モンスーン・ウェディング

2001年ヴェネチア映画祭金獅子賞受賞 ★★★★☆
[01/印]1h54 8月17日よりbunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー

[製作]キャロライン・バロン、ミラ・ナイール
[監督]ミラ・ナイール
[脚本]サブリナ・ダワン
[出演]ナジルラディン・シャー リレット・デュベイ ヴァソンダラ・ダス イシヤーン・ナイール
[配給]メディア・スーツ
[宣伝]メディア・スーツ

[躍動感にあふれた人生讃歌:Monsoon Wedding 全仏公開2001年12月12日]
「サラーム・ボンベイ!」「ミシシッピー・マサラ」「太陽に抱かれて」「カーマ・スートラ 愛の教科書」の作品が日本でも公開されているミラ・ナイール監督の2001年ヴェネチア国際映画祭で、インド人女性監督初のグランプリ(金獅子賞)に輝いた作品は、結婚式を素材にした群像ドラマ。出演者は日本では馴染みがないが、インドを代表する俳優が揃っている。ラリット・バルマを演じるのは、国内外を問わず125本以上の映画に出演している偉大な俳優ナシルディン・シャー。その妻にベテランの舞台女優で監督としても知られるリレット・デュベイ。娘のアディティには有名なポップシンガーで映画出演はこれが2作目となるヴァソンダラ・ダス。花嫁の従姉リアに扮するのは1998年「Satya」でインドのアカデミー賞といわれるフィルムフェア批評家賞で最優秀主演女優賞を獲得したシェファリ・シェティ。ウェディング・プランナーには、インド国立レパートリー劇団に所属する演技派ヴィジェー・ラーズ。そのお相手となるメイド役には、デリー大学の学生でこの映画がデビュー作となるティロタマ・シヨーム。スタッフには、ハリウッドやフランス映画界で活躍している人達が名を連ねている。

インドのデリーに住むビジネスマン、ラリット・べルマ氏の庭では結婚式の準備が始まった。長女アディティが親の決めた縁談を急に承諾。相手は現在、アメリカで仕事をするエンジニアのヘマント・ライ。彼女はテレビ局の仕事も辞めて、彼の住むヒューストンについていくことになっていた。ベルマ氏はモンスーンの時期に親戚縁者を集めて伝統にのっとった式を挙げようとする。式の前日、アディティはヘマントを呼び出し、彼女は不倫関係にあった恋人がいたことを打ち明ける。彼女の告白を聞いたヘマントは混乱しながらある決断をする。季節は厳しい夏の日差しを一掃するモンスーン。生命の再生と喜びをもたらすモンスーンの雨が苦悩を洗い流し、躍動感に満ち溢れた未来を指し示していく。

結婚を承諾しても不倫を精神的に清算できないアディティの顛末。幼い頃に受けた忌わしい出来事をひた隠しにしてきた従姉の葛藤。従兄に一目ぼれしてしまったセクシーなティーンエイジャーの情熱的なアプローチ。式を引き受けたウェディング・プランナーとバルマ家の貞淑なメイドの恋。そして式の成功に心を砕くバルマ氏にも大きな試練と、5つのストーリーがゴージャスな映像のなかに紡がれていく。勿論、インド映画御馴染みの歌と踊りもインド北部の結婚式にのっとって披露される。登場人物が多いので、あらかじめ役名と役柄をチェックしてからご鑑賞あれ。

オフィシャルサイト: http://www.monsoon-wedding.jp/


カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2002年8月19日 by p-movie.com