アバウト・シュミット
黄昏のジャック・ニコルソン ★★★★☆
[02/米]2h05 5月24日よりみゆき座ほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー
[製作]ハリー・ギテス マイケル・ベスマン
[原作]ルイス・ビグレー(メディアファクトリー刊)
[監督]アレクサンダー・ペイン
[脚本]アレクサンダー・ペイン ジム・テイラー
[出演]ジャック・ニコルソン キャシー・ベイツ ダーモット・マルロニー
[共同配給]ギャガ・ヒューマックス
[宣伝]ムービーアイ・エンタテインメント
[全ての人々に贈る深い感動のストーリー:ABOUT SCHMIDT]本年度アカデミー賞主演男優賞に「カッコーの巣の上で」「恋愛小説家」のジャック・ニコルソンと、助演女優賞に「ミザリー」「タイタニック」のキャシー・ベイツがノミネートされた、感動のヒューマン・ドラマ。監督は「ハイスクール白書優等生ギャルに気をつけろ」のアレクサンダー・ペイン。
アメリカ中西部に暮らすウォーレン・シュミットは、66歳になり定年退職したばかり。妻の希望で購入したキャンピングカーで朝食を取ると予定はもうない。だが、突然42年間連れ添った妻が急死してしまう。葬儀のために戻って来た一人娘は、救い難いバカの婚約者を連れて来る。葬儀が終わると強烈な寂しさがシュミットを襲う。そしてシュミットは、娘の結婚式を阻止しようとキャンピングカーで旅に出かけた。
定年退職、妻との永遠の別れ、娘の結婚と人生三大転機を迎えて、初めて深い孤独に気づくウォーレン・シュミットを演じるジャック・ニコルソンの演技が素晴らしい。そして、花婿の母親を演じるキャシー・ベイツの体当たり演技には驚愕。監督の前作はビデオのみで、公開されなかった作品だけどお勧めです。
オフィシャルサイト: http://www.about-s.jp/
アメリカ, 映画レビュー
めぐりあう時間たち
人生はいつもミステリー ★★★★☆
[02/米]1h55 5月17日より丸の内ピカデリー2ほか全国松竹・東急系にて全国ロードショー
[製作]スコット・ルーディン ロバート・フォックス
[原作]マイケル・カニンガム「三人のダロウェイ夫人」(集英社刊)
[監督]スティーヴン・ダルトリー
[脚色]デヴィッド・ヘア
[出演]ニコール・キッドマン メリル・ストリープ ジュリアン・ムーア エド・ハリス トニ・コレット クレア・デインズ ジェフ・ダニエルズ ジョン・C・ライリー
[配給]アスミック・エース、松竹
[宣伝]アスミック・エース エンターテイメント
[感動のエンタテイメント・ロマン:THE HOURS 全米公開2002年12月25日]
ヴァージニア・ウルフをモティーフに書かれた、ピューリッツァー賞とペン/フォクナー賞のW受賞に輝いたマイケル・カニンガム原作の世界的べスセラーを「リトル・ダンサー」のスティーヴン・ダルトリー監督が完全映画化。ご存知ニコール・キッドマンが、第75回アカデミー賞にて主演女優賞を受賞。あと助演女優賞にジュリアン・ムーアと助演男優賞にエド・ハリスがノミネートされていた。そして「アダプテーション」のメリル・ストリープ、「アバウト・ア・ボーイ」のトニー・コレット、「ターミネーター3」のクレア・デインズ、「シカゴ」のジョン・C・ライリー。
1923年イギリス・ロンドン郊外、「ダロウェイ夫人」を執筆中の作家ヴァージニア・ウルフ。1949年ロサンジェルス、「ダロウェイ夫人」を読む妊婦ローラが夫の誕生日をどう祝うか考えている。2001年・ニューヨーク、編集者のクラリッサはエイズで死に行く友達の作家を祝福する企画に知恵を絞る。時を越えて企画される三つのパーティー。それぞれの時間に生きる三人の女は、やがて「ダロウェイ夫人」に誘われてひとつの物語へと紡がれていく。
歓びと哀しみ、驚きと感動、幸せと不幸せ、人生に潜むミステリーを鮮やかに切り取った感動のエンタテインメント・ロマン。異なる時代の三人の女性が抱える苦悩は、混乱することなく見事に繋がっていく。こういう作品こそ編集賞をあげるべきなのでは? 人生を模索中の方、是非見てください。
オフィシャルサイト: http://www.jikantachi.com/
アメリカ, 映画レビュー
ロスト・イン・ラ・マンチャ
「ドン・キホーテ」は、こうして作られなかった ★★★★☆
[02/米・英]1h33 5月10日よりシネ・アミューズほか全国順次ロードショー
[製作]ルーシー・ダーウィン
[監督]キース・フルトン&ルイス・ペペ
[出演]テリ-・ギリアム ジョニー・デップ ジャン・ロシュフォール ヴァネッサ・パラディ
[配給]シネカノン
[宣伝]シネカノン
[完成版が見たくなる、最高の予告編!:Lost In La Mancha]
「ボウリング・フォー・コロンバイン」や「WATARIDORI」と面白いドキュメンタリーの公開が目立っているが、ここに前代未聞のドキュメンタリー作品が登場。今までにも映画製作のメイキングはあったが、この作品はなんと制作費50億円をかけた「未来世紀ブラジル」「バロン」「12モンキーズ」の鬼才テリー・ギリアム製作の「ドン・キホーテ」が、撮影途中で中止になってしまう過程を記録したドキュメンタリーである。
舞台は17世紀スペインのラ・マンチャ。タイムスリップしてきた現代のCMプロデューサーが、ドン・キホーテと出会い従者のサンチョ・パンサに間違えられる波乱の連続、アルティシドーラ姫との恋ありとファンタジーな作品。ドン・キホーテに「パリ空港の人々」のジャン・ロシュフォール、CMプロデューサーに「ショコラ」のジョニー・デップ、姫にデップの私生活のパートナーで「橋の上の娘」のヴァネッサ・パラディ。
撮影中に監督や出演者が現場で揉めて降板し、新たに撮り直すという話はよく聞く。でも撮影途中で中止になってしまうことは、よっぽどの事がない限りない。だが信じられない最悪な出来事が製作スタッフに襲いかかる。何故、製作途中で中止になったのか知りたくない? ちなみにギリアムの新作は、グリム兄弟の冒険を描く「ブラザース・グリム」で、出演はマット・デイモン&ヒース・レジャー。今度は大丈夫か?
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X-MEN2
進化の始まり 最強パワー集結 ★★★★☆
[03/米]2h16 5月3日より日劇1ほか全国東宝洋画系にて全世界同時ロードショー
[製作] ローレン・シュラー・ドナー ラルフ・ウィンター
[原作]スタン・リー(新潮社刊)
[監督]ブライアン・シンガー
[脚本]マイケル・ドアティ&ダン・ハリス
[出演]パトリック・スチュアート イアン・マッケラン ヒュー・ジャックマン ハル・ベリー アンナ・パキン ファムケ・ヤンセン アラン・カミング ケリー・フー
[配給]20世紀フォックス(極東)映画会社
[宣伝]20世紀フォックス
[最高のサスペンス・ミステリー:X2 全米公開2003年5月2日]
前作から3年ぶりに、新たな敵と新キャラクターを増やして最強パワーで戻って来たハイパーアクション。前作のメンバーは一人も掛けずに揃って登場。今回からの出演は「ハリウッド・エンディング」のアーロン・スタンフォード、TVドラマで活躍するショーン・アシュモア、「スパイキッズ」のアラン・カミング、「ブラック・ダイヤモンド」のケリー・フー、「刑事グラハム 凍りついた欲望」でハンニバル・レクターを演じたブライアン・コックス。
謎のミュータントが、ホワイトハウスに現れ大統領を襲った。この事件を期に元陸軍司令官の大富豪がミュータント撲滅作戦に乗り出し、前作で投獄されていたマグニートの独房を訪ねたプロフェッサーXとサイクロップスを監禁。その間に、若くて才能のあるミュータントを教育するエグザビア・スクールを襲った。ウルヴァリンやローグらは、かろうじて逃げ出すが生徒を数人捕らえられてしまう。大統領を襲ったミュータントを捕まえに行ったジーン・グレイ&ストームと合流したウルヴァリン達。その前に現れたのは、独房を抜け出たマグニートと部下のミスティーク。2組は、大富豪潰しと捕まったプロフェッサーXや生徒達を救出する為に手を組んだ。
今回はX-MENとブラザー・フッドが手を組み、ミュータント壊滅を企む大富豪と戦うバトル。次回作では全面対抗戦になるのだろうか? 今回は、前作でスクールの生徒だったミュータントや大富豪の手下が新キャラで登場。スクールにいる若いミュータントの能力も気になるところ。そしてウルヴァリンの過去の記憶が判明。これは、1作目をおさらいしてからの鑑賞がお勧め。ラストが「ネメシスS.T.X」と同じオチなのは、パトリック・スチュアートが出てるから?
オフィシャルサイト: http://www.foxjapan.com/movies/x-men2/
アメリカ, 映画レビュー
ボイス
死を呼ぶ呪いの携帯番号 ★★★★☆
[02/韓]1h42 4月26日渋谷東急よりほか全国松竹・東急系にて全国ロードショー
[製作]アン・ビョンギ キム・ヨンデ
[監督]アン・ビョンギ
[脚本]アン・ビョンギ イ・ユジン
[出演]ハ・ジウォン キム・ユミ チェ・ウジェ チョ・ジヨン ウン・ソウ
[配給]ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
[宣伝]ドラゴンキッカー
[コネクティング・ホラー:the phone PG-12]
昨年の夏に公開され、ハリウッド映画を含むあらゆるホラー・ムービーの中で韓国史上最高の興行収入を記録した驚異の大ヒット作。出演は「リメンバー・ミー」のハ・ジウォン、TVドラマで活躍するキム・ユミ、チェ・ウジェ、チョ・ジヨン、ウン・ソウ。監督は、韓国のホラー・ムービーの鬼才アン・ビョンギ。
若手ジャーナリストのジウォンは、援助交際に関する記事のせいで脅迫電話に悩まされていた。親友のホジュンは彼女の身を案じて、別宅を隠れ家に提供して携帯の番号を変えるように勧める。だが、新しい携帯番号は呪われていた。たまたま携帯電話に出てしまったホジュンの娘ヨンジュは、突如悪魔が憑依したかのように豹変してしまう。ジウォンは携帯番号を以前に使っていた人達を探ると、3人居たことが分かる。その内の2人は謎の死を遂げ、もう1人は行方不明になっていた。それはジニという名の女子高生。実はジニの行方不明には、ホジュンが関わっていたのだった。
何故ブエナ ビスタがホラーを?と思った人も多いと思うが、こちらの作品はブエナ ビスタ インターナショナル(コリア)が製作した作品。東京ファンタでの上映が決まり、フィルムが届いたブエ(ジャパ)が、作品を見て配給を決めた。東京ファンタで上映がなければ、G社に渡っていたとか。でもブエナは、試写室で上映を開始してからエレベーターが止まったりと怪現象に悩まされて御祓いしたそう。作品は韓国ホラー・ムービーの鬼才だけあり、メチャコワ。かなり中田監督に影響されているようだが、見終わった後は「呪怨」と同じぐらいグッタリする。なかでも子役の演技はスゴスギ。いつも思うんだが、韓国の女性は立場を追い込まれても、何故ああも強いんだろう。
オフィシャルサイト: http://www.movies.co.jp/voice/
アジア, 映画レビュー
カテゴリー: アジア | 映画レビュー
2003年4月28日 by p-movie.com