『サーチャーズ2.0』アレックス・コックス監督Q&A

『レポマン』『シド・アンド・ナンシー』などのパンクな作品群で有名な
インディペンデント界の鬼才アレックス・コックスが、5年の沈黙を破って
待望の新作『サーチャーズ2.0』を発表。
日本公開を前に監督本人がマスコミ向け「Q&A」を開催した。

 
081128_searchers_01.jpgこの『サーチャーズ2.0』ときたら、ジョン・フォード監督作『捜索者』をベースに
コックス印のパンク精神の炸裂した、まさに目の覚めるような現代劇なのだ。

主人公は、かつて西部劇の撮影で精神的トラウマを受けたふたりの子役。
いまやすっかり中年になった彼らは、当時の脚本家に復讐を果たそうと
モニュメント・バレーで開催される上映会後「Q&A」へとひた走る。

一言で「復讐」と言うと、まさに血みどろ、爆発、銃撃のオンパレード・・・と
イメージしがちだが、さすがはアレックス・コックス、ここでは「9.11」以降のアメリカ史を
総括するかのような、ぶっ飛んだ”オフビート・ロードムービー”が繰り広げられていく。

何よりこの映画、B級映画の帝王ロジャー・コーマンの協力の下、
アレックス・コックスが自身のホームページで製作費を募ったという文字通りの
「2.0」な作りなのだから驚きだ。

 
081128_searchers_02.jpgこのような制作スタイルを敷いた背景には、過去作品の影響でハリウッドから
製作依頼が全く来なくなった現状があるらしいのだが・・・
本人はそれを痛手とも思っていないようで、

「新聞か何かで、ネット上で資金集めをしている人の記事を見て、
自分でもやってみようと思いたちました。幸いロジャー・コーマンという
ビッグネームの協力も得られて、うまく進めることができました」

と朗らかに振り返って見せる。

そして、イラク戦争、石油、資本主義、ブッシュ政権といったテーマを果敢に
盛り込んでいく最強の批評精神についてはこう真理を突いた。

「自分が外国人(英国人)であること、
そしてこの映画がコメディであることが非常にうまく機能したと思う。
コメディであれば遠慮せずに何でもモノが言えますからね(笑)。
つまり、言いたいことがあれば、それを言えるような”環境作り”をするということ。
これこそ表現者にとっていちばん重要なんです!」

なるほど。さすがインディペンデント界の雄。胸に突き刺さるコメントだ。

だが、これほど反骨精神にあふれた人でも
「映画製作において自身を突き動かすものは?」との質問には、こう口を開いた。

「映画をつくるのが、ただ大好きなだけです。たとえお金にはならなくてもいい。
私はきっとそういう人間に生まれついてしまったんです。どんな苦難の中にあっても、
同じスタッフや支援してくれる友人たちと一緒に仕事をしていくうちに、映画のことが
どんどん理解できていく。それでまた、なおいっそう映画のことが好きになっていく・・・」

まるで「結婚」や「夫婦」について語っているかのようなコメントではないか!
あふれんばかりの「愛」が伝わってくる一幕だった。

こんな鬼才監督のとびきりの映画愛に満ちた最新作『サーチャーズ2.0』、
とにかく必見です。

当パーフェクトムービーガイドでは、この後コックス氏に直撃インタビューを敢行。
その模様も近日レポートしますので、どうぞお楽しみに!

 
081128_searchers_03.jpg映画「サーチャーズ2.0」オフィシャルサイト
http://www.uplink.co.jp/searchers/
まだ、死ねない。奴らを捜し出すまでは・・・
2009年1月10日(土)より、
渋谷アップリンクX、吉祥寺バウスシアターほか全国順次ロードショー
(C) 2007 COWBOY OUTFIT, LLC PRODUCTION

【映画ライター】牛津厚信

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2008年11月28日 by p-movie.com

『私のマーロンとブランド』単独インタビュー

10月26日にすべての日程を終了した第21回東京国際映画祭。
その閉会式で「最優秀アジア映画賞」を受賞したのはクルド系トルコ人、
フセイン・カラベイ監督による『私のマーロンとブランド』でした。

081120_karabey_01.jpgすでに複数の映画祭で受賞を重ねてきた本作は、
トルコ・インディペンデント界が生み出した鮮烈な一作であり、
イラク戦争によって引き裂かれた男女の姿を通して、現代に生きる人々の
先入観や無理解といった問題に大きく切り込んだ、実に勇気ある力作です。

閉会式前日、幸運にもフセイン・カラベイ監督にインタビューすることができました。
はたして彼の口からどんな言葉が語られたのでしょうか。

<あらすじ>
とある映画の撮影現場。
イラク版「スーパーマン」の主演として知られるクルド人(中年)俳優ハマ・アリと、
イスタンブール出身の(ふとっちょ)女優アイチャが恋に落ちた。撮影が終わり、
それぞれの祖国に帰っていくふたり。離ればなれになっても電話やビデオレター、
手紙などで愛を確かめ合う期間が続くも、そんなさなか、アメリカによる容赦ない
イラク攻撃が幕を開ける。繋がらなくなる電話。届かなくなる手紙。
テレビでは空爆映像がリアルタイムで流れているのに、ふたりの実際の距離は、
いま、こんなにも遠い。いつしかアイチャは我慢の限界に達する。
もうジッとしてはいられない。彼女はハマ・アリの住むイラク北部を目指して
命がけの危険な旅に踏み出していく・・・。

◆それはフィクションであり、ドキュメンタリーでもある

---この映画は実話をベースにしていて、主役をはじめその当事者たちが
自分自身を演じているそうですね。そのせいか、主人公アイチャさんの旅は
ドキュメンタリーじゃないかと見間違うほどの緊迫感があります。

【カラベイ/監督】
その通りです。すべて彼ら自身が演じています。
私が思うに、ドキュメンタリー作品というものは、ある意味フィクションよりも
フィクショナルである場合があります。逆にフィクションの場合でも、方法によっては
よりリアルに構築していくことが可能です。重要なのは、どういうやり方で、
何を描くかと言うことです。その境目を「こうだ!」と決めてしまうと物語の
可能性を狭めてしまう。私は今回、その中間域を目指しました。
ちょうど「ドキュ・ドラマ」と呼べるのかもしれません。

---本作は主演女優のアイチャさんにとって「苦難の再現」ということになります。
彼女への出演依頼は大変だったのでは?

【カラベイ/監督】
私は映画の世界に入る前、しばらく演技の勉強をしていました。
そこで気づいたことですが、そもそも俳優という職業は本来の自分そのままの役柄を
演じられることなど稀のようです。その意味で、演技中の俳優は常にその内側に
“矛盾”や”葛藤”を抱えた存在といえるでしょう。だからこそ私はアイチャにこう話を
持ちかけました。「あなたはこれまでいろんな役柄を演じてきたよね?
だったら・・・自分自身を演じるのはどう?」。すると彼女は少し考えて
「ちょっと怖いけれど・・・やってみる価値はあるわ」と答えてくれました。

---なるほど、彼女はプロフェッショナルだからこそ、「自分自身を演じる」という
究極の選択肢を受け入れたわけですね。

【カラベイ/監督】
そのとおりです。そしてこれは後から知ったことですが、どうやら彼女も自分の物語を
誰かに語りたいと思っていたようです。そのうえ、彼女は単に演技だけではなくて、
私と一緒にこの映画の脚本を書き上げてくれました。この勇気ある決断の結果、
彼女は現在までに世界の映画祭で3つの賞を受賞しているんですよ。

◆トルコに生きるクルド人

---アイチャは旅の途中でたくさんのクルド人と遭遇します。この映画で
「クルド」は、重要なテーマになっていますね。

【カラベイ/監督】
トルコではいま、移民や少数民族が暴行に逢う事件が頻繁に見られます。
私はクルド系のトルコ人なのですが、こういう状況が深刻化すると、たとえば
テレビドラマなどでもクルド人に対してステレオタイプの描かれ方が進んでいきます。
トルコ語が下手である、頭が悪い、テロリスト、殺人者・・・といった具合に。
多くのクルド人と出逢うアイチャの目線を通して、そうした偏りのある見方をなんとか
打ち砕きたいと想いました。これは私にとってとても大事な課題です。

---それは世界が直面している課題でもあります。

【カラベイ/監督】
そうですね。人々は「知らない」からこそ、たやすく嫌うことも、憎むことも可能になる。
逆にその人を少しでも知っていれば、嫌ったり憎んだりといったことから距離を
置くはずです。人々に関する正確な知識や情報が不足しているからこそ、人間同士の
深刻な対立が生じてしまうのだと思うのです。


081120_karabey_02.jpg映画「私のマーロンとブランド」
(英題”My Marlon and Brando”原題”Gitmek”)

<監督・脚本>
フセイン・カラベイ

<キャスト>
アイチャ・ダムガシュ
ハマ・アリ・カン

映画「私のマーロンとブランド」オフィシャルサイト
http://www.insomnia-sales.com/pro/fiche_pro.php?ID_Film=144
copyright © all rights reserved – INSOMNIA World Sales

【映画ライター】牛津厚信

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2008年11月20日 by p-movie.com

『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』 主題歌決定!!

株式会社ソニー・ミュージックジャパンインターナショナルより2009年1月21日に
リリース予定の、フランツ・フェルディナンドの3作目となるニュー・アルバム
『TONIGHT:FRANZ FERDINAND』収録の新曲が、2009年1月10日
全国公開予定の映画、『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』の
主題歌に決定いたしました!!

081119_jaguar_sub01.jpgフランツ・フェルディナンドのサード・アルバムのタイトルは、
『TONIGHT:FRANZFERDINAND』で、バンド・メンバーとダン・ケアリーの
共同プロデュース。日本国内で23万枚のセールスを記録した前作
『ユー・クッド・ハヴ・イット・ソー・マッチ・ベター』以来3年振りの
ニュー・アルバムとなります。

081119_jaguar_sub02.jpg◆フランツ・フェルディナンド:ショート・バイオグラフィー

2004年、あまたのレコード会社による熾烈な争奪戦を経て、
彗星の如く登場した4人組。
世界の音楽地図を瞬く間に塗り替え、「フランツ以降」と呼ばれるまでの現象を
巻き起こした2000年代UKバンド・ブームの代表格。
英国3大音楽賞を、新人として史上初めて同時に獲得し、同年のグラミー賞も受賞。
「ダンスとロックの垣根を取り払った」といわれる個性的なサウンドに加え、
ビジュアル、ファッションが三位一体となった魅力で音楽ファンの心をつかんだ。
日本では1stが18万枚、2ndが23万枚と、着実にファン層を拡げて
セールスを伸ばしている2000年代以降の稀有なROCKバンド。
2005年にはSONY WALKMANのCMソング/キャラクターにも抜擢された。
バンド名の由来は、第一次世界大戦のキッカケとなったサラエボ事件で暗殺された
フランツ・フェルディナンド大公から。

http://www.sonymusic.co.jp/franz/

081119_jaguar_sub03.jpg☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆―☆

『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』
同時上映 : 『エト』

2009年1/1(祝・元旦)より TOHOシネマズ六本木ヒルズにて先行公開!
1/10(土)より TOHOシネマズ系にて全国ロードショー

081119_jaguar_main.jpg◆原作:
 うすた京介 『ピューと吹く!ジャガー』 (集英社「週刊少年ジャンプ」連載)

◆監督・脚本・キャラクターデザイン:
 FROGMAN (蛙男商会)

◆声の出演:
 藤原啓治、金丸淳一  真木よう子、板東英二、伊武雅刀

『ピューと吹く!ジャガー ~いま、吹きにゆきます~』
2009年1/1(祝・元旦)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズにて先行公開!
2009年1/10(土)より TOHOシネマズ系にて全国ロードショー
オフィシャルブログ:http://www.pyu-to.com/
配給:DLE
(C)2009 『ピューと吹く!ジャガー』 FLASH MOVIE製作委員会