トゥームレイダー2

伝説のパンドラの箱とは・・・ ★★★☆☆
[03/米]1h57 9月20日より日劇1ほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー

[製作]:ローレンス・ゴードン ロイド・レビン
[監督]ヤン・デ・ボン
[脚本]ディーン・ジョーギャリス
[出演]アンジェリーナ・ジョリー ジェラルド・バトラー サイモン・ヤム テレンス・イン
[配給]東宝東和
[宣伝]P2

[アクション・アドベンチャー第2弾:Lara Croft Tomb Raider:The Cradle of Life]
ゲームのヒロインに扮するアンジェリーナ・ジョリーが活躍するシリーズ第2弾。共演は「ドラキュリア」のジェラルド・バトラー、「トータル・フィアーズ」のシアラン・ハインズ、「夜間飛行」のサイモン・ヤム、「漂流街」のテレンス・イン、前作から登場のノア・テイラー&クリストファー・バリー。

ギリシアのサントリーニ島沖で起きた大規模な地震で、アレクサンダー大王が世界中から集めた財宝が眠る月の神殿が海底に姿を現わした。ララ・クロフトは、アレクサンダー大王の像の胸に埋め込まれたメダリオンと、宙吊りの鉄の檻におさめられた黄金の珠を見つける。しかし、何者かに奪い取られてしまう。黒幕は、ノーベル賞受賞の科学者ジョナサン・ライス博士。彼が手に入れようとしているのは、「生命のゆりかご」と呼ばれる人類起源の地に隠された<パンドラの箱>だった。珠は、「生命のゆりかご」の場所を示す地図。それを元に<パンドラの箱>が発見され、もしもテロリストの手で開けられたら…人類の未来を救う使命を担ったララの冒険が、いま始まる。

父の謎の失踪に迫った前作から、今度は陛下の命令でパンドラの箱を悪用しようとする敵から守る事への任務へ。珠を奪った組織に詳しい、元恋人をカザフスタンの刑務所から連れ出しパートナーに。まるでボンドガールならぬクロフトボーイの登場。舞台もギリシア→イギリス→カザフスタン→中国山奥→上海→香港→台北→アフリカと007並に移動。香港映画ファンには、サイモン・ヤムとテレンス・インに「福星」シリーズのリチャード・ウンの登場が嬉しい。

オフィシャルサイト:http://tombraider.eigafan.com/

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カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2003年9月20日 by p-movie.com

シモーヌ

ハリウッドを虜にした女優はCGだった ★★★☆☆
[02/米]1h57 9月13日より日劇3ほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー

[製作]アンドリュー・ニコル
[監督]アンドリュー・ニコル
[脚本]アンドリュー・ニコル
[出演]アル・パチーノ レイチェル・ロバーツ キャサリン・キーナー ウィノナ・ライダー
[共同配給]ギャガ・ヒューマックス
[宣伝]トライアル

[アリティー・シリーズ第3弾:SIMONE 全米公開2002年8月16日]
「トゥルーマン・ショー」でアカデミー脚本賞、「ガタカ」で監督デビューしたアンドリュー・ニコル監督のリアリティー・シリーズ第3弾。出演は「インソムニア」のアル・パチーノ、スーパーモデルのレイチェル・ロバーツ、「マルコヴィッチの穴」のキャサリン・キーナー、「Mr.ディーズ」のウィノナ・ライダー。

完全無欠の美貌と圧倒的な演技力で世界を熱狂させる女優シモーヌ。人前に姿を現さない秘密主義が、さらにマスコミを熱狂させるが、いまだ本当の彼女を誰ひとり見たことがない…。それもそのはず、彼女はどこにも存在しないCG女優だったのだ!その首謀者は、落ち目の映画監督タランスキー。主演女優降板のピンチを切り抜けるため、思い通りになる完全無欠のCG女優を創ってしまったのだ。まんまと成功を手にした彼だが、今度は加熱するマスコミからシモーヌの秘密を守ろうと四苦八苦。しかし、シモーヌの人気はどんどん巨大化し、遂にアカデミー賞にまでノミネートされてしまった。手に追えなくなったシモーヌをタランスキーは抹消しようとするのだが・・・。

オールCG映画やSF映画のCGによるキャラクターが登場するようになり、実際に今回の作品も今後起こりえそうな映画。タランスキー(タランティーノとタルコフスキーから取った)監督が、シモ-ヌの存在を証明しようと四苦八苦するコミカルタッチで進んでいくが、彼女が一人歩きをし始め手に追えなくなり抹消しようとするあたりから世にも奇妙な物語的になり観客を裏切ってくれるのかと思いきや、救世主が現れるというアメリカ的なオチ。ウィノナ・ライダーのセルフパロディーには苦笑、でもアル・パチーノ-が演じるキャラではないぞ。

オフィシャルサイト:http://www.simone.jp/

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カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2003年9月15日 by p-movie.com

座頭市

斬新アクション・エンターテインメント ★★★★☆
[03/日]1h56 9月6日よりほか全国松竹・東急系にて全国公開 【R-15】

[製作]森昌行 齋藤恒久
[原作]子母沢寛
[監督]北野武
[脚本]北野武
[出演]ビートたけし 浅野忠信 大楠道代 夏川結衣 ガダルカナル・タカ 橘大五郎 大家由祐子 岸部一徳 石倉三郎 柄本明
[配給]松竹 オフィス北野
[宣伝]P2

北野武(ビートたけし監督も含む)監督11作目は、三池崇史&役所広司で企画が進
んでいた事もある勝新で26本製作された「座頭市」の再映画化。ヴェネチアでは
銀獅子(監督)賞・「CIAK観客賞」(伊映画誌が観客の投票で選ぶ)・「デジ
タル・アワード」に、映画祭とは別に獲得した「オープン2003特別賞」と合わせ
て4冠に輝いてる。出演者は「珈琲時光」の浅野忠信、「顔」の大楠道代、「陰
陽師」の夏川結衣、「福耳」のガダルカナル・タカ、橘菊太郎劇団若座長の橘大
五郎、「キッズ・リターン」の大家由祐子、「ゲロッパ!」の岸部一徳、「どら
平太」の石倉三郎、「花」の柄本明。

その日、三組の旅人が同じ宿場町に入る。ひとりは金髪頭に朱塗りの杖を持った
盲目の居合の達人・座頭市。二組目は服部源之助と妻おしの。浪人の身だが腕は
立つ服部は、病気のおしのの為に用心棒の働き口を探していた。そして三組目は、
旅芸者のおきぬ&おせい姉妹。やがて、飲み屋「的屋」で服部と市は初めて出会
う。とんでもなく腕が立つ二人は、その抜きん出た強さゆえに、やがて命をかけ
て対決せざるをえない宿命にあった。宿場町を仕切っているヤクザ・銀蔵一家の
用心棒となった服部。銀蔵とつるんでいる扇屋を仇の一人と踏んで近づくおきぬ
とおせい。銀蔵一家が仕切る賭場で大立ち回りを演じた市。同じ日にこの町にやっ
てきた、訳ありの三者の運命の糸はやがて絡み合う。銀蔵一家、そして服部との
壮絶な戦いに挑む座頭市。問答無用の戦いが幕を開けようとしていた。

今までのたけし作品とは打って変わった、超アクション・エンターテイメント作
品。物語はとても分り易く、テンポもリズムもよい。立ち回りは、なんとCGによ
るチャンバラ。このすごい映像を見せられてしまうと、タップダンスだろうと金
髪(勝新の市と切り離すのは、これしかないと思ったそう)だろうと、何でも許せ
てしまう。でも最後の最後のオチで、違うというのが決定的となるけどね。
R-15指定だが、バイオレンスはさほどドギツくない。多分、放送禁止用語だらけ
なのが影響したのだろう。

オフィシャルサイト:http://www.office-kitano.co.jp/zatoichi/

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カテゴリー: 日本 | 映画レビュー

2003年9月8日 by p-movie.com

シェフと素顔と、おいしい時間

あなたが心を溶かす ★★★☆☆
[02/仏]1h26 8月30日より六本木ほか全国ヴァージンシネマズにてロードショー

[製作]アラン・サルド
[監督]ダニエル・トンプソン
[脚本]ダニエル・トンプソン クリストファー・トンプソン
[出演]ジュリェット・ビノシュ ジャン・レノ セルジ・ロペス
[配給]日本ヘラルド映画
[宣伝]アニー・プラネット

[雰囲気が楽しいラブ・コメ:Decaloge Horaire JET LAG]

いまのフランス映画界を代表する「ショコラ」のジュリエット・ビノシュと、「レオン」のジャン・レノが遂に共演。パリのシャルル・ド・ゴール空港で偶然出会ったトップ・メイキャップ・アーティストと元有名シェフで冷凍食品会社経営ビジネスマンの心を溶かすラブ・ストーリー。ほか「ハリー、見知らぬ友人」のセルジ・ロペス 。監督は「ブッシュド・ノエル」の女性監督ダニエル・トンプソンで、息子のクリストファー・トンプソンと共同で脚本を書いている。今年のフランス横浜映画でも上映されたが、劇場公開はインターナショナル・ヴァージョンで7分短い。

シャルル・ド・ゴール空港25時。恋人から逃げる女と恋人を追いかける男が出会った。トップ・メイキャップ・アーティストのローズとかつての有名シェフで今はアメリカで食品会社を経営しているフランス人のフェリックス。お互い仕事は順調だが、プライベートではなぜか最良のパートナーにめぐり会えない日々。二人の心に何か問題が!?そんな二人の空港での第一印象はやっぱり最悪。ストさえなければ、二人はお互いの目的地に飛び立って、当然、それっきりになるはずだった。空港に泊まろうとしていたローズを見て、フェリックスはホテルがツインだからと誘うのだが…。

困難と言われたシャルル・ド・ゴール空港で撮影された大群衆の中で繰り広げられる、きっかけとしてはありえそうなロマンティック・コメディー。相手との愛が消えたことを認めたくない悪あがき、厚化粧の仮面を脱ぎ捨て美味しい料理を食べて心を溶かす瞬間。いくつも魅了するシーンが味わえる雰囲気が楽しい。冷めないうちにご賞味あれ。

オフィシャルサイト:http://www.oishiijikan.com/

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カテゴリー: ヨーロッパ | 映画レビュー

2003年8月30日 by p-movie.com

アダプテーション

困った書けない、どうしよう ★★★☆☆
[02/米]1h55 8月23日より東劇&シネマライズほか全国順次ロードショー

[製作]エドワード・サクソン ヴィンセント・ランディ ジョナサン・デミ
[原作]スーザン・オーリアン(早川書房刊)
[監督]スパイク・ジョーンズ
[脚本]チャーリー・カウフマン ドナルド・カウフマン
[出演]ニコラス・ケイジ メリル・ストリープ クリス・クーパー ティルダ・スウィントン マギー・ギレンホール
[配給]アスミックエース
[宣伝]アスミックエース

[奇想天外ムービー:Adaptation 【PG-12】]

「マルコヴィッチの穴」から3年、再びタッグを組んだ監督&脚本家による又もや摩訶不思議な作品。出演は「ウインドトーカーズ」のニコラス・ケイジが二役、「めぐりあう時間たち」のメリル・ストリープ、「アメリカン・ビューティー」のクリス・クーパーがアカデミー助演男優賞受賞、「ザ・ビ-チ」のティルダ・スウィントン、「セクレタリー」のマギー・ギレンホール。

「マルコヴィッチの穴」の脚本で大成功を収めたチャーリー・カウフマンは、スーザン・オーリアンの著作、「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」の脚色を依頼される。それは、フロリダで蘭を不法採取した栽培家ジョン・ラロシュを追いながら人々を掻き立てる“情熱”を体験したい願う著者自身の願望を描いたベストセラーだった。しかしアイデアがまとまらないチャーリーは脚本を書き上げられず、行き詰まってしまう。一方、同じく脚本家を目指していた双子のドナルドは、脚本家養成セミナーに参加して感銘を受ける。しかも意外なことにドナルドの脚本は順調に完成、新進脚本家が誕生する。チャーリーはドナルドを小馬鹿にしていたにもかかわらず、たとえそれが彼には全く価値のない作品であったとしても、ドナルドが評価を得たことに苦々しい思いを爆発させる。しかしチャーリーはそうした苦悩の末、ついには脚本に自らを登場させるという突飛なアイデアを思いつく。そうしてスーザンに会いに行こうと決心したところから現実とフィクションが交錯し、事態は思わぬ方向へと転がっていくことになる。

チャーリー・カウフマンが「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」の脚色を依頼されるが書けずに、その状態を活かして書いた脚本の映画化。本来ならば原作の主人公ジョン・ラロシュの物語が描かれるはずが、主人公はチャーリー・カウフマンになり双子の弟(実際にはいないというウワサ)まで登場する。インディペンデント作品でも描かないような業界の内輪話で始まり(「マルコヴィッチの穴」の撮影風景もあり、出演者も登場)、あっと驚くハリウッド流アクションになり急転直下で落としてくれる。こういう作品が、評価されるのも珍しい。でもアカデミー助演男優賞受賞は、「めぐりあう時間たち」のエド・ハリスに挙げて欲しかった(古い話で失礼)。最初はミニシアターでの公開だったが、急遽全国公開が決まった。

オフィシャルサイト: http://www.adaptation.jp/

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カテゴリー: アメリカ | 映画レビュー

2003年8月25日 by p-movie.com