花様年華

メチャレトロな恋愛劇 ★★★★☆
[00/香港] 1h38 3月31日Bukamuraル・シネマ&銀座テアトルシネマにて公開

監督:ウォン・カーウァイ
製作:ウォン・カーウァイ
脚本:ウォン・カーウァイ
撮影:クリストファー・ドイル リー・ピンピン
出演:トニー・レオン マギー・チェン
配給:松 竹
宣伝:メディア・スーツ/スローラーナー

2000 年のカンヌ映画祭に国際的な俳優達がキャストされた「2046」が間に合わなかったウォン・カーウァイが急遽撮影を切り上げて出品した作品。といっても「欲望の翼」までの中途半端まではない。トニー・レオンはこの出品により最優秀男優賞を獲得、まさにタナボタだった。共演は「ラヴソング」「ひとめ惚れ」のマギー・チェン。

1962年の香港、新聞社に勤める編集長チョウと商社で秘書と働くリーゼンは偶然にも同じアパートの隣室へ同じに日に引っ越してきた。と思いきや実はこれはチョウによって慎重に仕組まれたものだった。最初は甘く復讐心に満ちていたはずの小さな秘密は次第に引き返せなくなってしまう。それはなんとも皮肉な運命だった。

毎回、色調を大切にするカーウァイの選んだ色は赤。主人公2人の匂いたつような情感をレトロな恋愛劇のみに徹底して出きるだけセリフを排除した演出になっている。今回の作品はカーウァイの新たな方向性を示したものと言われているが、これはコンビを組んでいるカメラのドイルの映像にも見える。あのスタイリッシュと言われていた動きの強い映像を得意としているドイルに、こんな映像が撮れるとは驚きでした。

ぜひ、ご自分の眼で確かめて下さい。今回はこの映像に☆1つプラスです。そうそう劇中のトニー・レオンが泊まっていたホテルの部屋が「2046」号室でした。ウォン・カーウァイもたまにはお茶目なことをしますね。


カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2001年4月2日 by p-movie.com