女はみんな生きている
先の読めない痛快人生ロマン ★★★★☆
[01/仏]1h52 11月15日よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー
[製作]アラン・サルド
[監督]コリーヌ・セロー
[脚本]コリーヌ・セロー
[出演]ヴァンサン・ランドン カトリーヌ・フロ ラシダ・ブラクニリーヌ・ルノー オレリアン・ヴィイク
[配給]アスミック・エース
[宣伝]アスミック・エース
[抱腹絶倒の感動アクション:Chaos 全仏公開2001年10月3日]
ある夜、あなたは夫(彼氏)と車を走らせていると、いかにも怪しげな男達に追われて車の前に飛び出してくる女性の姿が…。巻き込まれたくない夫(彼氏)は、助ける気配なし。見ず知らずの人とはいえ、目の前でボコボコにされている女性を見て、あなたならどうしますか? 「スリーメン&ベイビー」のオリジナル作品「赤ちゃんに乾杯!」の女性監督コリーヌ・セローによる、平凡な主婦と謎の娼婦が繰り広げる笑いあり涙ありの痛快人生ロマン。フランスではロングランを記録し、こちらもハリウッドでリメイクの噂が囁かれているサスペンス・コメディー。
平凡な主婦エレーヌは、自分勝手な夫や息子の男どもに振り回されっぱなし。ある夜、瀕死の女性を助けられなかった事が頭を離れないエレーヌは病院を突き止め、家庭も仕事も棄てて彼女の介護を始める。彼女は娼婦のノエミで、病院には組織の男達が相変らずうろついている。そして意識を回復したノエミと病院から逃げだすエレーヌ。彼女は、いつしか自分自身が救われている事に気が付くのだった。ノエミが驚くべき生い立ちを告白する。そして女たちは苦しめる男どもと決着をつける為、とんでもない反逆を始める。
女性であるという理由だけで家事全般を押し付けられるというのは、どうやら万国共通らしい。家庭や家族に生活を縛られているあなた、この作品を観てリフレッシュして下さい。2001年公開のフランス映画は、「リード・マイ・リップス」といい面白い作品が多い。なんで公開が遅いの?
オフィシャルサイト:http://onna-minna.jp/
ヨーロッパ, 映画レビュー
東京ゴッドファーザーズ
クリスマス・ミラクル物語 ★★★★☆
[03/日]1h30 11月8日よりシネセゾン渋谷にてロードショー
[製作]豊田智紀
[監督]今 敏
[脚本]信本敬子 今敏
[声出演]江守徹 梅垣義明 岡本綾 石丸博也 こおろぎさとみ 柴田理恵 犬山犬子
[配給]ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
[宣伝]ビー・ウイング
「パーフェクトブルー」「千年女優」の今 敏監督の新作が、早くも登場。今回も全米での公開が決定。批評家の評判も良く、アカデミー長編アニメ部門へのノミネートも噂されている。声の出演は「さよなら銀河鉄道999」の江守徹、「巌流島」の梅垣義明、「スカイハイ 劇場版」の岡本綾。脚本は「カウボーイビバップ」「白線流し」の信本敬子。
白い雪に染まりいくクリスマスの東京の街。新宿の街の片隅に、威勢よく生きているホームレスたちがいた。元競輪選手のギンちゃん、元ドラッグクイーンのハナちゃん、そして家出少女のミユキの3人組である。聖なる夜に、運命の出会いは訪れた。ゴミ袋の山の中から、大きな声が聞こえてくる。そこには天使のような赤ん坊がいた。ギンちゃんは捨て子だから警察に行けとわめくが、ずっと赤ん坊が欲しかったハナちゃんは”清子”と名前も勝手に決めてしまった。かくして3人の奇妙な名付け親 “ゴッドファーザーズ” は、捨て子の「親探し」を始めることになった。
昨年に「千年女優」が公開されたばかりなのに、早くも新作が登場。赤ん坊の親探しの旅が、徐々に三人のホームレスが家族との再会への旅へとなる展開が面白い。最初は別にアニメじゃなくて実写でも出来そうな設定だが、徐々に物語はエスカレート。後半の叩き込むようなシーンは、アニメでないと不可能でした。「千年女優」は、普段あまりアニメ見ない方に見て欲しかったが、この作品は性別年代問わず誰でも楽しめる作品。
オフィシャルサイト:http://www.spe.co.jp/movie/worldcinema/tgf/
アメリカ, 日本, 映画レビュー
マトリックス・レボリューションズ
救世主の旅、終了 ★★★☆☆
[03/米]2h09 11月5日より丸の内ルーブル&プラゼ-ルほか全国松竹・東急系にて全国ロードショー
[製作]ジョエル・シルバー
[監督]アンディ&ラリー・ウォシャウスキー兄弟
[脚本]アンディ&ラリー・ウォシャウスキー兄弟
[出演]キアヌ・リーヴス キャリー=アンモス ロレンス・フィッシュバーン ヒューゴ・ウィービング ジャダ・ピンケット・スミス モニカ・ベルッチ コリン・チャウ メアリー・アリス
[配給]ワーナーブラザース
[宣伝]レオ・エンタープライズ
[シリーズ最終章:THE MATRIX REVOLUTIONS 全米公開2003年11月5日]
革新的な映像テクノロジーを駆使した、壮大な一大叙事詩も遂にシリーズ完結。世界中の50を越える都市で、11月5日に全世界同時公開が決定。日本では23時からって、ただの映画館泣かせだな。
マトリックスとマシン世界の間にある無人地帯に取り残されたネオは、トリニティー、モーフィアス、ゴーストに救出される。一方、マシンにさえ制御不能となったスミスは、今や現実世界とマトリックスもろともマシン帝国をも破壊しようとする脅威となっていた。そんな中、予言者のオラクルはネオに最後の導きの言葉を告げる。ネオは、彼女がプログラムのひとつであり、その言葉はマトリックスの壮大な計画における虚偽の 1つかもしれないと知りながらも、彼女の導きを受け入れる。ナイオビの助けを得て、ネオとトリニティーは人類がいまだかつて挑んだことのない領域まで入ることを決意。それは焦土と化した地上から恐るべきマシン・シティの心臓部へ入り込む危険極まりない旅だった。この機械化された広大な都市で、ネオはマシン世界の究極のパワー、デウス・エクス・マキナと対峙し、滅びゆくザイオンにとって最後の望みである取引を申し出る。ネオの運命と2つの文明(マシンと人類)の未来はネオとスミスの最後の対決にすべて委ねられた。
今までの作品がなんだったの?と、思ってしまうぐらい分かりやすい展開。現実世界にやって来たセンティネルズ(お馴染みのクラゲのようなマシン)と、ザイオンの勇敢な市民との戦いがメインで、2作目から登場したジーやキッドなどの活躍が目立つ。お馴染みのメンバー活躍は少なく、これが本当に最後なのと思ってしまう。このシーンだけに「1」の総製作費に匹敵するぐらい掛かっているなら、せめてインパクトある親玉やツインズのような悪キャラを出して欲しかった(映像は「ターミネーター」「エイリアン2」「スタシップ・トゥルーパーズ」を思い出す)。クライマックスは、「リローデッド」の予告にもあったネオとスミス最終決着だが、これも今までのような驚く映像仕掛けはなく、全く乗れず(ちょっと「火山高」を思い出してしまった)。
オフィシャルサイト:http://whatisthematrix.warnerbros.com/japan/
アメリカ, 映画レビュー
キル・ビル Vol,1
タランちゃんの趣味の世界へ ★★★★☆
[03/米]1h53 10月25日より丸の内ピカデリー1ほか全国松竹・東急系にて全国ロードショー
[製作]ローレンス・ベンダー
[監督]クエンティン・タランティーノ
[脚本]クエンティン・タランティーノ
[出演]ユマ・サーマン ルーシー・リュー ソニー・千葉 栗山千明 ダリル・ハンナ
[共同配給]ギャガ・ヒューマックス
[宣伝]ギャガ・コミュニケーションズ
[壮絶復讐アクション:Kill Bill 全米公開2003年10月10日 【R-15】]
映画オタクのタランティーノ6年振りの新作は、3時間超の内容から突然の2部作公開になった壮絶な復讐劇。日米中を跨いだ長期ロケに、チャンバラ、カンフー、ウエスタンにアニメを融合したタランちゃんの趣味ゴッタ煮ムービー。出演は「パルプ・フィクション」のユマ・サーマン、「バリスティック」のルーシー・リュー、「風雲 ストームライダーズ」のソニー・千葉、「バトル・ロワイヤル」の栗山千明、「ウォーク・トゥ・リメンバー」のダリル・ハンナ。ほかに日本からは、國村隼、北村一輝、麿赤兒、菅田俊、風祭ゆき、佐藤佐吉、田中要次、大場健二。
ひとりの女が長い眠りから目覚める。彼女は、自分の結婚式の最中に、かつて所属していた毒ヘビ暗殺団の襲撃を受け、夫やお腹の子を殺されたのだ。4年後に奇跡的に回復した彼女に残されたのは、暗殺団とそのボスのビルへの復讐の二文字だけ。まずは沖縄にいる伝説の刀鍛冶だった服部半蔵を訪ね、名刀を譲り受ける。暗殺団のメンバーは5名。その名を記したリストを手に、女刺客の復讐の旅が始まった。まずは、東京にいるヤクザのオーレン・イシイの元へ。
遂にタランティーノがやった。冒頭の深作欣二に捧ぐと出てから始まる壮絶な復讐の旅の前半戦は、怒涛の日本編。監督は、ちゃんとした日本を描きたいと言っているが、そこは不思議な國・にっぽんが一杯。何でも取り入れてしまう監督だけに、元ネタも沢山。果たしてあなたはいくつ分かるだろうか? ラストのユマとルーシーの千葉真一自己身の刀対決での日本語啖呵シーンには涙が出るほど笑った。こういう自分の趣味作品を作れてしまうれてしまうタランティーノは、恵まれている。こんな珍品は二度と見れないだろう。Vol, 2の全米公開は2月、日本はGWの予定。「キル・ビル」軍団の記者会見も掲載中。
オフィシャルサイト:http://www.killbill.jp/
アメリカ, 映画レビュー
ほえる犬は噛まない
ユーモアたっぷり新感覚ムービー ★★★★☆
[00/韓]1h50 10月18日よりユーロスペースにてロードショー
[製作]チョ・ミンファン
[監督]ポン・ジュノ
[脚本]ポン・ジュノ ソン・テウン ソン・ジホ
[出演]ペ・ドゥナ イ・ソンジェ
[配給]ファイヤークラッカー
[宣伝]グアバ・グアポ
[HOTするキュートなムービー:Barking Dogs Never Bite 同床異夢]
数々の映画祭で上映され大反響を巻き起こし、遂に一般公開が決まった韓国から届いたユーモアたっぷりでちょっと変わった新感覚ムービー。監督は今年新作の「殺人の追憶 (原題)」(来年公開)が、大ヒットで社会現象を巻き起こしたポン・ジュノ。出演は秋の東京国際映画祭の”アジアの風”で上映される「リング」の韓国版リメイク「リング・ウィルス」で貞子に当たる役を演じたペ・ドゥナと「美術館の隣の動物園」「エンジェル・スノー」のイ・ソンジェ。タイトルはことわざで、意味は”口やかましい者ほど、実行が伴わない”。韓国のタイトルは「フランダースの犬」。
フリーターのような生活をしているヒョンナムは、中流家庭の住む閑静なマンションの管理事務所で経理をしている。いつもはゆる~い日々を過ごしているヒョンナムだが、飼ってはいけない子犬失踪事件が発生したことから、日頃忘れていた小さな正義感に火がついた。行方不明犬のビラを街中に貼るが、失踪犬は後を絶たない。ヒョンナムの非力さと天然ぶりを心配する親友の警告も耳に入らず、犯人を捕まえて市民栄誉賞を取ってテレビ出演するためにムダの多い失踪が始まる。
予測できない展開が次々と巻き起こり、コミックのようなトボケタ登場人物が絶妙に笑える。さあー、日頃ゆる~い日々を過ごしているそこのあなた、ヒョンナムを応援しに行こう!
オフィシャルサイト:http://www.hoeruinu.com/
アジア, 映画レビュー
カテゴリー: アジア | 映画レビュー
2003年10月18日 by p-movie.com