ジュブナイル

少年の心の夢を持つ大人へ ★★★★☆
[00/日本] 1h45 日劇東宝ほか全国東宝邦画系にて公開

監督・脚本・VFX:山崎 貴
出演:香取慎吾 酒井美紀 鈴木杏 吉岡秀隆 緒川たまき
配給:宣伝:東宝

「学校の怪談」シリーズを一段落させた東宝がフジテレビジョン等と8社で製作した夏休み作品。東宝のお家芸ともいえる特撮をメインにした21世紀に向けた映像ファンタジームービー。VFXとはゴジラ等でお馴染みのスペシャル・エフェクト(SFX=特殊技術)の中の一つであったビジュアル・エフェクト(特殊効果)の略称であり、撮影されたフィルムに2次的な効果を加えること。

2000年の夏、ユースケ、トシヤ、ヒデタカ、ミサキ(杏)は林間学校に来ていた。その夜に強烈な光が走り、何かが空から落下してくる。そこには1体のロボット(テトラ)があり、「テトラ、ユースケニ、アッタ」と日本語を発した。4人はテトラをユースケの家で飼い、テトラはユースケ達の集める金属片で体を改造し出す。その頃巨大な宇宙船がユースケ達が住む町に現れた。そして、ミサキの従妹・範子(酒井)と同じ容姿に異星人は変身して地球の情報を収集するのだった。テトラは体を完成させるとインターネットを接続して知識を増やしたいと言い出すが、4人ともパソコンを持っていないので近所では変人として有名な神崎(香取)の所に行く。実は神崎は数多くの特許を持ち、ゲームの開発も手掛ける天才物理学者でタイムマシンの研究をしていた。そして、どうやらテトラは未来から地球の危機を救うために来たことが分かる。そのことは2020年になって彼らは知るのだった。

この作品は一つのジャンルに収まらず、様々な要素で構成されている。サイエンス・フィクションであり、少年の頃のノスタルジックなメモワールであり、壮大なファンタジーであり、冒険アクションであり、全体的なスケールの大きさを感じられる。通常こういう映画は、監督と特殊技術監督がいるのだが今回は一人で全部やっているので変な違和感がない(演技の撮影をしてからVFXをするので、把握している監督が一人の方がぎこちなさがないので)。山下達郎の唄う「Juvenileのテーマ」も作品の味わいに彩りを加えている。


カテゴリー: 日本 | 映画レビュー

2000年7月24日 by p-movie.com