バンク・ジョブ

70年代の幕開けと同時に、アイルランド紛争激化という騒然とした世の中を迎えた
ロンドンで英国全土を揺るがす大事件が発生する。実際に起きた事件を映画化し、
王室スキャンダルまでもが世に出てしまうという前代未聞の作品。
実話を基に描かれてるだけに90パーセントが事実(!?)という驚くべき情報を
目の当たりに出来る作品である。

 
081202_bankjob_main.jpgロンドンのベイカー・ストリートにある銀行の地下に強盗団が侵入、貸金庫内の
現金や宝石などを強奪し、行方をくらました。英国全土へ数日間トップニュースとして
報じられた後、突如としてその報道は打ち切られたのである。
その裏に英国政府の秘密が隠されていたのである。

おもしろおかしく描くなら「オーシャンズ11」のようにプロの強盗団の手口を描くほうが
観ていて楽しくて笑えるだろう。だが本作は実話をベースに描かれてる為、
プロの強盗団じゃない。普通の小悪党が7人集まり、地下からトンネルを掘り、
銀行の貸金庫まで到達できて普通に金品を強奪し逃げた…
というだけで終わるハズだったのに盗んだモノの中身が良くなかった。
もともと銀行の貸金庫を狙って金品強奪を誘って来たのは、
中古車屋のテリー(ジェイソン・ステイサム)の昔馴染みの女性マルティーヌ。
悪い話でもないと話に乗って、友人のカメラマンのケヴィンや映画のエキストラを
やっているデイヴや詐欺師のガイ、掘削の専門家バンバスを仲間に入れて
実行することとなる。

前半から、テリー演じるジェイソン・ステイサムの綿密でもない計画と当時の
ありふれたやり方に納得しつつ、そんなに簡単に?!ってほど事は進む。
だが次第にマルティーヌが抱えている裏の真相、そしてそんな裏の政府の手を
知ってしまう強盗団の7人の命に関わってくる問題が次から次へと発生するのである。
どこから片付けたら良いものやら?
とまで色々な”裏”世界から狙われてしまうのが心臓に悪い。
小悪党だけに一発逆転のチャンスには、かなり厳しい状況に巻き込まれてしまう。
そんな状況をリアルに描かれた本作は恐ろしい世界を垣間見てしまったかのようで
国家とは怖い”裏”を抱えてると改めて知ることになるのかもしれない。

映画「バンク・ジョブ」オフィシャルサイト
http://www.bankjob.jp/
奪ったブツは、
キャッシュとダイヤと王室スキャンダル。
11月22日よりシネマライズ ほか全国順次ロードショー
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【映画ライター】佐藤まゆみ

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カテゴリー: ヨーロッパ | 映画レビュー

2008年12月2日 by p-movie.com