ハウルの動く城

ふたりが暮らした動く城 ★★★☆☆
[04/日]1h59 11月20日より日比谷映画ほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー

[製作]スタジオジブリ
[原作]ダイアナ・ウィーン・ジョーンズ「魔法使いハウルと火の悪魔」(徳間書店刊)
[監督]宮崎 駿
[脚本]宮崎 駿
[声出演]倍賞千恵子 木村拓哉 美輪明宏 我修院達也 神木隆之介 大泉洋 加藤治子
[配給]東宝
[宣伝]メイジャー

[HOWL'S MOVINGCASTLE]
「千と千尋の神隠し」から3年ぶり、宮崎 駿監督の作品はイギリスの児童文学作家ダイアナ・ウィーン・ジョーンズ原作の「魔法使いハウルと火の悪魔」。今年の9月に開催されたベネチア国際映画祭にてオゼッラ賞を受賞。

舞台は、19世紀末の欧州の近未来画家たちが思い描いた、魔法と科学が混在する世界。ある日、18歳の少女ソフィーは荒地の魔女に呪いをかけられ、90歳の老婆になってしまう!そんな彼女の前に現れたのが、魔法使いのハウル。ふたりは、ハウルの居城で奇妙な共同生活を始めるが、その巨大な城は、なんと4本の足で歩き、人々が恐れおののく「動く城」だった。

ソフィーと魔法使いハウルの戦火の恋を通して、生きる楽しさや愛する喜びを描く物語。今回は余計な予備知識なく素直に見て欲しいそうで、宣伝活動は内容の詳細や解説等をしていないそう。それにしては、物語は唐突に始まり、唐突に終わるという、細かい説明なしに突っ走っていたように感じるので、解説が欲しい。宮崎監督は、自分自身でも物語は把握していないと不思議なコメントを残しているし。どうも「天空の城ラピュタ」と「魔女の宅急便」に、「千と千尋の神隠し」の脇キャラをまぶしたような作品で、新鮮味がなく、いつもの見終わった後の満足感は物足りない。もう一つ位、エピソードが欲しいところ。

オフィシャルサイト:http://www.howl-movie.com/

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カテゴリー: 日本 | 映画レビュー

2004年11月22日 by p-movie.com

コニー&カーラ

キラキラしてる? ★★★☆☆
[04/米]1h38 11月13日より日比谷スカラ座2ほか全国東宝洋画系にてロードショー

[製作]トム・ハンクス リタ・ウィルソン ニア・ヴァルダロス
[監督]マイケル・レンベック
[脚本]ニア・ヴァルダロス
[出演]ニア・ヴァルダロス トニ・コレット デヴィット・ドゥカヴニー デビー・レイノルズ
[配給]ユナイテッド・インターナショナルピクチャーズ ファー・イースト
[宣伝]キャシディ

[CONNIE AND CARLA]
「マイ・ビッグ・ファット・ウエディング」で、製作会社を設立したトム・ハンクス&リタ・ウィルソン夫婦の第2弾作品は、又もやニア・ヴァルダロス脚本&出演作品。今回は、「シックス・センス」の母親役トニ・コレットと、女性なのにドラッグクィーンになりすます唄あり踊りありのコメディー。ほかの出演は「Xファイル」のデヴィット・ドゥカヴニー、「雨に唄えば」のデビー・レイノルズが本人役で登場。監督は「サンタクロース・リターンズ クリスマス危機一髪」のマイケル・レンベック。

コニーとカーラは幼馴染みの2人組。スターになる夢を捨てきれず、さびれた空港のラウンジでパフォーマンスをする毎日。しかし、そんな彼女達がひょんなことから殺人現場を目撃してしまう。犯人から追われ、ロサンゼルスのナイトクラブでドラッグ・クィーンになりす。だがこれが大うけ。好きな歌が唄え、有名になることは2人の夢だった。たとえ、ちょっとしたウソがあったにしても、誰が気にするだろう?しかし、そこに犯人が現れた…。

ミュージカルの代表曲が多く使われ、素晴らしい音楽と共に女性の夢や希望、そして愛を描いた作品。男が女性になりすます「トッツィー」「ミセス・ダウト」や、女が男性になりすます「愛のイエントル」、白人が黒人になりすます「ミスター・ソウルマン」、黒人が白人になりすます「チャンス!」など、この手の作品は今までにも沢山製作されているが、この作品はナイトクラブでのパフォーマンスシーンが多く、ミュージカル映画ファンにも満足の作品。いつも幸の薄い役が多いトニ・コレットだが、今回も相変らず愛には恵まれない役。

オフィシャルサイト:http://www.uipjapan.com/connie-carla/

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2004年11月15日 by p-movie.com

血と骨

血は母より、骨は父より受け継ぐ ★★★★☆
[04/日]2h24 11月6日より丸の内プラゼールほか全国松竹・東急系にてロードショー

[原作]梁石日「血と骨」幻冬舎文庫刊
[監督]崔 洋一
[脚本]崔 洋一 鄭義信
[出演]ビートたけし 新井浩文 田畑智子 オダギリジョー 松重豊 中村優子 唯野未歩子 濱田マリ 柏原収史 塩見三省 北村一輝 國村隼 鈴木京香
[配給]松竹 ザナドゥー
[宣伝]P2

「家族シネマ」で、父親役を演じた梁石日原作の同名小説の映画化。「月はどっちに出ている」と同じく「刑務所の中で」「クイ-ル」の崔 洋一が監督。監督の指名で「御法度」のビートたけしが主演。梁氏の父親を演じる。梁役に「ラブドガン」の新井浩文、姉役に「隠し剣、鬼の爪」の田畑智子、母親役に「ゼブラ-マン」の鈴木京香、ほか「パッチギ」のオダギリジョー、「レディ・ジョーカー」の松重豊、「オーバー・ドライヴ」の柏原収史、「ゴジラ ファイナル ウォーズ」の北村一輝。

1923年。一旗揚げることを夢見て祖国を後にし、済州島から大阪に渡ってきた金俊平。しかしそこで彼を待ちうけていたのは、差別と劣悪な労働条件だった。腕のいい蒲鉾職人でもあった俊平は、やがて自分の蒲鉾工場を立ち上げて成功するが、金銭へのあくなき執着から高利貸しへと転じていく。何度も直面するままならない境遇を、そのつど強靭な肉体と持ち前のずる賢さでたくましく生き抜く俊平だったが、その並外れた凶暴さと強欲さが、周囲の人々を不幸に陥れる。生涯誰にも心を開かず、凄まじいまでに孤独に生きた男が本当に望んだものは、何よりも家族という名の“血の絆”だった。

在日一世として生きた父親と息子の視点から語りつつ、激動の時代を生きた朝鮮移民の家族の姿を壮絶に描き出した力作。特に、暴力で親子の絆を表現していくのは圧巻。戦中~戦後を生きた人々の生き様、人間の業、そして“血”の連鎖が、スクリーンから激流となって溢れ出すタイトル通りの骨太作品。来年の賞レースには、必ず引っ掛かって来るだろう。正雄は、この後にタクシー運転手になるのか。

オフィシャルサイト:http://www.chitohone.jp/

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カテゴリー: 日本 | 映画レビュー

2004年11月8日 by p-movie.com

春夏秋冬そして春

季節のどこかに、あなたがいる。 ★★★★☆
[03/独・韓]1h42 10月30日よりほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー

[製作]イ・スンジェ カール・ガウムバルトナー
[監督]キム・ギドク
[脚本]キム・ギドク
[出演]オ・ヨンス キム・ジョンホ ソ・ジェギョン キム・ヨンミン ハ・ヨジン キム・ギドク
[配給]エスピーオー
[宣伝]アニー・プラネット グアバ・グアボ

[Spring, Summer, Fall, Winter… and Spring:韓国公開2003年9月19日]
「悪い女 青い門」(未・ビデオのみ)「魚と寝る女」「悪い男」が、日本で見ることの出来るキム・ギドク監督9作目。ロカルノやサンセバスチャンの映画祭で賞を受賞し、全米でもミニ・シアターでロングランした優美にしてシンプルな作品。

深い山間の湖に浮かぶ小さな庵。穏やかに年月を過ごす幼子と彼を見守る老僧が二人で暮らしている。無邪気な子供(春)が成長し、少年(夏)から青年(秋)、中年そして壮年期(冬)へといたる波瀾に富んだ人生の旅程が、水上の庵の美しい季節のなかに描かれる。

いつも低予算で、常連キャストもいず、信じられない短い期間で撮影してしまい、驚くべきペースで次々と製作していきながら、海外の映画祭で賞を獲得するキム・ギドク監督。今回は湖に浮かぶ寺をを製作しながら約1億円で押さえ、撮影期間は1年間掛かっているが、その間に「コースト・ガード」 (来年上映予定)を仕上げていて、撮影日数も普段と変わらず短い。監督の作品は描写が過激なものが多い中で、この作品は殆んどない芸術的な作品。女性も安心して見れる。ラストの壮年期に予定していた役者が髪を短くするのを嫌がり降板した為、監督自らが演じている珍しい作品でもある。ちなみに監督の「受取人不明」「サマリア」「空き家」も来年日本で見れる。

オフィシャルサイト:http://www.kimki-duk.jp/

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2004年11月1日 by p-movie.com

2046

5年ぶりの沈黙を破り遂に完成 ★★★☆☆
[04/香港]2h10 10月23日より日劇3ほか全国東宝洋画系にてロードショー

[製作]ウォン・カーウァイ
[監督]ウォン・カーウァイ
[脚本]ウォン・カーウァイ
[撮影]クリストファー・ドイル
[出演]トニー・レオン 木村拓哉 コン・リー フェイ・ウォン チャン・ツィイー カリーナ・ラウ チャン・チェン ドン・ジェ マギー・チャン
[配給]ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
[宣伝]メイジャー

ウォン・カーウァイ監督が「花様年華」と同じ頃から撮影をスタートさせた姉妹篇が、 5年ぶりの沈黙を破り遂に完成。出演は「インファナル・アフェア」のトニー・レオン、「ハウルの動く城」の木村拓哉、「たまゆらの女」のコン・リー、「恋する惑星」のフェイ・ウォン、「LOVERS」のチャン・ツィイー、「インファナル・アフェア 無間序曲」のカリーナ・ラウ、「グリーン・デスティニー」のチャン・チェン、「最後の恋,初めての恋」のドン・ジェ、「HERO」のマギー・チャン。
 
1967年・香港。ひとりの《男》が、近未来小説を書いている。タイトルは、「2046」。小説の中の登場人物たちは、《2046》という謎の場所を目指し、ミステリートレインに乗り込む。この列車の客室乗務員は、美しい女の姿をしたアンドロイドだ。《2046》に行けば、“失われた愛”を見つけることができる。そこを目指す人々は、そう信じていた。だが、それが真実なのかどうか、誰も知らない。なぜなら、《2046》から帰ってきた者はいないから。ただひとりの《男》を除いて。いま、《男》は再び《2046》に向う列車の中にいた。誰にも言えない秘密を抱えて。果たして、彼の目的とは?そして、その旅の果てで彼を待ち受ける運命とは・・・?

「花様年華」と同じ役で、トニー・レオンは登場。マギー・チャンは、回想シーンでの特別出演。「花様年華」では2046号室に泊まっていたが、今回は2047号室に泊まっている。その隣には、日本語を一生懸命練習するフェイ・ウォンが泊まっていて、その恋人役に木村拓哉。今回のトニー・レオンは、かなりのプレイボーイで、その相手役がチャン・ツィイー&コン・リー。物語は、1960年代の香港とトニーが書いている近未来小説「2046」の実写の2部構成。フェイ・ウォン&木村拓哉は、一人二役で、アンドロイド&殺し屋を演じている。ウォン・カーウァイ監督作品「欲望の翼」のラストで、突如トニー・レオンが登場して鏡の前で髪を梳かして去るシーンで終わると言う不思議なエンディングだったが、今回同じシーンが登場する。と言う事は、もしかすると・・・。

オフィシャルサイト:http://www.2046.jp/

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カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2004年10月25日 by p-movie.com