出演:トム・ウィルキンソン シシー・スペイセク ニック・スタール マリサ・トメイ ウィリアム・マポーザー
配給:ユナイテッド・インターナショナルピクチャーズ ファー・イースト
宣伝:UIP映画

[予測できない奥行きのある物語:IN THE BEDROOM 全米公開2001年12月25日]
アカデミー賞主要5部門ノミネートされ、本年度ゴールデングローブ賞の最優秀主演女優賞をシシー・スペイセクが受賞したインディペンデント作品。出演は。「キャリー」から「ロンリー八ート」まで5度もアカデミー賞にノミネートされ、「歌え!ロレッタ愛のために」で見事オスカーを手にしたシシー・スペイセクと、イギリス出身ながら「フル・モンティ」「恋におちたシェイクスピア」でハリウッドでも引っ張りだこになったトム・ウィルキンソン、「いとこのビニー」「ハート・オブ・ウーマン」のマリサ・トメイ、12歳のとき「顔のない天使」でメル・ギブソンの相手役を務めた、「シン・レッド・ライン」のニック・スタール、「M:1-2」「マグノリア」のウィリアム・マポーザー。監督は「アイズ・ワイド・シャット」などで知られるベテラン俳優のトッド・フィールド。

ニューイングランド、メイン州の小さな町。マット・ファウラーは開業医で、妻ルースは合唱隊の教師をしている。夏休みで帰省している一人息子のフランクは、幼い2人の子供がいる年上の女性ナタリーと愛し合っている。しかし、彼女とよりを戻したい夫リチャードは離婚に応じず、度々彼女の家にやって来る。そして、短い夏が終わりに近づいたころ、彼らは思いもよらぬ悲劇に見舞われる。

悲劇に直面した時、初めて鮮明になる夫婦の関係。お互いをいたわり合うように見えて、いつの間にか歯車が狂い、溝が深まっていく。妻は心を閉ざし、今この時をやり過ごすことだけを考え、夫はそんな妻にどう対応すればいいのかわからない。ある時、彼らは正直な気持ちを、ぶつけ合う。そして、やがて本来の自分を取り戻し、再び絆で結ばれる。しかし、それは以前のように幸せな家族の形ではない。その豊かで奥行きのある物語が醸し出すサスペンスは一級のミステリーのように画面に緊張感をみなぎらせる。そして同時にここで描き出されることのすべてがリアルに映る。事件に直面した人たちの心理を丁寧に描きながら、息詰るほどの緊迫感があるのは、ベテラン俳優のなせる技。見応えアリ。

オフィシャルサイト: http://www.uipjapan.com/bedroom/index.htm

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2002年8月3日 by p-movie.com

快盗ブラック★タイガー

トムヤンクン・ウエスタンムービー ★★★★☆
[00/泰]1h54 7月27日よりシネクイントにて全国順次快進撃ロードショー

製作:ノンスィ・ニミブット
監督:ウィシット・サーサナティヤン
脚本:ウィシット・サーサナティヤン
出演:チャッチャイ・ガムーサン ステラ・マールギー スパコーン・キッスワン
配給:日活+トライエム
宣伝:トライエム

[タイ版西部劇:Tears of the Black Tiger/Fa talai jone]
ノンスィ・ニミブット監督のデビュー作「Dang Bireley’s and Young Gangsters」(未)や日本でも公開された「ナン・ナーク」の脚本家ウィシット・サーサナティヤンのデビュー作は異色のトムヤンクン・ウエスタン。出演は「Dang・・・」で共演済みのチャッチャイ・ガムーサンとスパコーン・キッスワン。スパコーンは「デッド・アウェイ」や日本公開予定の「MONRAK TRANSISTOR」にも出演している。ヒロインのステラ・マールギーは、イタリア育ちでモデルなどを経て映画は初出演。もうじき父親の事業を継いで社長になるとか。主人公の少年時代を演じたスウィニット・パンジャマワットは、秋公開のニミブット監督新作「ジャンダラ」や最新作「THREE」にも出演している。(詳しくは「タイ旅行映画日誌-その13-」をどうぞ)

戦争中に疎開した村でダムとラムプイは出逢った。9年後にバンコクの大学で2人は運命的な再会を果たして結婚を誓う。だが、ダムの父親が村長の座を狙う盗賊に殺され、ダムは復讐へ挑む。形成不利なところを悪名高い盗賊団に助けられたダムは“ブラック・タイガー”の名で身を投じる。数年後、捕らえた警部の処刑を命じられたダムは、警部の婚約者がラムプイと知ると、仲間に嘘をつき逃がしてしまう。盗賊団が、ラムプイの婚礼に襲撃を企てる計画を知ったダムは、ラムプイを守る事を決意。だが長年の相棒でライバルでもあった仲間は許さなかった。

セットや衣装は原色で、インド映画や「ディック・トレイシー」を思い出すほどの総天然色。そして戦闘シーンは、ロケット砲まで飛び出す滅茶苦茶ぶりさが凄まじい。こんな珍品は、タイでは2度と見れないでしょう。監督は作品が日本の映画や漫画の影響を受けていると告白している。それは鈴木清順作品と「愛と誠」。さあー、ぜひ大勢でワイワイ騒いで見てね(多分、大勢で見に行くと割引制度もあると思うし)。そして、みんなでハーモニカを吹こう!!

オフィシャルサイト: http://www.cinema-angel.com/blacktiger/

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カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2002年7月27日 by p-movie.com