春香伝

韓国伝承のラブ・ストーリー  ★★★★☆
[00/韓] 2h00 12月9日より銀座シネ・ラ・セットにてロードショー

監督:イム・グォンテク
脚本:キム・ミョンゴン
出演:イ・ヒョジョン チョ・スンウ イ・ジョンホン
配給:シネカノン
宣伝:ベイサイド・オフィス

「将軍の息子」シリーズや、「太白山脈」が先頃正式に劇場公開されたイム・グォンテク監督が18世紀から語り継がれてきた恋物語をパンソリと呼ばれる、物語と歌を組み合わせた韓国の伝統芸能によって構成した。「風の丘を越えて 西便制」を見た人ならご存知だと思うが、パンソリとはパン(場)、ソリ(声、音)として表現する伝統の音楽で、日本の民謡や演歌にも通じたもの。物語は何度も舞台化や映画化が繰り返されてきているが、パンソリによって全編が歌い継がれたのは本作が初めて。主演の2人は激戦のオーディションで選ばれた映画初出演となるイ・ヒョジョンとチョ・スンウ。

李朝時代に父の赴任に従って暮らしていた代官の息子である夢龍(スンウ)は、勉学ばかりに嫌気がさして憂さ晴らしに出掛けると、そこで偶然にも春香(ヒョジョン)を見て一目で心を奪われる。彼女は平民の身である自分を正式に妻に迎えてくれる条件で彼を受け入れ、夢龍も念書を書いて心が永遠に変わらぬ事を誓う。しかし、父の昇進に伴い夢龍も付いていくことになり、二人は再会を誓いながら別れた。季節が変わり新しい長官が来た。長官は春香の美しさを聞きつけ、そば仕えを強要するが結婚の約束を結んだ以上はとかたくなに拒むと、長官は反逆罪の濡れぎぬを着せて拷問を加えて投獄してしまう。その頃、夢龍は科挙試験に見事主席で及第してある調査のために乞食に変装して、春香が処刑される日に戻ってくる。

身分の違いを乗り越えて恋を成就させる「ただ一人の相手を愛し抜く」というヒロインに誰もが共感すること間違いなし。どことなく色んな作品が混ざったような内容だけど多分こちらがオリジナルなんだと思うと韓国の文化は美しく素晴らしい。

(気まぐれ飛行船)


カテゴリー: アジア | 映画レビュー

2000年12月11日 by p-movie.com