ジョゼと虎と魚たち

不思議で切ない恋愛映画 ★★★☆☆
[03/日]1h56 12月13日よりシネクイントほか全国順次ロードショー【PG-12】

[原作]田辺聖子(角川文庫)
[監督]犬童一心
[脚本]渡辺あや
[出演]池脇千鶴 妻夫木聡 上野樹里 新井浩文 SABU 荒川良々 佐山佐吉
[配給]アスミック・エース
[宣伝]アスミック・エース

田辺聖子の同名小説を「金髪の草原」の犬童一心監督が、映画化。出演は「きょうのできごと」の池脇千鶴&妻夫木聡、「チルソクの夏」の上野樹里、「さよなら、クロ」の新井浩文、最近は監督の方が本職の SABU、「恋する幼虫」の荒川良々、「キル・ビル」の佐山佐吉。

恒夫は麻雀屋でアルバイトする大学生。最近、麻雀屋で話題になっていることがあった。それは近所に出没する婆さんのこと。婆さんはいつも乳母車を押しながら道を歩いていると言う。ある日、恒夫が麻雀屋のマスターに頼まれて、犬の散歩をさせていると、坂道を走ってきた乳母車と遭遇。婆さんに言われて乳母車の中を覗くと、そこには包丁を振り回す少女がいた。それが、恒夫と、ジョゼと名乗る少女との出会いだった…。婆さんは、脚が不自由で歩けない孫のくみ子を乳母車で散歩に連れ歩いていたのだった。恒夫は御礼に振舞われた朝食を食べさせてもらいながら、くみ子の不思議な性格に惹かれる。くみ子は、フランソワーズ・サガンの小説から取った名前ジョゼを自分に名付けて、恒夫には常にジョゼと呼ばせる不思議な女の子だった。恒夫は次第にジョゼに惹かれていく。

恒夫はジョゼの作る料理の美味しさにまず惚れていき、彼女の脚の障害にも戸惑う素振りすら見せずに婆さんが亡くなりジョゼがひとりになると同棲まで始めてしまう。そういう恒夫を笑顔ひとつで演じてしまう妻夫木の自然な演技。だが、やはりマイペースで元気で逞しいジョゼを体当たり演じている池脇の方が輝いている。本年度の賞関係は「座頭市」が総取りだろうが、空いている女優賞は池脇が持っていくかも。

オフィシャルサイト:http://jozeetora.com/


カテゴリー: 日本 | 映画レビュー

2003年12月15日 by p-movie.com