ビッグ・フィッシュ
そして、幸せだけが残っていった ★★★★☆
[03/米]2h05 5月15日より日比谷スカラ座1ほか全国東宝洋画系にて全国ロードショー
[製作]リチャード・D・ザナック/ブルース・コーエン/ダン・ジンクス
[原作]ダニエル・ウォレス「ビッグ・フィッシュ 父と息子のものがたり」(河出書房新社刊)
[監督]ティム・バートン
[脚色]ジョン・オーガストン
[出演]ユアン・マクレガー アルバート・フィニー ビリー・クラダップ ヘレナ・ボナム=カーター
[配給]ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
[宣伝]オフィス・エイト
[BIG FISH 全米公開2004年1月9日]
1998年に米国で発行されて以来、人々に愛されて映画化を待ち望まれていたベストセラーを、遂にティム・バートン監督がメガホンをとったファンタジー。出演は「ムーラン・ルージュ」のユアン・マクレガー、「エリン・ブロコビッチ」のアルバート・フィニー、「あの頃ペニー・レインと」のビリー・クラダップ 、「猿の惑星」のヘレナ・ボナム=カーター、「ブルー・スカイ」のジェシカ・ラング、「アルマゲドン」のスティーブ・ブシェミ、「レインメーカー」のダニー・デビート、「マッチスティック・メン」のアリソン・ローマン。
エドワード・ブルームは、彼が語るお伽話で有名になった人物。未来を予見する魔女のこと、一緒に旅をした巨人のこと、人を襲う森とその先にある美しい町のこと。彼が語る「人生のストーリー」に、誰もが楽しく、しあわせな気分になった。たった一人、息子のウィルを除いて。ジャーナリストとして活躍するウィルは、出産間近の妻、ジョセフィーンと共にパリで暮らしている。ウィルの結婚式の夜、父と息子は激しく口論した。祝宴で”息子が産まれた日に釣った巨大魚”の物語を話すエドワード。注目を集める父に、今夜の主役はエドワードではないと訴えるウィル。それ以来3年もの間、母親のサンドラを通じての、間接的な交流しか持たなくなっていた。そんなある日、サンドラから電話で、患っていた父の容態が悪化したことを知らされる。残された時間は、あとわずか。ウィルは妻と一緒に故郷へと向かう。
現在公開中の「みなさん、さようなら」と同じ設定だが、さすがティム・バートンらしくファンタジーのオンパレード。不思議なキャラクターも多数登場し、楽しいお伽噺。だが、いつもと違うのは、この作品は父と子の感動作でもあること。CMでは桃井かおりさんがコメントしているが、女性よりも男性に見て欲しい作品。
オフィシャルサイト:http://www.sonypictures.jp/movies/bigfish/
アメリカ, 映画レビュー
死に花
もうひと花ふた花ボクらの花を咲かせましょう ★★★★☆
[04/日]2h00 5月8日より丸の内東映ほかにて全国公開
[製作]横溝重雄 大里洋吉 早河洋
[原作]太田蘭三(角川書店刊)
[監督]犬童一心
[脚本]小林弘利 犬童一心
[出演]山崎努 青島幸男 谷啓 宇津井健 長門勇 松原智恵子 星野真理 藤岡琢也 森繁久彌
[配給]東映(株)
[宣伝]東映(株)映画宣伝部
平均年齢73歳の日本を代表する名優を集めた、心を再生させる感動のエンタテインメント。出演は「世界の中心で、愛をさけぶ」の山崎努、「明日があるさ THEMOVIE」の青島幸男、「釣りバカ日誌」シリーズの谷啓、「シベリア超特急3」の宇津井健、「かっ鳶五郎」の長門勇、「おにぎり」の松原智恵子、「虹をつかむ男 南国奮斗編」の星野真理、「極道の妻たち」の藤岡琢也、「新サラリーマン専科」の森繁久彌。監督は「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心。
東京郊外の瀟洒な老人ホームで悠々自適の日々を送る老人達に、ある日突然に仲間の死が訪れた。亡き友の遺した「死に花」というタイトルのノートには穴を掘りまくって銀行から17億を強奪するという衝撃的な計画が記されていた!しかもその標的は、責任を押し付けられ理不尽なリストラにあった事に無念を抱く、伊能の勤めていた銀行である。練りに練られた大胆不敵な計画に盛り上がる一同。しかし、突き進む5人の前には、驚愕の展開が待ち受けていた。そして亡き友の計画に隠された”真の目的”は別にあった。
作品は17億円の強奪計画がメインになっているが、その前にきっかけとなる「死に花」計画の立案者の自身がプロデュースした葬式と、その後の火葬場で起こったエピソードの方が印象に残った。これが究極の愛でしょう。メインの強奪計画も予測不可能な展開。これ、海外で上映されても受けそう。
オフィシャルサイト:http://shinibana.jp/
日本, 映画レビュー
カテゴリー: 日本 | 映画レビュー
2004年5月10日 by p-movie.com
フォーチュン・クッキー
母と娘が入れ替わった!! ★★★☆☆
[03/米]1h37 5月1日より新宿東急ほか全国松竹・東急系にて全国ロードショー
[製作]アンドリュー・ガン
[監督]マーク・ウォーターズ
[原作]メアリー・ロジャース
[脚本]ヘザー・ハッチ レスリー・ディクソン
[出演]ジェイミー・リー・カーティス リンゼイ・ローハン マーク・ハーモン ハロルド・グールド
[配給]ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
[宣伝]リベロ
[Freaky Friday 全米公開2003年8月6日]
日本未公開だが、1976年にジョディ・フォスターが出演した母娘入れ替わりコメディーのリメイク作品。出演は「テイラー・オブ・パナマ」のジェイミー・リー・カーティス、「ファミリー・ゲーム 双子の天使」のリンゼイ・ローハン、「ワイアット・アープ」のマーク・ハーモン、「パッチ・アダムス」のハロルド・グールド。監督はインディーズ系の作品を撮っていて、これがメジャー作デビューのマーク・ウォーターズ。制作はウォルト・ディズニー・ピクチャーズ。
仕事も恋も完璧な精神科医の母親テスと、ロックバンドに夢中な15歳の娘アンナ。相手の気持ちが理解できないばかりに、顔をあわせれば衝突ばかりの二人。ある日いつもより激しい言い争いをした二人は、不思議な《フォーチュン・クッキー》のいたずらでお互いの身体が入れ替わってしまうことに。再婚を控えているテスに代わったアンナ、高校生に逆戻りしたテスの奮闘が始まる。
正月に公開された「あたしんち」も、同じネタ。この作品に影響されたのは間違いない。「転校生」や「山田ババアに花束を」と入れ替わりコメディーは、今までにもあったけど。どうして親子ものが作られなかったのか不思議なくらい面白い出来。特にカルチャーギャップとなる、言葉遣いやファッションネタが笑える。エンディングで、シリーズ化かと思われたけど実らず残念。それにしてもマーク・ハーモンは、老けたなー。
オフィシャルサイト:http://www.disney.co.jp/movies/fortune/
アメリカ, 映画レビュー
コールド マウンテン【R-15】
21世紀の「風と共に去りぬ」
オススメ度:★★★★☆
2003年/イギリス・イタリア・ルーマニア合作/カラー/155分
<INTRODUCTION&STORY>
ベストセラーとなったチャールズ・フレイジャーの壮大な小説を「イングリッシュ・ペイシェント」のアンソニー・ミンゲラ監督が映画化した至高のラブストーリー。出演は「ロード・トゥ・パーディション」のジュード・ロウ、「ドッグヴィル」のニコール・キッドマン、「恋は邪魔者」のレニー・ゼルウィガー、「スペース・カウボーイ」のドナルド・サザーランド、「25時」のフィリップ・シーモア・ホフマン、「ロスト・イン・トランスレーション」のジョヴァンニ・リビシ、「スター・ウォーズ エピ1&2」のナタリー・ポートマン。
南北戦争末期の1864年。南軍兵士としてヴァージニア州の戦場に送られたインマンは、ゲリラ戦に出撃を命じられた結果、瀕死の重傷を負って病院に収容される。回復を待つ間、彼の脳裏に浮かぶのは、3年前に離れた故郷コールドマウンテンの懐かしい情景。そして、出征前にただ一度だけ口づけを交わした恋人エイダの面影だった。この世に1つだけ確かなものがあるとしたら、それは彼女への愛をおいて他にない。その想いに駆り立てられたインマンは、脱走兵として死罪に問われるのを覚悟で、故郷への道を歩み出す。一方、その間に父を亡くす不幸に見舞われたエイダは、生活の手段を失い、窮地に立たされていた。明日の食べ物にも事欠く苦境の中、インマンとの再会だけを心の支えに生きるエイダ。そんな彼女に、救いの手をさしのべる流れ者の女ルビー。彼女の指導を受け、辺境の地で生き抜く術を身につけていくエイダ。そして遂に、エイダの元へ、インマンが帰り着く日がやって来る。
<REVIEW>
戦争とラブストーリーという昔から沢山ある物語を、豪快に描いた超大作。戦争シーンは、CGをふんだんに使い、爆弾で地面が盛り上がったり、爆風で服が吹き飛んだりと迫力あり。忘れがちな戦争で待っている女性側のエピソードも満載。これが、レニー・ゼルウィガーにアカデミー助演女優賞を獲得させた。制作したミラマックス社は、アカデミー賞となると映画並に金を掛けて宣伝費を使い捲るのに、この作品が作品賞と監督賞にノミネートされなかったのは、アメリカで撮ると言っていたのに海外で撮影した事により、仕事が無くなって怒ったスタッフ協会が、投票するのを止めようとする運動が起こったからと言われている。
<TRAILER>
YOUTUBE:http://youtu.be/uXGtunJ9Jqk
<CREDIT>
■製作:シドニー・ポラック ウィリアム・ホーバーグ アルバート・バーガー ロン・イェーザー
■原作:チャールズ・フレイジャー(新潮社刊)
■監督:アンソニー・ミンゲラ
■脚本:アンソニー・ミンゲラ
■出演:ニコール・キッドマン ジュード・ロウ レニー・ゼルウィガー ナタリー・ポートマン
■配給:東宝東和
■宣伝:リベロ
■公式ホームページ: -
[04/米][Cold Mountain 全米公開2003年12月26日] 【R-15】
2003年4月24日より日劇3ほか東宝洋画系にて全国ロードショー
ドラマ, ヨーロッパ, 恋愛, 映画レビュー
ロスト・イン・トランスレーション
ソフィアから東京へのラブレター ★★★★☆
[03/米]1h42 4月17日よりシネマライズほか全国順次ロードショー
[製作総指揮]フランシス・フォード・コッポラ フレッド・ルース
[製作]ロス・カッツ ソフィア・コッポラ
[監督]ソフィア・コッポラ
[脚本]ソフィア・コッポラ
[出演]ビル・マーレイ スカーレット・ヨハンソン ジョバンニ・リビシ アンナ・ファリス 田所豊
[配給]東北新社
[宣伝]ファントム・フィルム
[Lost in Translation 全米公開2003年10月3日]
ソフィア・コッポラが自らの来日体験をヒントに、全編東京で撮影した監督第2作。第76回アカデミーオリジナル脚本賞を受賞している。出演は「チャーリーズ・エンジェル」のビル・マーレイ、「真珠の耳飾りの少女」のスカーレット・ヨハンソン、「ヘブン」のジョバンニ・リビシ、「最終絶叫計画」のアンナ・ファリス。
ハリウッド・スターのボブ・ハリスは、ウィスキーのコマーシャルの撮影のため来日する。日本人スタッフから歓待を受けた彼は嬉しさを感じる一方で、慣れない国にいる不安感も覚え始めていた。時差ボケも重なり、ボブは眠れない夜を過ごしていた。同じホテルにフォトグラファーの夫の仕事に同行してきた若妻のシャーロットが滞在していた。仕事に追われる一方の夫となかなか一緒にいることができない彼女は、言い知れぬ孤独と不安にさいなまれていた。仕事に疲れぐっすりと眠る夫の隣りで、シャーロットもまた眠れない夜を過しているのだった。翌朝、エレベーターに乗りあわせたシャーロットと視線を交わしたボブは、彼女のさりげない笑顔に心が救われる想いを感じる。
海外での公開時は日本語のセリフに英語の字幕を出さないで、主演二人の気持ちを体験できるようにしたそうだが、日本人には状況が全て分かってしまうので、二人の戸惑うカルチャー・ギャップコメディーにしか見れない。海外に行って似たような体験をしたことがある人は、感情移入できるだろう。作品のほとんどが、パークハイアット東京。よく来日するスター御用達のホテルで、記者会見を行なうところ。ソフィアも、ココで会見を行なった。内容は、親子ほど離れた男女によるプラトニック・ラヴ。「真珠の耳飾りの少女」もそうだし、スカーレットにはこの路線を続けて欲しい。
オフィシャルサイト:http://www.lit-movie.com/
アメリカ, 映画レビュー